1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報
  4. 防災インタビュー
  5. 災害に強い社会をつくる
  6. 災害時のトイレ ~事前に準備、しっかり防災~
  1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報

防災インタビューVol.151

災害時のトイレ ~事前に準備、しっかり防災~

放送月:2018年4月
公開月:2018年10月

新妻 普宣 氏

株式会社 総合サービス
代表取締役

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

地震発生率と災害規模

地震の発生率について最新の数字が政府から出ました。トイレとは関係ないのですが、この地震発生率というのは非常に重要なポイントなのでお話ししたいと思います。今までは、東海、東南海、南海エリアの地震について想定してきましたが、今は南海トラフという言い方に変わりました。南海トラフ地震の発生率について、政府は今までは、30年以内に70%程度と言っていましたが、70から80%ということで、初めて80%という数字が出てきました。これはまさに緊急の課題であるということです。その上、50年以内は90%以上という数字も出ており、すなわちこれはもう50年以内には完全に起きるだろうという数字に変わってきています。

その中でトイレに関する問題について、もう一度、まず上水路の仕組みをイメージしていただきたいと思います。水はまずどこから来ているかというと、ご自身の所で溜めている水があるわけではなくて、実際には浄水場や配水所から来ています。ですからその配管が全部耐震化していないと、水は止まってしまうということで、この辺の数字を政府が出しています。首都直下の地震が起きた場合、横浜市を含む関東で何と1420万人、人口の約30%が断水するという想定が出ています。復旧に30日かかるということで、これは膨大な数字で、単純にこれだけで30人に1人はトイレを使えないということになるわけです。次が静脈になる下水です。水が出ても下水道が不全になりますと流せないということで、政府の想定では最大150万人、復旧に30日以上かかるということです。これもすごい数字で、単純に言うと、30日ということは1カ月間流せないことになります。電気についても首都直下型地震の際には、1220万軒、約50%で電気が止まるということで、復旧に約30日かかるという想定が出ています。

もうひとつ、この上水、下水、電気の被害を考慮して、トータルで首都直下でどれだけのトイレが足りなくなるかという数字を政府が出していますが、3150万回分が不足するということです。これも数字が天文学的すぎて、ちょっと皆さんイメージしづらいかと思いますが、とにかく膨大な数字です。神奈川県だけでも、990万回分不足するそうです。ですので、約1000万回分がこの神奈川県の中で、首都直下地震が起きるとトイレが不足して困る人が増えてくるということになります。それを考えてまず準備をしてほしいと思います。

災害トイレ ~誰が、どこに、何を~

災害トイレについて、「誰が」「どこに」「何を」というキーワードでお話ししたいと思います。まずは「誰が」です。災害対策としては、自分自身で備える自助、共に助ける共助、そして公助というのがありますが、災害トイレは結論から言うと、自助に限ります。自宅で災害トイレを整備しなければ、発災してから電話をして「トイレを持って来てくれ」と言っても持って来てくれるものではないですし、あたふたしても我慢することはできません。それを考えると、災害トイレは最低3日から1週間分は何らかの形でご自身で考えて、整備していただきたいと思います。

次が、「どこに」ですが、これもご自身の自宅でできるように考えていただきたいと思います。それはなぜかというと、過去の震災の例でも言いましたように、基本的には水が止まったり水が流せなかったり、電気が止まってトイレが不全になった場合には、避難所かトイレが使える場所まで出て行かなければいけないわけです。そうすると自宅でせっかく雨風をしのいでいる場所にいるのにもかかわらず、トイレのためにわざわざ外出しなければいけなくなり、1日朝昼晩どころか、5回から多い人で7回、8回、そのたびに外に行くことになり、それだけで労力になってしまい、トイレに行くだけでもう1日が終わってしまうことになります。再三言っている原始時代というのはそういうことです。そのためには、携帯トイレのような、災害用のトイレが自宅で使えるということが大切です。「何を」というところですが、まずは自宅やマンションに携帯トイレを用意してほしいと思います。これは、ポリエチレンのような袋状になったものの中に凝固シートが入っていて、それを自宅の便器にただかぶせるだけで災害トイレ対策になるというものです。本当に名前の通り、携帯ができるぐらい小さなもので、これがあるだけで安心してトイレが使えることになりますので、「何を」というと、まずは「携帯トイレ」を用意するということになります。

用意しておける災害用のトイレは全部で4つあり、そのうちの1つが携帯トイレですが、あと自宅で用意できるのは簡易トイレです。これは、組み立て可能なボックス型のポータブルトイレみたいなイメージで、処理方式は先ほど言った携帯トイレをかぶせて使うので、イコール携帯トイレにもなるわけですが、自宅ですとこの携帯トイレと簡易トイレの2つがやはりお勧めになります。あとの2つはちょっと大掛かりになりますが、マンションや町会規模、いわゆる共助のトイレで、マンホールトイレと仮設トイレです。これら4つが、政府が立てている防災基本計画の中にも出てきています。マンホールトイレというのは、簡単に言うと、あらかじめ耐震化した下水管のマンホール蓋をいざというときに開けて使うものですが、マンホールの蓋を開けるだけでは囲いも何もないので、仮設のハウスを耐震化したマンホールの上に立てて使います。そんな便利なマンホールトイレが、国の施策として整備されるようにもなってきています。4つ目の仮設トイレですが、これは皆さんも一番なじみがあると思います。例えば夏のお祭りなどのイベントに行くと、仮設トイレというのがあると思いますが、その仮設トイレが災害時にも国からの支援として来たり、行政が備蓄をしていたり、町会やマンションで持っていたりします。これらは、大物の災害トイレと呼んでいます。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。