目黒区で『若年性認知症フォーラム』

■会場の様子


9月16日、目黒区総合庁舎で、「若年性認知症フォーラム」が開催されました。

若年性認知症の早期診断・早期対応へ繋げるための普及・啓発と支援体制の整備を目的に開催されました。

今回のフォーラムでは、「私らしく生きるには?~働き続ける、社会のために活躍する~」をテーマに、就労・社会参加に焦点を当てて対象者を区民に限らず、一般企業や事業所・産業医等と広げ、本人・家族をはじめ、病院関係者や就労支援関係者、企業など、約130人が参加しました。

目黒区では平成21年から、区内にある東京都若年性認知症総合支援センターと「若年性認知症支援連絡会」を開催し、認知症疾患医療センターや家族会、区の関係所管との連携を図りながら、本人・家族の支援を行ってきました。

今回は、その東京都若年性認知症総合支援センターを運営している「NPO法人いきいき福祉ネットワークセンター」に運営を委託し、3部構成で行われました。

第1部では、若年性認知症研究の第一人者で、我が国で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設している順天堂医院の新井平伊教授による基調講演が行われました。

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■順天堂医院・新井平伊教授による基調講演の様子

「若年性認知症の早期診断と就労支援」をテーマに、若年性認知症の基礎知識や、順天堂医院における早期発見・診断の取り組みについてが紹介されました。また、実際の症例を通して、診断後も仕事を継続するために、参加者がそれぞれの立場でできる支援について考える内容となりました。

第2部では、NPO法人いきいき福祉ネットワークセンターの駒井由起子さんより「若年性認知症と診断されたら?」というテーマで、診断後に実際に活用できるサービスや社会資源についての情報提供が行われました。

若年性認知症に関する社会資源が少ないことが課題となっていますが、少しでも早く必要な支援につながり、また診断後も、本人らしく生活していけるような支援が望まれると語っていました。

第3部では、三宿病院神経内科部長および認知症疾患医療センター長でもある清塚鉄人医師がファシリテーターとなり、ワイドミーティングが行われました。はじめに清塚医師からは、認知症疾患医療センターの取組や認知症カフェの様子が語られ、また、桜メデイスン有楽町桜クリニック院長の神山昭男医師からは産業医からみた若年性認知症の治療と仕事の両立支援について、事例を通しての紹介があり、企業の立場からは、(株)東芝総合人材会社の佐藤こづえさんより、実際に人事担当者として若年性認知症の社員に関わった経験や取組についての報告がありました。若年性認知症のデイサービス「いきいき*がくだい」の後藤良和さんから地域での清掃活動や見守りサポーター活動などの様子や当事者の声をビデオメッセージで伝えてくれました。

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■ワイドミーティングの様子

最後は、それぞれの立場から、本人主体の支援や社会とのつながり、壁を乗り越える連携力の必要性を再確認し、若年性認知症の人が、できるかぎり働き続け、社会のために活躍できる場が広がることを目指していくことを会場の参加者と共に確認し、フォーラムは終了となりました。

会場では、「NPO法人いきいき福祉ネットワークセンター」や「若年性認知症の方の見守りサポーター活動の様子」「認知症疾患医療センター」の紹介等のパネル展示や、ガイドブックやパンフレット・冊子紹介コーナーもあり、来場者は足を止め、パンフレットなどを持ち帰る様子も見られました。