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AI研修とは?内容・導入手順・おすすめサービスを分かりやすく解説

AI技術が急速に発展し、あらゆる業界で業務効率化や生産性向上が求められる今、企業にとって「AIを使いこなせる人材の育成」は欠かせないテーマとなっています。しかし、「どんな研修を実施すればよいのか」「従業員のレベルに合わせた内容をどう設計するべきか」など、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、AI研修の基本的な内容、導入の進め方、外部研修サービスを選ぶ際のポイントを解説します。これからAI活用を本格化させたい企業や担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

AI研修とは

AI研修とは、AI技術を業務に取り入れるために必要な知識やスキルを体系的に学ぶプログラムのことです。近年は生成AIの普及やデータ活用の重要性が高まり、「従業員がAIを使いこなせるかどうか」が企業の競争力に影響するようになってきました。

さらに、AIを誤って利用した場合には情報漏えいや著作権問題などが発生する可能性もあり、こうしたリスクを正しく理解することが企業側の責任として求められています。

AI研修を実施することで、従業員が技術的な背景を踏まえた上で安全に生産性向上や業務効率化を進められるようになります。結果として、企業全体のデジタルリテラシーが底上げされ、DX推進に必要な基盤づくりにもつながるでしょう。

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AI研修の主な内容

AI研修と一口にいっても、学ぶ内容は企業の目的や受講者のレベルによって大きく異なります。AIの基礎知識を扱う講座から、実務ですぐに使える活用術、さらにエンジニア向けの専門的なプログラミング研修まで、多様なカリキュラムが存在します。

また、AI導入に不可欠なセキュリティやコンプライアンスの知識、資格取得を目指す研修もあります。ここでは、代表的なAI研修の内容を見ていきましょう。

生成AIの仕組みや特徴

AIがどのように学習し、文章や画像、音声を生成しているのかといった基礎的な仕組みを理解する研修があります。大規模言語モデル(LLM)の動作原理、学習データの役割、AIが得意とする業務や不得意な業務などを学ぶ内容です。

例えば、AIは大量データからパターンを抽出することに長けている一方、最新情報の判断や専門性の高い意思決定は苦手です。こうした特徴を理解することで、「AIに任せられる仕事」と「人が確認すべき仕事」を正しく区別でき、業務の精度とスピードの向上につながります。

実務での活用方法

実務活用に関する研修では、従業員が日常業務ですぐにAIを使えるよう、具体的な操作方法や応用例を学びます。一般従業員向けには、文章作成やメールの下書き、資料の要約、議事録作成、アイデア出しなど、業務効率を大幅に高められるスキルを中心に扱います。

一方、技術者向けには、生成AIアプリ開発、AIプログラミング、機械学習基礎、データ分析など、より専門的な内容が含まれます。

セキュリティ・コンプライアンス

AIを安全に活用するためには、セキュリティやコンプライアンスへの理解が不可欠です。この研修では、生成AI利用時に起こり得るリスクと、その対策について学びます。代表的な内容として、機密情報の誤入力による情報漏えいリスクや、学習データの扱いに伴う著作権侵害の問題が挙げられます。

さらに、AIによる偏り(バイアス)や倫理的な課題も注目されているため、「企業としてどのようにAIを扱うべきか」を考えるための内容も含まれます。

資格対策

AI関連資格の需要が高まる中、資格対策を組み込んだ研修も効果的です。代表的な資格には、AIの基礎知識を幅広く学べる「G検定」、データサイエンスの理解度を示せる「DS検定®」、エンジニア向けの「E資格」などがあります。

資格対策研修では、試験範囲の解説に加え、頻出ポイントの整理、演習問題の取り組み方、理解を深める補助教材の提供など、合格に必要な知識を効率よく身につけられるよう構成されています。

AI研修を導入する流れ

AI研修を効果的に導入するためには、やみくもに講座を選ぶのではなく、自社の課題や目標に合わせて段階的に進めることが重要です。現状分析から始まり、カリキュラム設計や実施後のフォローアップまで一連の流れを整理することで、研修効果を最大化できます。

