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防災コラムVol.4

災害時に快適さを保つ

公開月:2006年1月

隠れた必需品~コインティッシュの活用を

あると便利なウェットティッシュ

「大災害時の備え」と聞くと、身の安全を守ったり、非常食の用意や非常持ち出し袋などを思い浮かべる方が多いことだろう。確かにそうした備えも重要で、さらには家具の固定などの耐震補強も欠かせないが、今回は災害時に快適さを保つ方法を探ってみたい。

大災害では避難生活が長く続けば、ストレスがたまったり、それによって体調を崩してしまうことがある。普段の生活と大きく異なる不自由な状況で、いかに快適さを保つかは重要な問題といえる。水道やガスなどのライフラインが止まり、停電してしまえば、トイレや洗濯機は使えなくなることもある。ましてや何百人と集まっている避難所は、街の建物が倒壊したり、火災の難を免れて来た人で一杯となっているかも知れない。手を洗う水も出ず、風呂にも入れなければ、衛生状態は極度に悪化する。

災害時に病気になる原因のひとつは、手に付いたばい菌が口から体内に入ることだ。免疫力が低下しているため、病気予防のために少しでも清潔さを保つようにしたいところだが、どのような方法が考えられるだろうか。「手洗いの励行」を災害時の対策マニュアルとして策定している市町村もあるように、手洗いは衛生確保の基本となる。災害は何も地震に限らず、水害の場合は汚物を含んだ水が浸水してしまうこともあり、衛生面はより深刻ともいえる。

水が不足する中ではウェットティッシュが便利。水分を含まない普通のティッシュよりもウェットティッシュの方が水が不足している状況では何かと活用できる場面があるだろう。たとえば、手指の消毒や除菌の場合、通常は石けんを使い水道水で手を洗うが、ウェットティッシュであれば、水や石けんを使わなくてもある程度の汚れなら落とすことできる。顔や頭を洗う場合も同様だ。汗ばんだ髪をさっぱりするには、髪をもむようにして拭きとる。好みの匂いが付いたウェットティッシュを使えば、気分転換になるかも知れない。

コイン大のウェットティッシュ

水をかける前のコインティッシュ

ここまで見てきたように、ウェットティッシュを備えておくことは大事だが、今回ご紹介したいのは、「コインティッシュ」というちょっと変わった小物。直径2センチ、厚さ1センチに圧縮されており、10円玉大のような大きさからこの名前がついた。乾燥圧縮された状態に、大きなスプーン2杯分(約10ml)の水をかけると、みるみるうちに膨らみ、広げると25センチ×22センチのウェットティッシュになる。素材は天然パルプを100%使っており肌に優しい。

アイデアで広がる用途

水をかけた後はこのように膨らむ

コインティッシュを使って手の消毒や顔や首筋など拭いて体を清潔に保つようにすれば、風邪などのウイルスにも負けづらくなるだろう。避難所では救急セットや常備薬などと一緒に多めに用意しておけば心強い。

また、使った食器の汚れを拭きとったり、食事後に歯の表面をこすることで、多少の歯の掃除はできるだろう。

さらに別の用途として、濡らした状態にすれば、煙が立ち込めてしまった際に、マスクがない場合でも口元にあてるだけで多少のガードとなるかも知れない。また、女性であればメイク落としの代わりとして使う方法もあるなどアイデア次第で用途は広がる。

広げるとこのように大きくなる

このコインティッシュは水をかける前は小さく、いつでもどこでも携帯できる。もし同じ枚数の市販のウェットティッシュを用意するとしたら、この何倍もの大きさと重さとなってしまうだろう。コンパクトさに優れているコインティッシュは非常用持ち出し袋に入れるだけでなく、普段使うかばんに家族ごとに前もって分けて入れておいてもよいだろう。災害時に限らず、外でのレジャー時にも使用することができる。

災害への備えは食糧などの最低限の備蓄だけでなく、「衛生」や「快適さ」というプラスアルファの準備まで視野に入れると、単に衛生状態が保てるということだけでなく、洗髪ができたり体を拭くことによる精神面でのリフレッシュも期待できる。まだウェットティッシュの用意のなかった方はこれを機会にコインティッシュを準備されてはいかがだろうか。

(文・レスキューナウ危機管理情報センター専門員 大川 義弘)

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