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防災インタビューVol.966

阪神・淡路大震災から学ぶ日本の防災

放送月:2025年3月
公開月:2026年4月

渋谷 和久 氏

関西学院大学 総合政策学部 教授

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

私は2023年12月まで、40年間国家公務員でした。非常に変わった経歴なのですが、最初の30年は国土交通省で防災やまちづくりの仕事をさせていただき、最後の10年は貿易交渉と外交という全然違う仕事をして、チリの大使で退官をしました。2024年4月からはご縁をいただき、兵庫県の関西学院大学の教授として学生に教えています。

総合政策学部は非常に幅広い学部なので防災の授業もありますが、それ以外に都市政策や国際政策について教えています。ちなみに私の防災の授業は、自分で言うのもなんですがとても面白いです。今の制度がこうなっているよということをただ教えるのではなくて、伊勢湾台風や関東大震災など、いろんな災害を経て日本の防災行政がどう変わっていったのかということを歴史的に振り返りながら説明していくので、学生たちにとってはすごく理解しやすいのではないかと思っています。

2025年1月17日は、阪神・淡路大震災からちょうど30年という節目だったのですが、防災の授業でも時間をかけてこの阪神・淡路大震災が発生した後に日本の防災行政が大きく変わったという話を説明しました。

阪神・淡路大震災で変わった 5 つのポイント~耐震化~

学生たちに教えているのは、阪神・淡路大震災を契機に日本の防災が大きく変わったということなのですが、特に5つ大きなポイントがあります。

阪神・淡路大震災では多くの方が亡くなったのですが、83%が地震の揺れによる家の倒壊が原因です。またそれ以外に13%近くが火災で亡くなっているのですが、これも家が倒れて逃げられなくなったという理由で亡くなっています。そういう意味では、約97%近くが建物の倒壊が原因ということで、逆に言うと建物が倒壊しなければ助かったと考えられます。

そのためこの阪神・淡路大震災を契機に、住宅や建築物の耐震化について多く言及されました。しかし当時の大蔵省というか財務省は、「住宅は個人の資産なので耐震改修は自分でやるべきだ」となかなか補助を出しませんでした。事前に住宅や建築物を耐震化するとその分命が助かるという事前防災という考え方で一生懸命説得をしたことで、急速に耐震改修について国の制度が大きく改善したというのが大きなポイントの1つです。

阪神・淡路大震災で変わった 5 つのポイント~共助の力~

阪神・淡路大震災で家が倒壊し多くの方が生き埋めになってしまったのですが、この生き埋めになった人たちを助けた人の多くはプロの自衛隊や警察ではなく、隣近所の住民の方でした。阪神・淡路大震災は戦後初めての大きな大震災だったということで、警察や消防、自衛隊などの応援が、今に比べるとちょっと対応に時間がかかったということがありました。その分、隣近所の人たちがお互いに助け合う共助の力が、防災上とても重要であるということが認識されました。

それからご近所だけではなく、阪神・淡路大震災はボランティア元年と言われていますが全国から若い人を中心に137万人の方がボランティアとして駆けつけていただきました。最初は調整などでご苦労もあったようですが、いずれにしても隣近所の人、それからボランティアという、警察や消防・自衛隊という救助の専門家以外の人たちの力がものすごく大きいということが認識されたことが2つ目の大きなポイントだと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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