安心できる避難所づくりのために「熊本に学ぶ!私たちが主役の避難所づくり」

男女共同参画社会の実現を目指す拠点施設として、男女共同参画に関する資料の閲覧・貸出サービスや講演会、セミナー等が実施されている、男女共同参画センター“らぷらすで、3月12日、大規模災害発生時の避難所の自主運営についての考えを深めてもらうと、防災講座「熊本に学ぶ!私たちが主役の避難所づくり」が開催されました。

防災講座には、町会・自治会の役員・防災担当者や消防団員など約50名が参加し、昨年4月に発生した熊本地震において、避難住民による自主運営が成功したといわれる益城中央小学校避難所の取組み事例の紹介や、女性の視点を取り入れた避難所運営の仕方について、当事者による講演や参加者を交えたディスカッションなどが行われました。

第1部では、「“主役はわたしたち”明るく楽しい避難所づくり~益城中央小学校避難所の取組み」と題し、自らも被災者でありながら、率先して避難所の環境整備に取り組み、仮設住宅に移った現在も復興コミュニティづくりのために活動する吉村静代氏(益城だいすきプロジェクト・きままに代表)を講師に招き、避難所で実践した取組み事例についての講演会が行われました。

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講師からは「避難所の運営は行政からの指示だけでは上手くいかない。避難者同士が声を掛け合ってコミュニティを形成し、自主的に運営することが大事。また、避難所を出た後も仮設住宅や災害公営住宅での生活が続いていくが、高齢者などが社会から孤立してしまうことのないように、避難所で形成されたコミュニティやつながりを活かしていく取り組みが重要だ。」との話しがあり、参加者は熱心に聞き入っていました。

続く第2部では、「女性の視点を活かした避難所運営」と題し、被災時に声をあげにくい妊婦や乳幼児をもつ母親を背景として、災害時の妊産婦支援を提言する吉田穂波氏(国立保健医療科学院 生涯健康研究部 母子保健担当 主任研究官)より、女性の視点で考える災害対策についての講演が行われました。

講師からは「災害時の被害の大きさは、災害自体の大きさよりも、受け手側の準備にかかっている。」との話しがありました。

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その後のフリーディスカッションでは、参加者から「避難所ではどのようなトラブルがあったか。」「避難所で貴重品はどのように管理したか。」など避難所運営に関しての質問が多く寄せられたほか、「都会では隣近所での交流が少ないため、災害時に顔見知りではない人同士が集まって避難所を運営しなければならないという難しさがあると思う。平常時からコミュニティやネットワークづくりを進めておくことが大事ではないか。」といった意見が挙がり、参加者と講師を交えて積極的な意見交換が行われました。