防災との出会い
先にもお話しましたが、産学連携の中で防災のお問い合わせが多くなり、いろんな企業と大学をつなぐようになりました。何かあった時のための防災グッズにしっかりとエビデンスをつけるということはもちろん大事なことなのですが、それに併せて啓蒙啓発活動をして、災害が起こった時ではなく起こる前に対策・避難できるように皆さんの防災リテラシーを上げるということにシフトしていくようになりました。
様々な教授とご一緒する中で防災シェルター会社とのプロジェクトの際、そのシェルターが本当に大丈夫かという検証をしながら、その企業と先生方を巻き込んで地域防災推進機構というNPO法人を作るという流れになりました。東北大学の村尾先生、それから東京大学の目黒先生などにご一緒いただきました。
このNPOでは、子どもたちの防災教育というのをメインにしておりまして、「防災勇士 トリプルウィング」という防災ヒーロー番組を作りました。これは、子どもたちが防災ヒーローを見ながら刷り込みのように防災のことを覚えてもらえたらということで、先生方が監修しストーリーも制作して千葉テレビで放送をしました。実はその時に東京大学の目黒公郎先生が主題歌を歌ってくださいました。手弁当で作ったものなのですが、今は千葉・東京を中心にヒーローたちが幼稚園や保育園を訪問して防災の教育をするという活動をしております。先生方も本当にお忙しい中で時間を作ってくださり、みんなで少しずつできることをするという形で活動しています。
防災啓発ラジオ「みんなのサンデー防災」
NPOの活動の中でもっと啓蒙啓発できることはないかと、ミュージックバードという全国のコミュニティFMに向けて放送しているところで、東京大学の目黒公郎先生と「みんなのサンデー防災」という番組をスタートすることになりました。
なぜコミュニティFMに向けた放送なのかというと、やはり1番地域に密着しているところで、その地域の住民・リスナーの方はもちろんのことながら、コミュニティFMラジオ局の運営をしている方の防災リテラシーが上がれば救える命が多くなるのではないかと考えました。
また、目黒先生はFMサルースで放送している番組「サロン・ド・防災」の第1回目のゲストでもいらっしゃいます。もちろんその後も何度もご出演されていますが、このラジオ番組をスタートする際に「サロン・ド・防災」を聴いてみて相談しなさいと教えていただきましたので、いつも「サロン・ド・防災」をベンチマークして頑張っています。
「みんなのサンデー防災」は2025年4月から5年目に入りました。番組内容についても目黒先生から色々なアドバイスを頂きまして、毎週日曜日に放送しているので、1週間、過去のこの時期に起きた災害を振り返り、この教訓を基に今何に気を付けるべきなのかなどを探るコーナーや、全国のコミュニティFMの経営者やパーソナリティの方にご出演いただいて意見を伺うコーナー、私たちが逆に放送局を訪ねて現場を見学させていただくなど様々な事を試し、この4年間放送してきました。
東北の被災を受けた放送局も行きましたし、熊本、奄美大島、それから沖縄、北海道と全国の放送局へ行きました。実際に被災された時に対応していたパーソナリティの方や、バックヤードの方々のお話を伺うこともありました。また、被災をしていない放送局にも伺い、その差を比べるということもできるようになってきました。
被災地のコミュニティFM局に伺った際には、準備がしっかりできていない状態で被災をすることが多いのですが、災害が起きた時に慌てている中でどんなことをしたのか、その時に放送した原稿、発災からどのぐらいのタイミングでアナウンスしたのかというような記録が残っていました。これはものすごいお宝が全国に眠っているなと思いました。
災害が起きていない平時の時に、災害時の教訓を生かしてどれだけ準備することができるかということを共有したいと目黒先生もおっしゃっています。しかし、災害に対してのマニュアルの共有はされているのですが、マニュアルが共有された後に被災された地域を訪問しても、あまりうまく運用できていないなという印象を持ちました。実際に災害が起きると「どうするんだっけ?」とパニックになってしまうこともありますので。


