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防災インタビューVol.185

情報の見える化による新しい防災

放送月:2021年2月
公開月:2021年6月

村上 建治郎 氏

株式会社Spectee 代表取締役 CEO

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

正しい情報を読み取り伝える「Spectee」

このSpecteeの情報は、自治体だけではなく、テレビ局、新聞社などのメディアの方々にも利用していただいており、現在では、ほとんどのテレビ局、新聞社にはSpecteeが入っています。もともとSpecteeがサービスを始めた時に一番最初に使っていただいたのは、テレビ局、新聞社の方々です。最近でも視聴者投稿、視聴者映像も番組で使われていますし、スマホで撮った映像がニュースになることも結構あると思います。記者が後から駆け付けても間に合わないということもありますし、実際のリアルな映像を撮れるのは、その瞬間に現場にいた人になるので、このようなスマホの映像はとても重要になってきます。そのような情報をTwitterやSNSの中から探し出すのは、結構大変なことなので、Specteeから届く情報を活用していただいています。

次世代に生かす情報として

われわれの会社では、今SNSの解析だけではなく、例えば街中、道路やカフェなどに設置されているカメラを使ったAIの画像解析も行っています。これは、実際はどのようなことかといいますと、今、福井県の所有するカメラ155台の映像を解析しながら実装実験をしています。2018年に福井県では、大雪の影響で主要道路である国道8号線上で約1500台の車が動けなくなってしまったことがありました。同じような災害は、毎年北陸や日本海側のあちこちで起きています。今までは、現場に人が行って、目視で確認して除雪車を出すというような対応をしていたのですが、それでは間に合わないということから、2018年の大雪被害以降、あちこちにカメラを付け、現在では155台のカメラを設置しています。ただ、これら全てを24時間体制で見ているのも難しいので、現在は福井県と協働でこのカメラをAIで自動的に監視し、積雪の状況を自動監視するという取り組みをしています。このように積雪の状況をカメラで捉えて、それを県の土木課や道路管理担当にフィードバックして、より早く除雪車を出したり、雪が積もる前に除雪剤をまくなど、事前に準備をして、道路が切迫して寸断してしまう前に、早く対応するために使っていただいています。 

このカメラでのAIを使った監視は、雪だけではなくて、例えば河川の増水、また氾濫の判定などもできるようになります。現在は、毎年のように大雨で、九州エリアや、西日本のエリアが大きな被害を受けていますし、全国各地で大雨による被害が起きて、川が氾濫したりしています。今は河川の水位の判定は、橋のたもとなどについている水位計で行っていますが、現状では水位計がある場所でしか判定ができません。そのため氾濫の予測は非常に厳しくなっています。そこで河川に設置されたカメラを使って、カメラで水位を判定し、そこから溢れそうだとか、氾濫して洪水になりそうだということを予測することができれば、より早い対応ができるようになってきますので、そういった河川の判定をカメラでやるということもわれわれの取り組みとしてやらせていただいています。

カメラは自治体側が所有しているカメラを使うことが多いのですが、国交省が設置している道路カメラ、河川カメラなども使いながら、カメラからの映像解析をすることで、リアルタイムの川の水位の確認、さらにそこから先の氾濫の予測までしていくというような形で使っています。このように全国に設置されたカメラの情報を、防災の目的で使っていくことは非常に重要だと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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