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防災インタビューVol.236

防災リテラシーを高めるために~コミュニティFMの活用~

放送月:2025年4月
公開月:2026年10月

黒瀬 智恵 氏

株式会社ソフィアプランニング 代表取締役

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

現場を訪問して思う事

「みんなのサンデー防災」の放送1年目はまだ色々なラジオ局を訪ねるということはしていなかったのですが、色々なコミュニティFMの方にゲストでご出演いただいてお話を伺うということがありました。でも、やはり実際に目で見てみないと分からないことが多いだろうということで、2年目からは全国を行脚するようになりました。そして、これを少しでも皆さんのネットワーク作りに役立てられたらいいなと、次の放送局をご紹介してもらってリレー形式で訪問するということもありました。

先ほど被災地の放送局を訪問したとお話したのですが、岩手県宮古市のコミュニティFM放送局「みやこハーバーラジオ」へ伺いお話を聞いたことは私の中でもとても勉強になりました。被災した地域の放送局であり、パーソナリティの方も近隣から集まっていらっしゃいましたので、救援活動のベースとなるところの人たちがどんなことを考えているかなどのお話を伺うことができました。また、繋がりのある放送局について聞きますと、ご紹介されたのは北海道の室蘭にある「FMびゅー」でした。実は岩手県宮古市と北海道室蘭の間には定期フェリー(※)が出ていたため、災害時には物資を届けるなどの協定を結んでいて、連携した対応が出来ているのだなということを学ぶことができました。
(※)定期フェリーは2026年7月現在、一時休止中。

そして、北海道に行きますと、コミュニティFM放送局が道内に28局もあるということが分かり、そうすると被災した時には、それぞれその地域に合った情報を抑えて情報収集ができれば、地域の皆さんに必要な情報を出すことができるのだなと思いました。

また南の方に行きますと、沖縄県には19局も放送局があるのですが、放送局同士のネットワークの作り方について伺いました。また、奄美大島に行った際に特に面白いなと感じたのは、奄美大島という小さな島の中にも4つの放送局がありますが、島の中に高い山があるため、電波が通じないところをどうカバーするかということを、その4局が持ち回りで試行錯誤しながら対応しているということです。また、その地域の言葉でお話されているので、今はネットでも放送を聴くことができますし、東京などに上京された方が地元の言葉を聞いて「思い出してくれるかな」というお話を聞いていると、すごくあったかい気持ちになりました。

被災地域と非被災地域の意識と対策の大きな違い

全国のコミュニティFMを訪ねているというお話をさせていただいたのですが、やっぱり1番思うのは、被災した局と被災していない局の温度差がものすごく大きいなということです。目黒先生が最初からおっしゃっていたことですが、被災した地域の情報を共有して、これから災害に遭うかもしれない地域がいかに準備することができるかということが重要であると、そのために色々と考えて実行しているところです。

全国のコミュニティFM局が会員となっているJCBA(日本コミュニティ放送協会)でも、各地域の情報やマニュアルを揃えているのですが、実際にそれらを持っていても、本当に揺れてしまった時にうまく対応できなかったというお話も伺います。そして、情報やマニュアルを基に「自分たちの放送局だったらどうだろう」ということを、目黒先生がおっしゃっているイマジネーションを働かせて変換していくということをしない限りは、全国で同じマニュアルで対応出来るはずがないので、そこが課題だと考えています。

特徴や特性を掛け合わせた情報共有の研究

2024年に能登半島で地震があった時に、道路等が寸断されてしまい、島で発生する災害と同じような危険性があったというお話がありました。救助や支援をするのに海から行くしかないということであれば、近所でコミュニティを作るよりも他と連携していかなければならないということが見えてくる、という研究が目黒先生の研究室で行われているのですが、それがいよいよ実用化されようというところまで来ています。

実際には、目黒研の学生がハザードに合わせて全国350の地域を分類したところ、8つのカテゴリーに分かれるということが分かりました。今、助け合いとして作っているコミュニティではないところとコミュニケーションを取った方がいいというようなことがわかったり、社会環境特性と言うのですが高齢者が少ない、子どもが少ない、人数が少ないなどの分類を基にしたものを掛け合わせて、どことどこが同じような情報を共有すればいいのかということはわかってきました。

さらに、目黒先生たちが研究している、実際に発災した時にどのタイミングで何をすればいいのかというマニュアルが既に出来上がっていますので、このマニュアルと合せて自分たちがやるべきことが浮かびあがってくるようなものを現在作っているところです。ぜひ皆さんに自由に使っていただけるようにしようというのが目黒先生の考えです。

地震に対してハザードの詳しい情報や気象情報などは全て情報を得ることが出来ますが、これから各コミュニティFM局の方々に協力をいただいて、実際に被災したところがどのような対応をしているのかという情報を入力していただくと、それがまたデータベース化されてより精度の高いものになっていくのではないかと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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