古民家で茶摘み!昔ながらのお茶づくりも体験

■茶摘み体験の様子


世田谷の農村や農家の風景を再現している次大夫堀公園民家園と岡本公園民家園で、5月13日、14日、茶摘み・製茶体験が行われました。

茶摘みと製茶体験は、民家園で行っている「民間暦」のひとつで、昔の農村で行われていたさまざま行事を1年通じて再現するもの。
今では失われつつあるかつての暮らしぶりを、来園者に肌で感じてもらおうと、毎年、茶摘み頃である八十八夜の時季に合わせて行われています。

今年も、畑作物の栽培や保存食の加工などを研究する民家園ボランティア「食農研究会」の協力のもと、幼稚園児の息子を連れた母親や自宅にも茶垣があるという女性など、さまざまな参加者が揃い、子どもから大人まで多くの人が昔ながらの茶摘みと製茶を体験しました。

茶摘み体験では、まず園内の茶垣の新芽の柔らかい葉を3~4葉摘み取ったあと、セイロに敷き詰め蒸した茶葉をござの上に広げてうちわで扇ぎ冷まします。

製茶は、焙炉(ほいろ)に藁を敷き詰め炭火を置き、炭の量で温度を調節しながら茶葉を丹念に手揉みして水分を飛ばしていきます。

手の平の感覚で茶葉の乾燥状態を見極めながら、「葉振るい、軽回転、重回転、玉解き、揉切り、転繰り、こくり、乾燥」と8つ工程を経て、新茶が完成しました。

茶摘みの様子(縦)DSC_0025
■園内の茶垣で 新芽の柔らかい葉を3~4葉摘み取ります
茶摘みを親子で初体験DSC_0067
■親子で茶摘み初体験!
焙炉での製茶作業DSC_0098
■焙炉での製茶作業

茶摘みを楽しみに訪れた砧在住の親子は、「初めての体験。散歩で良く訪れるが、色々貴重な経験をさせてもらっている。」と満喫した様子。自宅に茶垣があるという女性は、「教わったコツを家で試したい。」と意気込みを話してくれました。また、散歩で通りすがった女性は、「懐かしい!子どもの頃に父が製茶していた姿を眺めていた記憶が蘇ってきた。」と思い出を話してくれました。

摘み取って製茶を終えた新茶は、江戸時代後期に農閑余業で酒屋を営んでいたと言われる店造りが特徴の旧城田家住宅主屋(次大夫堀民家園)と、百姓代を務めた旧長崎家住宅主屋(岡本民家園)で、後日、来園者が無料で飲むことができるということです。(※無くなり次第終了となります)