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防災インタビューVol.225

人命を守る車止め~抑止から阻止へ~

放送月:2024年5月
公開月:2024年10月

奥田 浩也 氏

帝金株式会社
代表取締役社長

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

今後の商品開発

現在、もっと高強度なものにすることを視野に入れて開発に取り組んでいます。現在取り扱っているのは普通乗用車が40キロ程度で走っている状態のものを1本で止めるという商品ですが、もうちょっと速度が出ても止まるもの、もうちょっと大きな車が来ても止まるというようなものを開発しています。

強度を上げることと同時に、コストの問題や車の乗員の安全も課題としています。広く普及させようと思えば、やはりコスト面もかなり重要だと思います。人、その車の後ろにいる人を守るということはもちろん、やはり車に乗っている方の安全も確保しつつ、難しいところはありますが開発していきたいと思います。

設置する商品の大きさ、材質によって価格が異なりますが、店舗前の設置となると複数設置して、10万~20万円程度の経費がかかります。耐衝撃性車止め・ハイパーボラードになると、ざっと2~3倍の価格になります。

今までは、店舗前などではコンクリートを使用した基礎で地中に埋めるタイプのものを使用していて、コンクリートの養生期間などもあり3日程で作業していました。ハイパーボラードは「鋼管杭」というパイプ状のものを打ち込んで設置する方法なので、コンクリートのような大きな基礎を使用せずに施工できるため1日で作業が完了してしまいます。なので、製品コストは上がりますが設置期間が短くて済むので、トータルすると費用はあまり変わらないと思っています。

道路や公共の場所はもちろん、車通りが多い場所に建てられた民家などに個人で施工を希望される場合もあります。やはり、「ブレーキとアクセルの踏み間違い」による事故などが毎日のように報道され、社会現象として認識されてきているため需要が高まっているというのが現状です。

今後の展望

私共の社訓で「創意と工夫」という言葉があります。当初はドアのヒンジなどの開発をしていて、現場で開く向きを組み換えられる「左右兼用ヒンジ」を開発し爆発的にヒットしたことが最初なのですが、今回お話させていただいたバリカー、地中に収納できる車止めを開発したのも世界初だと思います。これらのように、まだ世に出ていないものを開発して製造して世に出すというのが私共の使命だと思っております。

悲しい事故を受けて誕生した耐衝撃性車止めハイパーボラードという商品も業界に先駆けてこの世に出すということが使命だと思い急ピッチで開発に取り組みました。

ハイパーボラードという耐衝撃性の車止め、専門用語で言うとH型ボラードの開発について、私共のような中小企業や大手企業も参入してきています。私共1社だけでは普及していかないと思っていますので、業界全体が交通安全というところに目を向けて、切磋琢磨してより良い製品を作っていくというのは非常にいいことだと思っています。

大津の事故から2024年5月で丸5年、ハイパーボラードが交通安全の礎として社会貢献できるのであれば、これほど嬉しいことはありません。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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