ここでは、AI研修を導入する流れを見ていきましょう。

現状把握と目的設定

AI研修を始める際は、まず「従業員がどの程度AIを理解しているか」を正確に把握することが欠かせません。アンケートやヒアリングを通じて、AIへの興味、理解度、実務での活用状況などを可視化しましょう。その上で研修の目的を明確に設定します。

例えば、「一般従業員の業務効率化を図りたい」「エンジニアのAIスキルを強化したい」「全社的に情報漏えいリスクを下げたい」など、企業ごとに目的は大きく異なります。現状と目標を丁寧に整理することで、効果的な研修設計が可能となり、無駄のない導入につながります。

研修プログラムの設計

現状と目的が定まったら、それに合わせて研修プログラムを設計します。一般従業員向けであれば、生成AIの基礎知識や実務活用方法を中心とした内容が適しています。管理職向けであれば、AI導入の戦略や組織マネジメントの視点が求められます。一方、エンジニア向けにはプログラミングやAIモデルの開発など、より専門的なカリキュラムが必要です。

社内で研修を実施する場合は、講座形式、演習形式、ワークショップ形式など学び方も検討しましょう。また、自社業務に沿ったケーススタディを用意すると、実務への落とし込みがしやすくなります。

実施とフォローアップ

研修の設計が整ったら、専門講師の選定や教材準備を行い、いよいよ研修を実施します。研修当日は、講義形式に加えてAIツールを実際に操作するハンズオン形式を取り入れることで、理解が深まり定着しやすくなります。

ただし、AIは技術の進化が早いため、研修を一度行っただけで終わりにするのではなく、その後のフォローアップが不可欠です。復習教材や追加講座の提供、定期的な効果測定などを実施することで、学んだ内容を継続的にアップデートできます。

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AI研修サービスの選び方

自社だけで研修を組み立てるのが難しい場合は、外部のAI研修サービスを活用するのも効果的な方法です。専門の講師や体系化された教材を利用でき、短期間で効率よくスキル習得を進められます。

ここでは、AI研修サービスを選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説します。

研修の提供形態

AI研修サービスには、さまざまな受講形態があります。

  • オンライン研修:場所を問わず受講でき、在宅勤務や支社のある企業に向いている
  • 合研修(対面):講師とのコミュニケーションが取りやすく、ワークショップに適している
  • ラーニング:空いた時間に学べ、反復学習がしやすい

自社の働き方や受講者の人数、学びたい内容に合わせ、最適な形式を選びましょう。例えば、全国に拠点がある企業はオンライン研修が効率的です。一方、生成AIの操作スキルを実践的に学びたい場合は、講師が個別にサポートしやすい対面研修が向いています。

複数の形式を組み合わせたハイブリッド型を提供するサービスもあるため、自社に合った柔軟な受講環境を整えることが可能です。

カスタマイズ性

企業ごとに扱うデータや使用ツール、業務フローは大きく異なるため、汎用的なカリキュラムだけでは実務に落とし込みづらい場合があります。

カスタマイズ対応のサービスであれば、自社の書類を使ったAI活用演習や、自社の業務データを使った分析トレーニング、部署ごとに異なるケーススタディなど、より実践的で効果的な学習が可能になります。

研修後のサポート

学んだスキルを定着させるためにも、研修後のサポート体制は重要な確認ポイントです。AI技術は日々変化するため、研修直後に理解できていても、時間が経つと内容が古くなったり忘れてしまったりします。

そのため、復習動画や教材の提供、追加講座、定期的なフォローアップセッションなどが用意されているかを事前に確認しておくとよいでしょう。

おすすめのAI研修サービス5選

ここでは、AI研修を検討する企業が比較しやすいよう、特徴的な5社を取り上げて特徴を紹介します。以下の表も参考に、自社に最適なAI研修サービスを選んでみてください。

