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防災インタビューVol.110

消防団の活動・地域の防災力向上

放送月:2014年11月
公開月:2015年6月

原尻 賢司 氏

川崎市消防局警防部 警防担当部長

消防団~地域の防災力~

大きな災害が発生したときに、市民の方は、行政、消防などの役所が助けてくれると思っていても、なかなかそのようにはいかない場合があるのではないかと心配しています。そういう意味でも、訓練を積んで防災の知識と技術を持った消防団の方がたくさんいてくれると心強いと思います。入団を希望される方は、近くの消防署に行って「消防団に入りたい」と言っていただければ入ることができますので、地域の防災力をアップさせるためにも、たくさんの方に消防団に入って活動していただければと願っています。

入団されると、防火、防災を学ぶとともに、消防団には「消防操法」といって、消火をするために小型ポンプから放水するための手順というか、剣道などでいう形みたいなものがありまして、それを勉強し、体で覚えるための訓練、練習をしていただきます。

川崎市には消防署が8署あり、消防団もその各消防署に合わせて8消防団あります。消防団ごとに行う消防操法大会、次に川崎市の消防操法大会、そのあとに神奈川県の消防操法大会、最後は全国大会という形で、優秀なチームはどんどん予選を勝ち抜いて上がって全国大会まで行くこともあります。体育会系のノリで県大会や全国大会を目指して、厳しい練習をした上で、操法大会で勝ち抜いていくということがあるんじゃないかなと思っています。消防団の方は普段は別の仕事をされているので、仕事帰りや休みの日を使って練習をしたり、地道な活動をしているのを見ると、本当に頭が下がる思いです。こういう人たちがいてくれるからこそ、安心に暮らせるのかなと感じています。

川崎もそうですが、横浜などでも東京に出勤されていて、昼間は女性ばかりという地域も多いと思いますが、島しょ部や漁業が盛んな街などで、日中は女性だけで地域を守らなければならない所もあると思います。そういう所では、女性の方が消防団や組織を作って、自分たちの地域は自分たちで守るという活動をしている例もあります。ぜひ女性の皆さんにも参加してほしいと思います。

消防団の活動として、小学生、中学生などに防火の話や防災教育の際にも、「どのようなことをやっているのか」を伝えています。川崎の中原の消防団では、AKB48の「恋するフォーチュンクッキー」の音楽で消防団員が踊って、それをYouTubeにのせまして発信しているというユニークな試みもしています。

消防団について知ってもらって、できれば、消防署員や消防団員になってくれる人が出てくるといいですし、ならないまでも、市民の中に消防や防火に関する知識を持った方が増えてくれると、地域の防災力はアップすると思います。

災害時の消防団の活動

伊豆大島の土砂災害の時には、消防団の方はとても重要な活動をしていました。災害が発生した際に、自衛隊や緊急消防援助隊、警察などが応援に入ってきたのですが、それぞれローテーションを組んで活動していました。3、4日活動をすると次の部隊が入ってくるという形で「なんとか短い時間頑張れば」ときつい活動をしていましたが、地元の消防団の方々は、3日頑張ったから1日休みというわけにもいかず、「隣の誰々がまだ埋まっている」という状況の中で、休みも取れずにずっと活動していただいたこともありました。地域の方々なので地元のことにも詳しいですし、地元の人たちをよく知っているので、「自分たちが生き残っていて休むわけにはいかない」という使命感から、活動をずっと続けられて、体調を崩された方が結構いたと聞いていますが、その方々の活動があったからこそ救われた命も多かったと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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