1. コラム
  2. コラム
  3. クラウドストレージ「Box」の魅力は?使い方やメリットを徹底解説

クラウドストレージ「Box」の魅力は?使い方やメリットを徹底解説

Boxは容量無制限のクラウドストレージや充実したセキュリティ機能などの魅力があり、各国の政府機関やリーダー企業などさまざまな組織が採用しています。Boxの導入を検討しており、その魅力や活用方法が知りたい方もいるのではないでしょうか。

ファイルサーバのクラウド化や電子帳簿保存法への対応などにも役立つBoxですが、契約するプランや窓口には注意が必要です。そこでこの記事では、Boxの基本的な使い方やメリット・注意点について紹介します。

ビジネス特化のクラウドストレージ「Box」とは?

Boxはビジネスユースに特化したコンテンツ管理のためのクラウドサービスです。2005年に米国で設立されて以来、全世界で約11万社、日本で1万7,000社以上の導入実績を誇ります。フォーチュン500企業の約7割や日経225銘柄の企業の約7割などリーダー企業の他、各国の政府機関にも多数採用される、非常に信頼性の高いコンテンツクラウドです。

Box本社は米国カリフォルニア州にありますが、アプリは日本向けにローカライズされています。国内代理店を通じて購入すると、日本語によるヘルプデスクや導入サポートなどを受けられます。

Boxは多機能・高性能でありながら特別なトレーニング不要で使い始められ、容量無制限のクラウドストレージで安全かつ利便性の高いファイル保存・共有を叶えます。

【関連記事:Boxとは?クラウドコンテンツ管理の魅力や解決できる課題を解説

クラウドストレージ「Box」の基本的な使い方

Boxは非常に多機能なクラウドストレージですが、インターフェースや操作方法はシンプルです。ここでは、基本的な使い方として、アカウント登録やフォルダの追加・アップロード・共有・編集・ダウンロードの方法を解説します。

1.アカウント登録

Boxを利用するにはアカウント登録が必要です。無料アカウントでも利用できますが、アップロード1ファイル当たり最大250MB・最大容量10GBという容量制限があるので、ビジネスユースには支障が生じます。

全ての有料プランは容量無制限、最も低コストのBusinessプランでもアップロード1ファイル当たり最大5GBなので、Business以上のプランを契約しましょう。

2.フォルダの追加

BoxはWindowsのようにディレクトリ構造でファイル・アクセス権限を管理できます。利用を開始したら、まずは以下のように任意のフォルダを作成するのがおすすめです。

1.[+新規作成] をクリック
2.[フォルダ] をクリック
3.フォルダ名やコラボレーション(共有)の有無を選択し、[OK] をクリック

3.ファイルのアップロード

フォルダを作成したら、PCに保存してある任意のファイルやフォルダをアップロードします。手順は以下の通りです。

1.[アップロード] をクリック
2.[ファイル] または [フォルダ] をクリックし、アップロードしたいファイルやフォルダを選択
3.[開く] または [アップロード] を選択する

なお、Boxのフォルダを開いた状態で、デスクトップからファイルやフォルダのドラッグ&ドロップもできます。

4.ファイルの共有

ファイルをアップロードしたら共有設定をします。Boxのファイル共有方法は「フォルダへコラボレータを招待」するか、「ファイルの共有リンクを送信」するかの2通りです。

1.コラボレータの招待:フォルダの [共有] ウィンドウの [ユーザーを招待] から [名前またはメールアドレスを追加] を選択し、共有相手とアクセス権限の種類を選択して招待を送信する
2.共有リンクの送信:ファイルの [共有] ウィンドウからリンクアイコンをクリックするとクリップボードに共有リンクがコピーされるので、共有相手を選択し送信する

