下北沢に天狗たちの行列現る!『しもきた天狗まつり』

■天下一天狗道中の様子


2月2日から4日の3日間、下北沢の節分会「しもきた天狗まつり」が下北沢駅北口周辺で開催されました。この祭りは、昭和初期からほぼ毎年行われている伝統行事で、今年で86回目となります。祭りのメインイベントは、大天狗や烏天狗、山伏、福男・福女の総勢約100人の行列が福豆をまきながら商店街を練り歩く「天下一天狗道中」。ことしも祭りを大いに盛り上げていました。

「天下一天狗道中」は、「道了尊(どうりょうそん)」の名で親しまれている曹洞宗大雄山真龍寺(そうとうしゅうだいゆうざんしんりゅうじ)(世田谷区北沢2-36-15)に伝わる厄除開運・商売繁盛などを祈願する行事のことで、同寺の守護を願い天狗となって昇天したという道了薩埵(どうりょうさった)という名の守護神に由来しています。

「天下一天狗道中」の行列は、曹洞宗大雄山真龍寺を出発すると、商店街を練り歩いて再び寺に戻ります。この道中に独特の掛け声とともに豆をまきます。掛け声は、「福は内」の掛け声だけを3回繰り返し、けっして「鬼は外」と言わない珍しい声の掛け方で、これは同寺を開いた道海禅師(どうかいぜんし)の「心の中に福を満たせば鬼は自ら退散していく」という教えによるものといわれています。

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行列は、大天狗や烏天狗、山伏、福男・福女に続き、高さ約3m・幅約2mの巨大な天狗面を乗せた大天狗面車が最後尾となり、山伏の吹くほら貝や太鼓の音に合わせて商店街を行進しました。大天狗の大きさと迫力を間近で見ようと、沿道には多くの見物客が幾重にも人垣をつくっていました。大天狗は、時々立ち止まっては沿道へ向かって豆をまき、たくさんの見物客や買い物客たちが、先を争うように手を伸ばしていました。

豆を手にした親子は、「家族みんなの分をとることができた。今年一年もよい年になると思う。」と笑顔で話してくれました。