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防災インタビューVol.40

災害と共存しながらも安心して暮らせる幸せな社会へ

放送月:2009年4月
公開月:2009年10月

佐藤 唯行 氏

NPO法人シュアティマネージメント協会代表

NPO法人SUMAのHP:http://www.suma-j.com/index.php
佐藤のブログ(いきつなぐ活動報告):http://blog.suma-j.com/

プロフィール

NPO法人シュアティ・マネジメント協会

今私は東京大学生産技術研究所の目黒研究室で協力研究をしております。また新しく今年度から、NPO法人シュアティ・マネジメント協会(略称NPO法人SUMA)という、災害に対して新しい形でアプローチしていくNPO法人を立ち上げ、理事長をしています。

現在東京大学の教授として超ご多忙で日本中を走り回っていらっしゃいます目黒先生とは、私が学生の頃、目黒先生が助手をされている時から存じ上げており、当時、目黒先生と私は研究以外でも、一緒に風呂に入り、一緒にご飯食べ、そしてカラオケに歌いにいく、24時間ほとんど一緒に暮らしているようなそんな仲で、現在もお世話になっています。

私は大学4年生の時から防災に関わってきており、学生時代は目黒先生の前任の片山恒夫教授という防災の世界ではとても有名な先生のところで研究し、卒業論文、修士論文を書きました。丁度その時に災害というものを幾つも目の当たりにしました。大学4年生の時に岩手県の南部で南部沖地震が起き、1名亡くなられ、それから立て続けに北海道東方沖地震、南西沖地震、兵庫県南部沖地震が起こり、地球の、日本列島付近の地震活動が活発になりました。私が研究室に入る前までは、自然災害、地震によって人が亡くなるということが、しばらくなかったため、片山先生は「佐藤が入ってきてから研究室は忙しくなった」、「今まではとても平和だったが、佐藤が入ってきてから奥尻があり、阪神淡路があり、災害が常にあるようになった」とおっしゃっていました。

その後1年前まで、大手建設会社におりました。その会社の中で、入社以来、「防災ということを仕事にしたい」とずっと訴えていたのですが、なかなかそれを事業にすることが難しいということと、ちょうどその時に目黒先生の方から「防災ビジネスの創造と育成という講座を行うので、その講師をやってくれないか」という話をいただき、これは期が満ちたのではないかということで、前職を辞めて、今は防災に対する取り組みをメインに活動しています。

いきつなぐ

『いきつなぐ』は、私がNPO法人SUMAというところから出している本のタイトルです。この『いきつなぐ』というのは「生き」、「息」、「活き」の生きている証、その他にも地域をつなぐという「域」をつなぐ、そのような意味が込められている言葉です。またこの本は、私が学生時代に見てきたこと、それからサラリーマン時代、会社に対して訴えてきたこと等をまとめたもので、「いきつなぐ」ということばを活動の象徴にすることで、災害の本質に対して解決策が見出していけるのではないか、その思いを綴った本です。

学生時代から今まで、津波や地震とかの自然災害、それからもう1つの災害で、人為災害でテロというのも増えてきました。実際その災害現場へ行き災害を目の当たりにしていると、何回も何回も同じようなことが繰り返されているように思えます。例えば奥尻の津波の時、それから阪神淡路や中越沖地震でもそうです。もっと人々が災害に対して、自分たちが前向きにとらえて活動していれば防げたのではないか、というような思いがありました。この繰り返される循環というのが、すごく不幸せな循環に思えたのです。この循環を、ちょっとしたきっかけで幸せな循環に変えていくことはできないのか。社会というのは循環しているので、この循環にほんのきっかけをつくってあげることで、幸せな循環をつくってあげることができるのではないかと考えました。ただ、幸せな循環を考えるときに、どこから考えようかというのが非常に難しい訳だったのです。

私はサラリーマン時代に海外での生活が長く、家族と離れて生活していた経験があり、日本に帰ってきたときに家族と一緒にいられるということが、この不幸せな循環を幸せな循環に変えるヒントであったような気がしました。それは何かというと、海外で単身仕事をしていた自分が日本に帰ってきたとき、身近にいる家族を見ると、親の世代、そのまた親の世代のおじいちゃん・おばあちゃんの世代、それから私の妻、自分の子どもたちがいて、この生命がつながっていくというのを実感したのです。

この「いきつなぐ」「生きをつないでいく」というこの感覚がきちんと捉えられていれば、もしかしたら人々は、自分の息を止めてしまうということに対して、何とかつないでいきたいという方向に動いていけるのではないか、幸せな循環へつながると思いました。そういう気付きが、海外から日本に帰ってきてありました。

とてもシンプルではありますが、そこの願いからもう1回歩き出してみよう、災害に対して取り組んでみようと思い、この「いきつなぐ」ということをテーマに、防災に対してアプローチしていけたらと思ったのが始まりで、活動をしています。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。