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防災インタビューVol.141

あなたにもできる 災害ボランティア

放送月:2017年6月
公開月:2018年1月

辛嶋 友香里 氏

ピースボート災害ボランティアネットワーク 現地コーディネーター

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

私は、一般社団法人ピースボート災害ボランティアセンターのスタッフをしています。私が災害の職業に就くようになったのは、2009年12月に国際交流のNGOピースボートという地球一周の船旅に参加したのがきっかけです。このピースボートというのは、客船を活用して、1回に約1千人のお客さんが乗っていて、3カ月ぐらいかけて約20カ国を回って行くものです。よく居酒屋さんのトイレなどに船旅のポスターが貼ってあって、「参加費何百万」と書いてあると思いますが、私は初め社会人として企業で勤めていまして、その時は「怪しい団体だな」としか思っていませんでした。実際乗ってみて気付いたことなのですが、それは観光というよりは、どちらかというと、国レベルではなく市民同士で協力していかないと解決できないというような問題、カンボジアの地雷撤去や貧困の問題といったことを、平和活動として実施しているものでした。その中に災害の活動というのもプロジェクトとして入っていたのが、この活動を知るきっかけになりました。

その後一人旅を続けていたのですが、2010年に旅をしていた際に、チリの大地震に遭遇しました。その時私は海外の旅行者なので、自分自身も要配慮者として被災に遭うという経験をしました。翌年の2011年には、東日本大震災が発生して、とにかく急いで日本に帰らなければということで帰国して、宮城県の石巻市でボランティアに参加したのが大きなきっかけになり、2011年に設立されたピースボート災害ボランティアセンターの初期運営メンバーとして支援に携わっていき、職員になりました。

その後は職員として、まず東日本大震災の時に、全国から駆け付けた何万人というボランティアのオーガナイズをしたり、その後6年間、防災、減災のための教育のプログラムや、防災グッズの企画開発をプロジェクトとして行ったりしてきました。直近では2016年に起こった熊本地震の緊急支援として、半年あまり常駐で活動に当たったりもしていました。

国際NGOピースボートの活動について

国際NGOピースボートは、東日本大震災の時も、1プロジェクトとして災害救援に当たりましたが、まず3月17日に宮城県石巻市に先遣として入った際には、目の前に広がる光景に甚大な被害を見ました。阪神淡路大震災から活動していますので、その時の悔しさも含めて、今回の災害に対して長期的で継続的な支援が必要だろうと、すぐに判断をしました。そこからは、プロジェクトというよりも災害支援に特化した団体として、継続的に関わっていこうという心づもりで、2011年4月にピースボート災害ボランティアセンターを新たに設立しました。他にもいろいろな支援団体があり、医療や子どもの支援を得意としている所など、さまざまな分野で活動されています。私たち、ピースボート災害ボランティアセンターは、名称が長いので頭文字を取ってPBVと呼んでいるのですが、「人こそが人を支援できる」ということをモットーに、ボランティアの方とともに全国各地の災害現場で、その時の地元のニーズに合わせて支援活動を行っています。

私たちの活動は、大きくは3つあります。ひとつは、東北支援の活動を今も継続しています。もうひとつは、さまざまな所での災害支援の経験を通して学ばせていただいた防災、減災への取り組みやボランティア育成、自分自身の身を守るということを伝えていくこと。そして一番の軸は、やはり緊急支援がメインですので、国内外での災害対応です。これは、年に5回位、国内外の現場に出動しながら活動しています。海外には担当スタッフもおりますし、国内の緊急支援としては、地域や地元の住民の皆さんのペースに合わせながら、同じ方向に向かっていくことを心掛けながら活動をしています。

今は12名ほどの体制で活動していますが、ボランティアに登録してくださっている方は2万人以上います。皆さん、思いを持って来てくださるので、いろいろな学びがあるのですが、やはり一人一人の皆さんの資源というか、力をより効果的に住民の方、被災地に届けられるような仕組みづくりをしていくというのが団体の使命だと感じています。

まさか私が・・・

今までいろいろな災害に携わる中で、「まさか私が被災するとは・・・」という声を聞くことが、とても多くありました。特に熊本地震の時には、今まで以上に「まさか自分が・・・」というのを耳にしたことがとても印象的で、とにかく「まさか」というのを少しでも減らしていきたいと思いました。「明日、あなた自身が被災するかもしれない」ということを念頭において、減災を考えていただければと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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