地域への防災視点での社会貢献
これまでお話しさせていただいたように、危機管理の役目を担った時にはあまり考えた事がなかった課題でしたので当初はとても戸惑いました。専門家の話を聴いたり、実際に阪神淡路・東日本・熊本・新潟・胆振東部などの被災地に出向いて被災の現実を知ったり、被災者の体験談を聴いたりとリアルな状況を知るにつれて、これは他人事ではなく自分事としてしっかり取り組む必要があると認識してからは、自分に力が湧いて動き出せるようになりました。
そんな中でふと、自分の住まう地域、あるいは家族は大丈夫なのかと思うようになりました。私自身、何ができるのかな?できることは自宅の家具の固定・備蓄品の整備を整えましたが、地域全体に寄与する取組がしたいと考え、5年前に消防団に入団しました。
消防団では自治会の防災訓練に指導員として呼ばれ、消火器の使い方や煙体験・起震車での揺れの体験・救出方法・搬送方法・応急手当方法等を行います。大規模災害時は警察・消防などの公助は手が回らないため、ご自身やご近所や自治会で協力し合う自助・共助がとても大切になってくることを伝えています。
通り一遍の話ではなく、被災地で私が見聞きした話や経験談をお話すると、真剣に聞いてくれる人が多いのです。100人に話して100人に理解してもらう事は難しいのですが、その中で10%でも気づきを得て行動に変化があれば、繰り返し行う事で地域全体の災害対応力や生きるチカラが上がってきます。そんな地道な取り組みを継続していきたいと考えています。
今後の活動
いろんなとこでお話をさせていただく際、最後にお伝えしているのは『「あの時にやっておけば良かった」ではなくて「あの時にやっておいて良かった」と言えるように行動して行きましょう』という言葉です。
2025年3月末で定年を迎え東急株式会社を退職いたしますが、会社から「このまま同様にグループ会社への防災対応支援をしてもらえないか」と話があり、2025年4月からは会社と契約を結び個人事業主としてグループ会社や相談のあった地域や会社の支援をする事となりました。まだ65歳です。これからも、社会の安心・安全に寄与して行きたいと考えております。


