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防災インタビューVol.42

地震計のいろいろ

放送月:2009年6月
公開月:2009年12月

梶原 透 氏

応用地質計測(株)専務取締役

応用地震計測株式会社HP:http://www.oyosi.co.jp/

日本にある地震計

地震計のいろいろ、ということで、日本にはどのくらい、どんな地震計があるだろうか、ということを少し分かる範囲でご説明したいと思います。国内に設置されている地震計はどのくらいあるでしょうか。地震計は計測震度計のほかにもさまざまな分野で利用されており、その数は私もよく分かりません。ここでは代表的な分野ごとに、どのようなものがあるかをお話ししたいと思います。

まず気象庁や自治体の地震情報ネットワークと呼ばれる地震計ですが、これには次のようなものがあります。気象庁は独自に観測点として設けているもので、これは800カ所程度と言われておりますが、現在整備が進んでおりますので、もっと増えているかもしれません。それから各都道府県に設置されている地震計は、1県あたり大体50から100台ぐらいあり、合計で約3000台と言われております。また筑波にあります防災科学技術研究所が所有管理している地震計にはK‐net、強震ネットと言われる地表に設置された地震計が約1000台。それからHi‐net、高感度地震観測網と呼ばれる比較的浅い深さの地面の中に設置されたものが約800カ所。それからF‐Netと呼ばれる広帯域地震観測網、核探知をお話ししたときに出てきた地震計ですけれども、あれと同じ地震計が約80カ所あります。またその他、国土交通省、昔の建設省ですが、ここが独自で設置運営しているものが約700から800カ所あると言われています。また、その他、大学では地区ごとに観測対象を決めて、火山や活断層などの観測研究を行っています。それらの大学で行っているものについては、火山活動の解明とか地震発生機構の研究とかの目的で行われておりますので、あまり皆さんのほうに出てくるような情報は少ないのかもしれません。ただ大学のホームページを見ていきますと、いろいろ興味深い地震の情報とか結果とかが出てきますので、もし関心がある方は見られることをお勧めいたします。

その他民間のものも合わせると、この地震情報ネットワークと呼ばれるようなものだけでも1万台を超えるような地震計が設置されていると言われております。多分、日本は世界でも有数の地震計が設置されている密度の高い国だとは思います。ですが、まだまだ地震計の数は足りないと言われていまして、防災上、いろいろな情報を得るためには、もっともっと地震計を付けて、観測をしていくということが必要だと思われています。

そのほかにネットワーク型の地震計として、海底地震計ケーブルシステムというのがあります。これはJAMSTEC海洋研究開発機構が紀伊半島沖に設置を計画しているシステムが最近では有名ですが、これは海洋性の地震をいち早くキャッチして、それで緊急地震速報などにも利用しようというような目的で作られています。

広帯域地震観測システム

地震計を利用した安全管理

先ほどは地震情報ネットワークとして利用されている地震計についてご説明いたしました。そのほかにも地震計は大型施設の管理などにも利用されています。これは地震発生のときに地震の大きさに応じて危険な装置を停止するとか、あとは安全確保のために設置されています。ここではそういったものについて、幾つかご紹介したいと思います。

例えば、まず大型施設としては原子力発電所、ダム、橋、そういったものにも地震計は付いています。これらの地震計は震度4とか震度5、例えば加速度でいうと100ガルとか150ガルというような地震を観測した場合に、警報を鳴らしたり、危険な装置を停止したり、そういうために使われています。その他、河川堤防にも地震計が付いています。堤防に地震計が付いているというのは何か不思議な感じがするのですが、実際に兵庫県南部地震の際に、淀川がもうあと少しで堤防が決壊する、というような事態が発生しました。この地震のときに、堤防が液状化をして崩れてしまったのです。あと1メーター少しぐらい崩れてしまえば、淀川の水が大阪平野に流れ込んでいく、というようなことになりました。そのために、それを防止するというか、河川堤防が地震のときでも安全かどうかというのを確認するために地震計が設置されているのです。この目的としては河川堤防の下に液状化しやすい地層がある所に地震計を設置しておきまして、液状化のときにどのように揺れているかを確認、観測することで、堤防が安全か安全ではないか、安全ではない所については補強するというようなことを行うためのものです。その他、津波を食い止めるための水門とかにも管理用として地震計が設置されています。また、鉄道ではユレダスという有名な地震システムがあります。これは緊急地震速報よりも、もっと先にP波を検知して列車を止めて、乗客の安全を確保しようという目的で開発されたものです。地震が発生するとやはり線路上の安全点検のために目視検査を行いますので、たしか震度4前後…と記憶しているのですが、地震が発生したときには列車を止めて点検に入って、安全を確認してから運行するというようなことをやっています。その他ガス関係でも、東京ガスではSUPREMEと言われるネットワーク、地震計を持っておりまして、これは約3000カ所、彼らのガスのステーションやガスの配管上の途中途中に付けておいて、地震のときにガス管が切れていないかとか、安全の確認のために管理をしています。大阪ガスでも東京ガスに準じて、このようなシステムを設置しているとは聞いています。また高層ビルとか免震ビルですね、高い建物などにも管理用に地震計は設置されています。これらはビルが地震で揺れたときに、どのくらいの揺れがあったか、また、もっと大きな地震が来てもそのビルは安全かどうかを確認するために付けられております。あと変わったところでは、エレベーターにも地震計が付いています。多分エレベーターに乗ったときに、P波センサーとかP波感知器、S波感知器とかいうような名前が付いているのを見ることがあるかもしれませんが、これもやはり一つの地震計で、P波が来た、S波が来た、その時に、どのくらいのレベルで来たときにエレベーターを止めてしまう、それか安全な階に行ってから止める、そういったために付けられています。これも記録はとらないし、震度を出したりというような目的ではないのですが、地震計の一つと言えるかと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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