来るべき新型インフルエンザの発生に備え、マスクやゴム手袋といった感染予防製品を準備する企業や個人が増えている。一方で、新型インフルエンザが発生したときには、適時適切な対応を行うことが企業や個人に求められ、対応の遅れが感染拡大の要因にもつながる。では、「適時適切な対応」をとるためには何が必要なのだろうか。
「情報」が鍵!
適時適切な対応を行うためには、「情報」が欠かせない。そもそも「情報」という言葉は、明治時代の軍事用語「敵情報知」の略とも言われている。つまり、新型インフルエンザという「敵」の動向を掴むことが、迫りつつある危機に打ち勝つ要素となるのである。
「新型インフルエンザの発生や感染状況はどうなっているのか」といったリアルタイム情報をいち早く入手し、迅速な対応をとることが、感染拡大を抑制することにつながるのである。
まずは公的機関の情報から

迅速な対応のために必要な「新型インフルエンザの発生」や「感染状況」の情報はどこから入手すればいいのだろうか。
現在、世界の感染症情報を発信する代表的な機関としてWHO(世界保健機関)があげられる。WHOでは、新型インフルエンザに変異すると懸念されている鳥インフルエンザの情報もウェブサイト上で公表しており、鳥インフルエンザのヒトへの感染状況を確認することができる。また、新型インフルエンザに対する警報レベル(パンデミックインフルエンザ警報レベル)もウェブサイト上で見ることができる。
日本国内では、厚生労働省と国立感染症研究所感染症情報センターのウェブサイトにおいて、WHOの発表情報を日本語でみることもできる。
一方で、ウェブサイトの更新よりも、テレビ・ラジオといった報道機関からの情報が早いことも考えられるため、各種報道についてもチェックする必要がある。
企業であれば社内情報の把握も

感染が拡大する中でも企業は事業を継続しなければならない。また、事業を継続するためには社員の存在が欠かせない。社員が出社しなければ事業を進めていくことは困難である。そのために企業は、社員と家族の健康状況を把握し、出社できる社員はどの程度いるのか、どの程度まで事業レベルを低下させることができるのかを判断しなくてはならない。
例えば、WHOが新型インフルエンザ警報レベルを引き上げた場合、安否確認システムなどを活用し、社員の健康状態を随時チェックする。感染の疑いがある社員については、自宅待機を命じ、企業で勤務可能と判断した社員に対しては、適切な予防手段を講じて出社するよう命じることになる。
なお、勤務可能という判断には、通勤に利用する鉄道やバスといった公共交通機関の運行情報や、学校の休校によって子供の世話をしなくてはならない社員も出てくる可能性があるため、学校閉鎖の情報も把握するなど、幅広い情報を集めることが求められる。
情報収集を円滑に行うために
ここまで、「どのような情報が必要か」という部分についてみてきた。では、これらの情報を円滑に収集するにはどうすればいいのだろうか。
まずは、計画を実行に移すために必要な情報をリスト化することだ。そして、リスト化された情報を、どのようなタイミングでチェックするのか、どのような情報が出されたら計画を実行に移すのかといった独自の基準を作ることが重要である。こうしたことを実践できるかどうかが、情報収集のポイントとなる。
知識も情報
新型インフルエンザ対策の最終目標は、いかに感染拡大を防ぐかにつきる。
感染拡大を防ぐためには、ひとりひとりが新型インフルエンザに関する正しい知識を身につけ、対策を行うことが重要になってくる。そのためにも、正しい感染予防策という「情報」を様々な媒体を活用して身につけ、自らが情報発信することも忘れてはいけない。
(文・レスキューナウ危機管理情報センター 三澤裕一)
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