ローリングストック
普段の暮らしの中でどうやって防災につなげていくのか、皆さんも大きな災害があった直後は気を引き締めて備えを確認されますが、やはり時間が経つとなかなか備えという意識につながっていかないことも多いかと思います。そういう中で、「ソナエルRadio」でもよくお伝えしているのはローリングストックについてです。
2024年はお正月から能登半島の地震もありましたし、地震以外にも毎年水害の被害もあります。特に東京や神奈川にお住まいの方は記憶にあると思いますが、2019年10月12日に伊豆半島に上陸した台風19号によって多摩川が氾濫しました。その時に、スーパーマーケットから商品が一気になくなってしまったことを実際に体験した方も多いかと思います。
「ソナエルRadio」のスポンサーをしていただいているFDK株式会社様はアルカリ乾電池を作っている会社です。皆さんも、停電した時に電源をどう確保するのかと考えていらっしゃる方も多いと思いますが、災害時にはこの電源の確保として欠かせないものの1つとして、やはり乾電池の備蓄があると思います。
2019年の台風19号上陸前に乾電池の需要が一気に伸びていて、上陸した2週目の販売個数は、前年に比べて約650パーセントと集中的に購入されていたというPOSデータがあります。台風の場合は、数日前から接近・上陸する可能性の予測がされ、事前にどのような影響があるのかを認識できますので、いざ台風が来るという時に集中して購入されたということです。自然災害の中でも台風は事前の備えや準備を進めやすい現象ではありますが、このように直前である数日前などに一気に買い求める状態になると、スーパーマーケットの棚から特定の商品が品切れとなってしまい、必要な時に必要なものが手に入らない事態になってしまうので、こういう時に役に立つのはローリングストックという考え方です。
ローリングストックというのは、非常用のためだけのものではなく、普段使う食べ物や道具、先にお話しした乾電池などの日常で使用し消費していくものを少し多めに買っておいて、使ったら使った分だけ新しく買い足していく、ということで常に一定量の食料や道具を家に備蓄しておくという循環型の備蓄方法です。消費しながら備蓄することができるので、備蓄用品を一定量に保ちながら、災害時も普段の生活に近い生活を送ることができます。
それぞれの身体や嗜好に合わせてできる備え
ローリングストックをしておくメリットの1つを紹介します。アレルギー体質や、高齢の方、持病がある方、また妊婦さん乳幼児などについては、災害時に支援される食事では配慮が必要な場合が多いかと思います。特に災害発生後3日間というのは公助の時間ですので、自分たちで3日間なんとか生き延びないといけないという状況になった時に、普段から食べているもの、必要なもの、食べ慣れている食材、食べることができる食材というものをきちんと自分で確保しておかないと自分の命にも繋がってきます。
災害時に安心してお食事することができて、家族みんなの命や健康を守るということにも繋がりますので、自分に必要なものや食べることができるものは特にローリングストックして循環させて備蓄しておくということがとても大事です。
家族の好みや、特に持病があるとか動機の有無に関わらず、ストレスがたくさんかかる中で少しでも気持ちが安らぐことができることの1つとして食べる行為があると思います。
その中でもちょっとした嗜好品、お菓子やチョコレートなど好きなものを少しでも用意しておくと心が和らぎますし、特に小さいお子様がいる場合にも災害時の急な環境変化の中でのストレスというのも少し和らぐという効果もあります。難しいことではありませんので、普段からできることの1つとして実践していただければと思います。
食べ物を中心に説明しましたが、食品だけではなく、トイレットペーパーや衛生用品、乾電池、カセットボンベなど生活に必要な日用品でもぜひ実践いただきたいです。