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防災コラムVol.202

多くの命を救いたい-AEDインストラクター認定講習

公開月:2010年11月

2010年11月3日

本コラムでも取り上げたことのある「東京臨海広域防災公園」。2010年11月28日、この敷地内にある防災体験学習施設でAEDインストラクター認定講習会が開催される。手順を見ながら誰もができるというAEDだが、講習会を開くには、わけがある。

突然の心停止、その多くが・・・

実技を交えながら心肺蘇生法処置(CPR)を学ぶ。

年間約3~5万人が病院外で心臓発作に襲われ、心停止になっているというデータがある。駅や公共施設などで突然意識を失い、AEDを使用した救急救命措置の光景を目撃したことがある方もいるかもしれない。
しかし、病院以外で発生している心停止の約7割は「自宅」で発生しているという。つまり、大切な家族に万が一のことがあった場合、私たち一人ひとりが救急救命の措置を講じなければならないわけだ。
2009年の総務省消防庁の発表によると、救急車の出動依頼を要請してから救急車が現場に到着するまでの時間は、全国平均で「7分」。この「7分」でどれだけの措置を行えるのかが、生死の分かれ目と言っても過言ではない。

着実な救急救命措置を実行するために

では、救急救命措置の流れとはどのようなものなのだろうか。以下に列挙してみた。
(なお、救急救命の大元となる『AHAガイドライン2010』が2010年10月18日に発表され、従来の心肺蘇生法の手順に変更点があるので注意)

新:1.意識の確認 2.応援の依頼 3.胸骨圧迫 4.気道確保 5.人工呼吸
(旧:1.意識の確認 2.応援の依頼 3.気道確保 4.人工呼吸 5.胸骨圧迫)

これら全ての項目を、迅速かつ正確な手順で実行できる方はどれくらいいるだろうか。知識はあっても、意識を失った人を前にするとパニックになることも考えられる。2004年から一般人でも使用が認められた※1「AED(自動体外式除細動器)」も、手順が記されているとはいえ、事前に操作方法を身につけておいたほうがスムーズな救急救命ができるだろう。つまり、冷静な判断力と実行力を身につけるためには、講習などの機会を通じて専門家からじっくり学ぶ必要がある。

東京臨海広域防災公園内そなエリア開催「AEDインストラクター認定講習」

専門家からじっくり学ぶことで、大切な人の命を救うことが可能となる。

少しでも多くの人が救急救命措置を学び、また、学んだ知識をより多くの人々に伝えることを目的に、2010年11月28日(日)東京臨海防災公園の防災体験施設内(そなエリア)で「AEDインストラクター認定講習」が実施される。
この講習会では、健康スポーツ関連施設連絡協議会(兵庫県医師会関係団体)が指導・認可を行い、「AEDの知識・基本原理」・「効果的なAEDの使用方法」・「AED使用方法の指導法」を講義と実技で学ぶことができる。これら以外に、AEDを使用しない基本的な心肺蘇生法処置(CPR)についても実技を交えながら学び、試験に合格すると「AEDインストラクター」の資格を登録することができる。先述したように、心停止の約7割は「自宅」で発生しているのだから、AEDがないところでの救命措置も基本から身に着けることは大切だ。

講習の流れは以下の通りである。

■AEDインストラクター認定試験 講習会・試験の内容
9:30~11:30 講義
・オリエンテーション
・基本的心肺蘇生法処置の確認
・AEDの知識、基本的原理
(昼休み 1時間)
12:30~15:30 実技講習
・意識の確認・心肺蘇生法の実技指導
・AEDの使用に関する実技指導
15:30~17:00 評価判定(筆記試験と実技試験)
・ 評価判定と解説
※修了証授与 評価判定に合格された方のみ修了証を授与

注目すべきは、予定されている講習の時間が「9:30~17:00」と長めに設定されていること。講義と実技の時間だけでも6時間ある。実は、この時間の長さには講師を務める※2河村剛史氏(医学博士)の強い思いが込められている。

今から20数年前、河村氏は留学のためアメリカにいた。ある日、アメリカ人の仲間とともに日本で開催されていたバレーボールの試合をテレビで観戦していたところ、激しいラリーの最中、ベンチに座っていた選手が突然倒れたという。しかし、試合はそのまま続行、心肺蘇生も行われなかったというのだ。その模様をみていたアメリカ人の仲間は、河村氏に向かって「なぜ日本人は心肺蘇生をしないのか!」と叫んだ。結果として倒れた選手は、そのまま帰らぬ人となってしまったそうだ。その当時、日本ではまだAEDの一般使用ができず、心肺蘇生法も普及していなかった。AEDの民間利用ができるようになったのは2004年7月1日からである。 この一連のできごとを見て、河村氏は、救急救命の考えが一般的に広まっているアメリカに対して、日本ではその意識の遅れを感じた。
そして帰国後、救急救命に対する意識の向上を図るため、また、健康スポーツ医と健康スポーツ施設や地域とのネットワーク化が必要であると考えた。そこで、当時の兵庫県医師会橋本章男会長と兵庫県立健康センター所長となっていた河村氏が代表発起人となり、健康スポーツ関連施設連絡協議会を正式に発足し、AEDを使用した救急救命法の普及に日々奔走している。

そうした河村氏のこころざしのもと、教育事業、人材関連事業、介護事業を展開するヒューマンリソシア株式会社(本社:東京都新宿区 代表取締役:桑原加鶴子)が、「命の大切さ・命を救える研修」の大切さから、定期的なAEDを使用した救急救命研修を、特定非営利活動法人AED普及協会の協力のもと実施し、AEDインストラクター認定試験の告知活動・集客を行っている。

多くの命を救うために

さて、いくら資格を取得してもそれを活かすことができなければ、河村氏が目指す日本における救急救命意識の向上にはつながらない。そこで、このAED講習会を開催しているヒューマンリソシア株式会社は、AEDインストラクター資格取得者がAED講習を開催できる機会や場所の提供を行っている。また、※3一般社団法人日本AEDインストラクター協会とともに、認定インストラクターのたまごを育てる環境を開発中である。人材育成を事業の柱としている会社だからこそ、こうしたサポート体制が実現できたとも言えるだろう。

「自身が身につけた技術で人を救うこともあれば、他人に教えることで、自身の命が救われることもある」。そう考えると、今回の講習はとても意義深いものと言える。日曜日の開催というところにも、同様の思いを広げたいという意思が感じられる。是非、この機会に受講してみてはいかがだろうか。

【問い合わせ先】
ヒューマンリソシア株式会社
救急救命研修宛 TEL 0120-02-1069 Mail 99@athuman.com

※1「AED(自動体外式除細動器)」:心臓に電気ショックを与えることで、乱れた心臓リズムを正常に戻すための機器。
※2河村剛史氏:河村循環器病クリニック院長・健康スポーツ関連施設連絡協議会 会長
※3一般社団法人日本AEDインストラクター協会:AEDインストラクターの指導・教育を目的とした団体

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 協力・ヒューマンリソシア株式会社)

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