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防災インタビューVol.13

自分で守る自分の命

放送月:2005年4月
公開月:2007年8月

高橋 洋 氏

練馬区危機管理室防災課 係長

自分で自分の命を守ること

新潟中越地震川口町への支援活動

本当の意味での命を守っていくという対策は、家屋の耐震性と室内が安全であること、それに尽きると思います。後は街づくりです。火災が起きても延焼していかない街づくり、そういうものは必要だと思います。しかし、私たちの人生においては、いろいろなことが起きます。お金があるときばかりではありませんし、景気のいいときばかりではないです。そういった中で、私たちがどうやって自分の命を守っていくのかということは、これもまた重要な問題です。

練馬区では、いろいろなところで災害対策活動を、市民の皆さんがやられています。その中では、結局、家屋の耐震性の確保が必要であるということは皆さん分かっています。わかっていても進まない、取り組みにくいことを、意識啓発を中心に進めることが今、そしてこれからの課題なのです。(補助制度などは、これまでの制度を大幅に手直しして、あるていどのものを行う見通しがつきました。)

家屋は個人のものではあるけれど、地震で住宅が倒壊して、道路に倒れかかれば道路をふさいでしまいます。隣の家に倒れかかれば、壊れてしまうんです。それからもう1つ、阪神淡路大震災ではっきりしたことですが、倒壊する住宅の割合と、出火をして延焼する割合は、これがほぼ正比例の関係です。だから、個人の住宅は個人の財産とは言うものの、やはり公共性があると思います。そうするとみんながこの問題を考えていかなければいけないということになります。

新潟中越地震

地域で防災活動されている皆さんは、どちらかというと年配の方が多い。家の使い方を考えますと、2階に寝室があるという住まい方をされている方が多いのですが、それが高齢化されますと、どうしても足腰が弱る。階段の上り下りも大変だということで、1階で生活するようになる。寝たきりだと、1階の方が介護しやすい場合が多いと思います。そのときに、耐震性がわかっている必要があると思います。耐震性が大丈夫な家ならそれでいいですが、耐震性が無く、耐震強化もできない状況だとしたら、できるだけ2階で寝ていただくのが一番です。しかし、介護で寝たきりの方がいて、1階でしか生活できないということになれば、安全な家を確保するのが第一です。もしそれも駄目だったら、家が多少崩れても、空間ができるような耐震ベッドというのがありますので、そういうものを使うのもひとつの方法です。

まずは、自分の家が地震に強い家なのか、あるいは怪しい家なのか、はっきりさせる必要があります。よくあるのですが、耐震診断はしてもよいけれど、補強までするお金がないから、耐震診断そのものをやっても無駄だとおっしゃる方がいます。けして、そんなことはありません。危険な家でも、工夫できるところはあると思います。まずは診断を受けてみるというのはとても大切です。

人生の節目での家屋の選択のたいせつさ

どなたも大体同じような人生の軌跡をたどられると思いますが、一般的には成長して親の家から独立をして、アパートを借りる。その次に、例えば結婚される。今までワンルームに住んでいたんだけど、2DKの賃貸のアパートに移るなんていうことがあります。お子さんができてもう少し広いところ、分譲のマンションを買おうか、賃貸のマンションに住もうかとか。さらに年齢層が上がりますと、一戸建てを買うだとか、公営住宅に抽選で、なんとか入りたいとか、そういう選択がいろいろございます。実は、残酷な話を申し上げるわけなんですけど、そういう人生の節目、節目に、大きな地震がきたときに、自分が死ぬほう、怪我をするほうにまわるのか、無事になんとか地震の第一撃を逃れるほうに回るのか、知らず知らずのうちに選択をされているんです。

家を選ぶ時に、まず考えてほしいのは、耐震性という問題です。阪神淡路大震災のときに、お年よりも亡くなりましたけれども、20歳から24歳くらいの学生さん、若いサラリーマンが結構亡くなっているんです。家賃の安い文化住宅、古いものにお住まいだということがありました。ですから、家賃という問題が確かにあるのかもしれませんが、これからは地震が多い時代に入ってきていますから、人生の節目に家を選択するときにもぜひ耐震ということも考えていただきたいと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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