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防災インタビューVol.123

災害をイメージして、災害に備えよう

放送月:2015年12月
公開月:2016年7月

太田 智久 氏

内閣府防災担当(被災者行政担当)付

少しでも過ごしやすい「避難所」を

現在、内閣府では「避難所の確保」と「質の向上に関する検討会」を設置して、委員の先生方に話し合いをしていただいています。指定避難所というものを各市、自治体が指定して避難所の確保をするわけですが、東日本大震災の後に、南海トラフの巨大地震や首都直下地震など、想定が大幅に見直されています。その想定に基づいて避難者数なども変わりますので、そういった意味で避難所の確保を各自治体で進めてもらっています。同時に母子や配慮が必要な方のための福祉避難所の確保や避難スペースの確保に関する検討会も設置しています。また、避難所の環境は、お話しした通り、実際にはあまりいい環境ではないので、最低限の生活環境を確保するために「質の向上に関する検討会」を設置して、食事、トイレなどの衛生環境、医療、福祉を、なるべく早い時期に被災された方々、避難所に生活されている方々に提供するにはどうしたらいいかというようなことを話し合っていただいています。

避難所を運営していくためには、やはり被災地の行政の力だけでは人数も少ないですし、実際回っていかないということが過去の災害でも明らかになっています。住民の方にも当然協力していただく必要もありますし、全国から駆け付けてくれたボランティア、お医者さんや保健師さんなどの専門職の方など、外部からの支援をうまく受け入れていくということが必要になります。しかしながら、避難所の運営に関しては、全国の自治体でも経験している職員は、ほんのわずかの方しかいない状況です。災害の対策というのはイメージすることが大切だという話をずっとさせていただいているのですが、行政のほうも災害についてのイメージを持って、災害時に避難所がどんなふうになるのかということを考えながら、避難所を回していくためには、通常時の業務の枠を超えた横のつながりが必要だということをイメージしながら、避難所運営のためのチームを作って、平常時から取り組んでいければいいなと思っています。

ゲームを通して災害イメージ

災害のイメージを持つこと、平時から避難所に行かない対策をしてほしいということをお話ししてきましたが、やはり何らかの理由でどうしても避難所に行かなければならなくなる可能性はあります。その際の避難所の運営をイメージするために、静岡県の西部危機管理局が開発した「避難所運営ゲーム(HUG)」というゲームがあるのですが、そういったものを利用しながら「避難所ってどんな所なんだろう」というのを一回体験していただくと、また違った見方ができるのかなというふうに思います。

このゲームは、体育館や学校の図面の上にカードをどんどん置いていくもので、そのカードにはいろいろな想定が書いてあります。「親が今見当たらなくて、子どもだけで避難してきました」「犬を連れてきた人がいます」「咳をしている人がいます」というカードを見ながら、「さて、どうしましょう?」、避難所のどこにこの人たちを案内しようかということをイメージするゲームです。実際も、そのようにいろいろな人が避難所にはやって来るので、そういったものを利用して、ちょっとイメージを膨らませていただくというのもいい方法なのかなと思います。

来たるべき大地震に備えて

災害のイメージを平時から持っておこうという話を今までさせていただいたのですが、本当に近いうちに大地震は来ます。これは歴史的に見ても必ず来るんです。来ることが分かっているのに準備をしていなければ、必ず後悔すると思います。東日本大震災もそうですが、東北地方も繰り返し地震が起こっています。東海地方もそうですし、首都直下も起こるかもしれません。必ずここ何十年の間に大地震は来ますので、まずはそれを自分のこととして考えていただきたいと思います。その上で、ローリングストックですとか、トイレの備蓄など、まず自分で必要だと思うことをしっかり準備していただくということが重要だと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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