米国で開発された「携帯テント」が日本でも販売開始。避難所などで、プライバシーの空間を簡単に作り出せるこの商品を紹介する。
プライバシーの必要性、そして商品化
災害時に避難所などで生活する上で、人目にさらされ続けることは大変なストレスを感じることになる。さらに体を横にして休むのに固い床に横になるのも苦痛が伴う。米国の起業家フランク・ジオット氏は、仕事上、広いアメリカ全土の移動手段として航空機の利用が多かったため、天候などの様々な理由で運休となり、空港に長時間足止めさせられる経験を何度もした。そのような時に、空港の固いイスで何とか仮眠をとろうと努めつつ「もっと人間らしく一夜を過ごす方法はないものか」としばしば考えていたという。こうして生まれたのが今回紹介する「携帯テント」である。プライベートスペースを確保できる室内専用テントで、コンパクトに持ち運べ、組み立ても10~15分程度と簡単。マットレスを敷いたテント内では、仮眠・読書もできるよう、アイマスク、ミニライトなどが付随している。交通機関のトラブルの際(運行遅延時の駅、空港)の休憩用としてだけでなく、被災時の一時避難用(災害時の避難所)としても利用できる。
商品のネーミング(こだわりや、思いなど)

この商品を輸入している有限会社サンクスギヴィングの小泉吉宏氏は、次のように語っている。
「原名は『Mini Motel』です。しかし、日本において『Motel』は馴染みのうすい名前ですので、『テント』という言葉を入れたかったのです。ただ、『テント』と聞くと大概は屋外で利用するものとして定着しておりますので、一人用・小型・持ち運び便利、という意味合いがある『携帯』(携帯電話をイメージ)を選び、商品名『携帯テント』としました。
商品の特長と、効果的な使い道について

- 今までのテント形式に無い、場所を取らないコンパクト形状
- エアマットには、スポンジポンプが内蔵され、足踏みだけで簡単に空気が入れられる
- 安眠したい人のためにアイマスク、耳栓を付属
- テント内には小物入れ用のポシェット
- 9つのアイテム
1 テント 2 エアマットレス 3 フレーム 4 シート 5 エアー枕 6 アイマスク
7 アラームデジタル時計 8 読書用ミニライト 9 耳栓
骨組みは全てゴムひもで繋がれていて、差し込むだけで簡単に組み立てられ、パーツをなくす心配もない。出入り口に網窓、天窓もあり通気性の確保も可能である。
少しでも快適な避難生活のために
これまでの大きな災害では、避難場所においてプライバシーを確保できず健康状態を悪化させてしまうケースが数多くみられた。また、授乳をする場所がないなど女性ならではの問題もクローズアップされている。このように、避難所では日常生活における様々な行動に制限が生じてしまう。また、避難所生活でどのようなものが必要になってくるのかはひとりひとり異なる。自分に合ったグッズを揃え、少しでも快適な避難所生活を送ることができるよう今から準備することが重要である。
(監修:レスキューナウ 文・国際ボランティア学生協会 小野槙子)
copyright © レスキューナウ 記事の無断転用を禁じます。