サービス名特徴・強み研修の提供形態カスタマイズ性研修後のサポート
株式会社インソース・階層別(新人~経営層)や習熟度別の網羅的なコース
・GeminiやChatGPTなど特定ツール研修も充実
・公開講座
・講師派遣
高い(業界事例の変更、重点項目の調整など)・LMS「Leaf」による受講管理 ・内製化支援(社内講師育成)
株式会社スキルアップNeXt・G検定/E資格など資格対策に強み
・実務定着までの伴走支援あり
オンライン講座、eラーニング高い(ニーズに応じた組み合わせ)・社内コミュニティの形成支援 ・実務への落とし込み伴走支援
株式会社AlgoX・AIコンサル発の実践型カリキュラム
・助成金の無料申請サポートあり(専属社労士が担当)
オンライン形式(各回2~4時間)高い(業務課題に基づき設計)・実業務への落とし込み支援
・きめ細やかなサポート
株式会社ユースフル・Microsoft Copilot活用に特化
・時間単価制で多人数受講にお得
eラーニング、集合研修(全国/対面可)高い(部署業務に沿った内容)・プロのメンターによる課題フィードバック
・生成AI活用コミュニティへの参加
株式会社インフラトップ・営業/マーケ/開発など職種別コース
・短期集中型のスクール形式
オンライン学習(動画+課題+メンタリング)中(コース・職種別で特化)・プロのメンターによる課題フィードバック
・生成AI活用コミュニティへの参加

株式会社インソース

株式会社インソースのAI研修は、受講者の役割やスキルレベルを「階層別(3階層)」と「習熟度別(3段階)」で整理しており、「経営層」「一般従業員」「技術者」など、組織内のあらゆる層に適したコースを提供しています。

基礎では専門用語を抑え、初学者でもAIの仕組みや業務活用のイメージをつかみやすい構成となっており、応用コースではPythonによる機械学習やディープラーニングの実装まで踏み込んで学べます。

また、自社の業界や部門に合わせた事例を反映できる高いカスタマイズ性も備えており、研修内容を実務へ直結させやすい点が特徴です。

(参考:『AI研修/株式会社インソース』)

株式会社スキルアップNeXt

株式会社スキルアップNeXtは、AI/DX人材育成を組織単位で支援する点に強みがあり、70種類以上の講座を企業の課題に応じて組み合わせられる柔軟性が特徴です。講師は実務経験豊富なデータサイエンティストが中心で、学んだ内容を現場で活用するための実践知識を提供します。

特に「道場研修」は、実データを使ってPoCに取り組む伴走型プログラムで、学習を成果につなげる力を養成できます。独自のLMSで学習状況を可視化し、個別フォローまで行うため、研修後も内容を定着させやすく、DX推進力の強化に役立つ点も魅力です。

(参考:『法人向けサービス | スキルアップAI | 組織・人材変革を加速するAI/DX伴走パートナー/株式会社スキルアップNeXt』)

株式会社AlgoX

株式会社AlgoXは、戦略系コンサル出身の専門家が研修を監修しており、「AI活用を業務の成果に直結させる」ことを目的にカリキュラムを設計している点が特徴です。AIの基礎から応用、実践へと段階的に学べる構成で、初心者でも無理なくスキルを習得できます。

特に「実業務への落とし込み」に重点が置かれており、習得した内容を実際の業務に生かしやすい環境が整っています。また、専属の社会保険労務士による助成金活用の事前相談から申請サポートまでを無料で受けられる点は、他社にはない大きな魅力です。

(参考:『【AlgoX】AI研修・人材育成サービス/アスピック』)

株式会社ユースフル

株式会社ユースフルは、Microsoft社公認MVPによる監修の元、Copilotや社内GPTなどMicrosoft環境での生成AI活用に特化した研修を提供しています。集合研修は全国対応で、部署の業務内容に合わせて演習内容を柔軟に調整できる点が強みです。

料金は「完全時間単価制」で、人数が増えても費用が変わらない仕組みのため、大人数研修とも相性が良いといえます。さらに、eラーニングとワークショップを組み合わせたハイブリッド型にも対応しており、企業の状況に合わせた受講が可能な点もメリットです。

(参考:『生成AI実務研修(Copilot・社内GPT)/デジタル人材育成の総合支援パートナー「ユースフル ビジネス」』)

株式会社インフラトップ

株式会社インフラトップ(DMM)の「生成AI CAMP」は、プロンプトエンジニアリングと生成AIアプリ開発に特化した実務中心の研修が特徴です。職種別コースにより、マーケティング・営業・人事など、業務ごとの活用スキルを短期間で習得できます。

また、開発者向けコースでは、Python・LLM API・LangChainを使ったAIアプリ開発やRAG/エージェント構築まで学べるため、即戦力エンジニアの育成にも適しています。無制限のチャット質問や回数無制限のフィードバックなど、挫折を防ぐ手厚い伴走サポートも大きな魅力です。

