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防災インタビューVol.185

情報の見える化による新しい防災

放送月:2021年2月
公開月:2021年6月

村上 建治郎 氏

株式会社Spectee 代表取締役 CEO

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

私は株式会社Spectee(スペクティ)の代表取締役をしています。Specteeは東日本大震災があった2011年に出来た会社で、AIなどを使った防災技術の開発を行っています。

テレビの映像と実際の状況の乖離

東日本大震災の時、私は東京でサラリーマンをしていまして、東北の地震の被害の状況をテレビで見ていたのですが、かなりひどい状況だということで、4月頃から毎月のように東北にボランティアに行き、泥のかき出しをしたり、物資を配ったりしていました。東北の状況を、テレビを通して東京で見ていると、実際に現地に行って自分が目で見たり、または現地の人に聞いたりする内容とは、かなり乖離があるというのを感じました。 

典型的なのが、ゴールデンウィークに入る前ぐらいにボランティアに行こうとした時に、ちょうど石巻市のボランティアセンターからテレビの中継映像が流れていました。ここには、ボランティアの方が詰め掛けており、その行列が中継され、「ボランティアが溢れており、今から来てもあまりすることがない」というような感じでした。そのニュースを見ると、今から石巻市のボランティアに行ってもあまり役に立たないのではないかと思うのです。その後、ゴールデンウィークに入った時に隣の東松島市の野蒜という地区にボランティアに行ったのですが、ここでは全く人手が足りていませんでした。石巻市にはテレビの中継も入っており、東北の震災では象徴的な場所になっていることもあり、全国からたくさんの人が詰め掛けていますが、そのすぐ隣の市では人が足りていないという状況を目の当たりにして、東京でテレビを見ているだけでは、結構間違った状況が伝わっていたり、それを見た人の勘違いということも起きているのではないかと感じました。東北と言っても非常に広いので、各地でボランティアが必要です。どこで人が足りていなくて、どこに物資が足りないのかをもっとしっかりニュースで伝えていかないと、東北以外の人には間違ったメッセージを流してしまうことになると、この時、実感しました。

当時は、Twitterが始まったばかりで、FacebookやSNSがちょうど日本ではやり始めた初期で、Twitterを見ているといろいろな地域から、「ここで物資が足りていません」「ここでは人を募集しています」というような情報が、つぶやきとして顕著に上がってきていました。それを見ていると、テレビで中継を見ているよりもTwitterの情報の方が実際の現場のリアルな情報をしっかり伝えているのではないかと感じました。そのような形で、Twitterを見ていると、なかなかテレビや新聞では得られない現地の本当のリアルな情報が入ってくるので、この情報をもうちょっと分かりやすく、例えば地域ごとにまとめて、「今このエリアではこういった物資を必要としています」「このエリアではボランティアを募集しています」というような形で、うまくTwitterの情報をまとめて可視化できるとより便利になるのではないかと感じ、それをまとめていくことを始めました。これが、この会社を始めるきっかけでした。その当時は、会社員で、ボランティアに何度も行っていて、有給休暇もボランティア休暇もすべて使い切ってしまっている状況で、これ以上この状態を続けていても会社に迷惑が掛かってしまうと思い、それならば、会社を辞めて起業しようと思いました。起業するならば、この東北の情報をSNSなどを通じて、東北以外の人たちにしっかり伝えられるようなメディアを作りたいと、2011年11月にSpecteeという会社を創業しました。

SNS情報の見える化

Specteeは、東北だけではなく、全国のいろいろな地域でのSNSの情報を地域ごとに見える化するサービスからスタートしまして、リリース当時は個人向けのサービスとして、一般の方がスマホのアプリをダウンロードして、情報を見られるというようなものでした。これを作ったところ、1つはメディアの方々が情報収集するのに非常に役に立つということと、もう1つは自治体の方々が、地域の防災情報をしっかり把握するのに一般の方のつぶやきが非常に重要だという声があり、そこから法人向けに特化したサービスが始まりました。もともとはスマホのアプリで個人向けに出していたものをブラッシュアップして、法人のお客さまや自治体のお客さま向けのサービスとして提供を始めたというのがこのSpecteeです。 

Specteeは今、Twitter、Instagram、Facebook、YouTubeの動画、最近はTikTokなど、いろいろなSNSをリアルタイムに解析して、AIの処理を入れています。AIは、動画で何を映しているか、写真に何が写っているかを識別します。例えば土砂災害が発生した際には、上がってきた土砂崩れの画像や動画、つぶやきの内容や、いろいろな方がいろいろな場所から投稿した大量のデータを解析して、「今、どこで何が起こっているのか」「その画像がこれだ」ということをタイムリーに伝えていくというようなサービスを行っています。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。