1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報
  4. 防災インタビュー
  5. まちづくりと建築土木
  6. 環境と防災を考える建築
  1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報

防災インタビューVol.11

環境と防災を考える建築

放送月:2005年9月
公開月:2007年6月

柴田 いづみ 氏

滋賀県立大学環境学部教授

「緑陰の街目白:魅力・環境・防災のまちづくり」

「緑陰の街目白:魅力・環境・防災のまちづくり」このキーワードは、いわばまちは我が家の延長、私たちの生活空間ですから、自分たちの手でよりよくしませんか、という市民に対する投げかけです。内閣府の防災街づくりのモデル事業に採択されたときに、ちょうど我々としては、市民の方たちがどういうふうに防災のことを考えているのか、アンケートをしたいと思っていたところでした。そのときに、目白でもいくつかのひったくりや、子どもが危ない目に遭うなど、様々なことが起きました。それで急遽、いろいろな地域の方たちにお声かけをして集まっていただいたときに、実は防災よりも防犯のほうが、若いお母さまたちには興味があるということがわかりました。

目白の街には、防災に関しては昔から消防団があり、町内会が核になった自衛組織がありますが、そういうところに新しくマンションに住まわれた若い方、移り住んできた家族の方などは、入りにくいというイメージもあったらしいです。そこで、防犯について考えましょうという提案をした時に、本当に若いお母さまたちが一気に60人も集まってくださいました。それでやはり目白において、防災のことを考えていただくにしても、防犯のことから、まず皆さんに考えていただくことが大事だなと思いました。実はこのように、防災、防犯、両方一緒にスタートしたのが目白の特徴です。

まず一般の方たちに、防犯、防災について考えていただくためのキャッチとして、「目白レンジャー」というのを作りました。ちょっとかわいらしいキャラクターで、目というマークが胸についています。決してスーパーマンほど強くはない雰囲気のキャラクターですが、「一つ目目白」という小悪魔を、ボンと投げていく漫画を加えたアンケート用紙を用意いたしました。それともう1つ「カキコマップ」と言いまして、うちの学生と、街の人たちが一緒に歩いて、「ここのこういうものは良いところ」「ここのこういうところは悪いところ」と、全部含めて、防犯、防災についていろいろ聞き書きしたものをホームページに掲載するという作業をしました。都市計画会のカバーページに「目白まちづくり」というのがありますので、それをクリックするとご覧いただけますが、実は悪いことというのは、悪用されては困るので、ホームページに載せられないということがその段階でわかりました。でも良いところは今でもそのホームページに載っています。

建築家として考える防災

私の設計事務所では、年賀状に防災グッズを印刷してお送りしています。これは生き埋めになったとき役に立つ呼子の笛、ヘルメット、その他に建築家としては、バールや、ジョッキ、延長コードなど、そういう色々なありとあらゆる物を、年賀状に印刷してお送りしました。事務所として、「こういうことも地域貢献としていますよ」というアピールです。浄水器や、非常用のご飯、ガソリンで使う発電機などもあります。ガソリンというと、どこにあるのだろうと考える方がいらっしゃると思いますが、皆さんの家庭にも車の中にガソリンがあります。事務所でも、常に半分以下にならないように、ガソリンは必ず入れておくようにしています。いざというときにはそのガソリンを使って発電ができるのです。あまり防災グッズばかりやっていますと、設計事務所をやめて防災グッズ屋さんになったほうがいいと言われたらいけないので、表書きのところに自分たちで竣工した建物の絵なども入れていますが、地域で建築家が一体何ができるかということは、常に考えています。

防犯のほうでは、「目白セキュリティ45」というのを立ち上げています。以前、イギリスのニューカッスルの研究者の方が、日本での防犯カメラについて研究をするために、防犯についてグルーピングしている地域と話をしたいということで、目白にいらっしゃいました。このような事を通しても、目白における防犯のためのグルーピングが、できたかもしれないと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

会社概要 | 個人情報保護方針