(参考:『生成AI CAMP/DMM』)

生成AIガイドラインの整備も忘れずに

無用なトラブルを防ぐためには、組織として明確なルールを定めた「生成AIガイドライン」の整備が欠かせません。ガイドラインは、生成AIの安全な利用範囲を示すだけでなく、情報漏えいリスクの低減や法令順守、社内のAI活用レベルの平準化にも寄与します。これからAI活用を本格化させる企業ほど、初期段階で策定しておく重要性が高まります。

ここでは、生成AIガイドライン策定の流れや盛り込みたい内容、押さえておきたい注意点を紹介します。

ガイドライン策定の流れ

以下は、生成AIガイドライン策定の基本的な手順です。

1.社内のAI活用状況を整理し課題を把握する
2.必要なルール項目を集め、優先順位を付ける
3.参考となる外部ガイドライン(JDLAの雛形など)を基に自社版へ落とし込む
4.従業員への説明・研修機会を設け、運用体制を整備する
5.定期チェックにより改善点を洗い出し改訂する

一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が公開している雛形は、策定時の参考資料として有用です。自社の業務フローやセキュリティ基準に合わせて項目をカスタマイズすれば、0から作成する場合より効率的に整備できます。

ガイドラインが完成した後は、従業員への周知と研修体制の構築を進めることが欠かせません。また、生成AIは進化のスピードが速いため、定期的な運用見直しや改訂を行える仕組みを組み込むことが重要です。

(参考:『資料室/一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】』)

含める内容

ガイドラインには、以下のような内容を含めるとよいでしょう。

  • 使用が認められている生成AIツールの定義と範囲
  • 入力して情報と禁止情報の区分
  • 利関する基本ルール(著作権・商用利用・引用の扱いなど)
  • AI教育・研修の方針
  • 作動や誤回答があった場合の確認・報告フロー
  • 用責任の所在(管理部門・相談窓口)
  • キュリティ要件とリスク対策
  • 内でのAI活用事例やベストプラクティスの共有方法

特に、個人情報や顧客データ、未発表の企画情報など社外漏えい時の損害が大きい情報については、入力禁止や匿名化のルールを明確に定める必要があります。また、生成AIは誤情報が混じる可能性(ハルシネーション)があるため、生成結果の検証方法や誤作動時の対応フローも文書として整理しておくと安心です。

ポイントや注意点

生成AIガイドラインは策定しただけでは十分ではなく、従業員への周知と継続的な改善が欠かせません。まずは分かりやすい説明資料や研修を実施し、ガイドラインに沿った利用が定着するよう環境を整えることが求められます。周知後も、問い合わせ窓口やチェックフローを整備し、迷った際にすぐ相談できる体制を整えることが理想です。

さらに、AI技術は変化が速く、半年から1年程度で運用方針の見直しが必要になるケースもあります。そのため、定期レビューを仕組み化し、技術の進化や法改正に応じて柔軟に更新できる体制を整えておくことが欠かせません。

AIに関連する他のトピックが気になる方はこちら!イッツコムが詳しく解説

イッツコムでは、生成AIの基礎からビジネス導入の実践、クラウドAIの仕組みまで、AI活用を深く理解するための記事を多数掲載しています。「AIを自社でどう生かすべきか知りたい」「基礎から体系的に学びたい」という方に向けて、関連トピックを分かりやすく解説しており、気になるテーマを併せてチェックできます。

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また、クラウドAIが活用されている事例として、需要予測、顧客分析、画像解析など幅広い利用シーンを紹介し、導入時に押さえておきたいポイントを把握しやすい内容になっています。

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まとめ

AI研修は、企業がこれからの時代に競争力を維持するための重要な投資です。AIリテラシーの習得に加えて、実務で生かせるスキルや考え方を従業員全体で共有することで、組織としてのAI活用レベルを大きく高めることができます。

また、研修の導入は内容を選ぶだけではなく、自社の課題整理、研修後のフォロー、社内浸透まで含めた運用設計が欠かせません。この記事で紹介した導入手順やポイントを踏まえ、自社に最適なAI研修を計画・実施していきましょう。