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防災コラムVol.254

年末年始の移動

公開月:2011年12月

2011年12月21日

昨年(2010年)の大晦日。「年越し寒波」が南下したため、西日本を中心に大雪となった。このため交通機関は大きく乱れ、多くの帰省客が足止めされた。

年末年始の大雪

2010年12月31日、鳥取県米子市では記録的な積雪となり、翌2011年1月1日には積雪89cmを観測。この大雪のため、鳥取県西部の国道9号線では車両1000台以上が立ち往生し、自衛隊への災害派遣要請による除雪作業などが行われたが、渋滞解消までに丸1日以上を要した。このほか、鉄道の運行にも影響が出たため、動かない列車の中で元旦を迎えた帰省客も多くいた。

東京都心で21年ぶりに大晦日に積雪を観測した2004年12月31日。筆者自身もその影響を受けた経験がある。
当日、東京は朝から雨。帰省先の山梨へ向かう途中、近くの大型スーパーで買い物をしていた。ところが、買い物を終えて駐車場へ戻ると、雨が雪に変わり、既に雪が積もり始めていたのだ。突然の積雪に周囲の買い物客も驚いた表情で、店舗周辺の道路では渋滞が発生し、駐車場から道路へ出るのに約30分かかった。
国道20号線に入る頃になると、積雪は5cmを超えた。そのため、大晦日にもかかわらず、走行する車はほぼ皆無だったが、そのまま山梨方面へと向かった。東京と神奈川の境にある大垂水峠付近では急な坂道が続くため、タイヤチェーンを巻いていてもスリップする有様。また、JR相模湖駅の手前(神奈川県相模原市緑区小原)では、道路に放置された車が数台あった。
そして、国道20号線から山間部の県道に入ると、雪はさらに積もっていた。スリップしたのか、路肩に乗り上げてしまった車もあった。
何とか無事に帰省はできたが、走行する車の数が極端に少なかったため、事故に遭わずに済んだのかもしれない。そして、気象情報を十分に確認すべきだったと反省した。

事前の情報収集を怠らない

大雪のため滑走路閉鎖となった新千歳空港(撮影:2008年2月23日)

年末年始の帰省では、鉄道・飛行機・道路といった各種交通機関を利用することになる。そして、これらは気象に大きく左右される。つまり、最新の気象情報を確認し、利用する交通機関に影響が出ていないか常に確認する必要があるのだ。中でも気象情報は、どのような天候が予想されるのか事前に把握できるため、スケジュール調整をする上で最も参考にしたい。例えば、西高東低の冬型の気圧配置がどの程度強まっているのか、大雪の要因となる寒気の流れ込みはどうなっているのか。新聞・テレビ・インターネットから確認し、注意喚起を呼びかけるコメントがあった場合には、当日のスケジュールを再考することも必要となる。

雪道での運転

《準備編》
雪が予想されている場合には、「スタッドレスタイヤ」または「タイヤチェーン」を準備する必要がある。また、作業に必要な「軍手」も準備するといいだろう。また、タイヤが雪にはまってしまった場合に備えて、「スコップ」・「砂」・「長靴」・「懐中電灯(夜間用)」があると安心だ。このほか、フロントガラスに下り霜対策として「スクレーパー」・「解氷スプレー」があると便利だ。解氷スプレーは、鍵穴の凍結防止にも役立つ。

《運転編》
雪道における運転では、いつも以上に車間距離をとることが必要だ。路面は滑りやすく、ブレーキをかけてもすぐに止まることはできない。また、自分の車は万全の冬装備でも、そうでない車が起こす事故に巻き込まれることもある。
このほか、「急」のつく動作をしないことも重要だ。アクセルを一気に踏み込む「急発進」は、タイヤが空回りして前に進むことができないこともある。徐々にアクセルを踏んで走り出すようにしよう。また、「急ハンドル」は、車が滑ってしまうため、思い通りに曲がることができない。カーブを曲がる際は、あらかじめ速度を落とし、ゆっくりとハンドルを切るようにしよう。さらに、「急ブレーキ」をかけると、タイヤがロックされてしまうため、路面を滑るだけでなかなか止まることができないばかりか、車がスピンすることもある。スピードは控え、ブレーキは何回かに分けて踏むようにしよう。

他者に左右されない行動を

年末年始は故郷でゆっくりと家族で過ごしたいと考えている方が多いであろう。そのためには、事前に気象情報の確認をするとともに、雪が予想されている地域へ帰省する場合にはしっかりとした準備が必要となってくる。そして、公共交通機関に支障が出た場合には、自宅へ戻る選択肢も忘れてはならない。先述の国道9号線のように、正確な情報が入手できないと、どうしても他者の行動を参考にしてしまう。交通量のある道路であれば、その連鎖で渋滞が発生し、身動きがとれないという事態に陥ってしまう。そうならないためにも、携帯電話やスマートフォンを活用して、常に最新の情報を入手してから行動してほしい。

 

(文・レスキューナウ危機管理情報センター 三澤裕一)

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