1の場合は7種類のアクセス権限を選択できるので、詳細なファイル・フォルダ管理をする際におすすめです。

2の場合はユーザー個別のアクセス権限の設定はできませんが、Boxアカウントを持たない相手にもファイルの閲覧やダウンロードを許可できます。

5.ファイルの編集

Boxはファイルをダウンロード不要で編集できます。ファイルの編集方法は以下2通りです。

1.外部アプリを起動して編集:編集したいファイルを選択し、メニューから「○○(編集用のアプリ)で開く」を選択する
2.Box上で直接編集:「Box Edit」とMicrosoft Officeをインストールしていれば、Officeファイルをクリックするだけで直接編集できる

6.ファイルのダウンロード

ファイルをダウンロードする場合、任意のファイルを選択し、メニューから「ダウンロード」をクリックします。また、Shiftキーを押しながら複数項目を選択すれば、複数ファイル・フォルダの一括ダウンロードも可能です。この場合は自動的にZip形式で圧縮されます。

クラウドストレージ「Box」の主な機能とメリット

Boxのメリットとしてまず挙げられるのは、法人向けプランはストレージ容量が無制限であることです。社内外ユーザーとのセキュアなファイル共有、デジタル文書のライフサイクル管理など、多くの企業が必要とするセキュアな文書管理システムとしてのニーズを満たせます。

法人プランのストレージ容量は無制限

一般的なクラウドストレージは容量に比例して月額料金が高くなり、管理するファイルが多くなるほどコストはかさみます。デジタル化の進展に伴い日々業務データが増加するビジネス環境にあっては、保存容量のためにコスト増となるクラウドストレージは長期的に見て最適とは言えません。

Boxなら、「Business」以上の全ての法人向けプランでストレージ容量が無制限です。容量不足に伴うファイルの削除やストレージ容量の追加といった手間・コストはかかりません。主な法人向けプランは「Business」「Business Plus」「Enterprise」の3種類ですが、月額定額制かつ容量無制限であることは共通しており、上位のプランほど高度な機能を利用できます。

7段階のアクセス権限設定やフォルダ構造の管理

Boxは7段階のアクセス権限設定ができ、ファイルの機密性やユーザーの所属・職位などに応じて各ユーザーの操作を詳細にコントロールできます。フォルダに招待したユーザーに対し「アップローダー」「ビューアー」「編集者」などのアクセス権限を設定することで、どのユーザーがどのファイルを閲覧・ダウンロード・編集できるかなどを細かく調整可能です。

またフォルダ構造は「オープンフォルダ分類法」と「クローズドフォルダ分類法」から選択できます。前者は個人用フォルダをユーザー自身で作成できるものです。後者は管理者があらかじめ個人用フォルダや社内・社外ユーザーとの共有用フォルダを作成し、ユーザーによるフォルダの作成を制限するもので、管理外のフォルダが乱立することを防止できます。

デバイスを問わず社内・社外ユーザーと協業できる

Boxはマルチプラットフォーム対応です。OSはWindows・macOS・iOS・Androidに対応し、PCだけでなくスマホやタブレットでも利用できます。

140種類以上のファイル形式に対応するオンラインプレビュー機能により、表示用ソフトのインストールもファイルのダウンロードもせずに、ビジネスファイルを閲覧可能です。PCなら「Box Drive」をインストールするとオフラインコンテンツの同期もできます。

Box上のファイルはどのデバイスからでもスムーズに閲覧でき、ファイル共有のプラットフォームとして最適です。「Business Plus」以上のプランなら、有料アカウントを持たない社外ユーザーもファイルのアップロードや編集ができ、パートナー企業などを交えたワークフローにもスムーズに対応できます。

ファイル管理のセキュリティを低コストで強化できる

Boxは安価な月額料金で充実したセキュリティ環境を利用できることも利点です。Boxの通信データは高強度のTLS 1.2、保存データは256ビットAESで暗号化するなど、使用可能な最も強力な暗号化をサポートしています。

「Business」以上のプランは7段階のアクセス権限設定や二要素認証の他、DLP(データ損失防止)やモバイルセキュリティコントロールなどにも標準対応しています。また「Business Plus」プラン以上なら「Box KeySafe」による暗号化キーの自社管理、「Enterprise」プランなら「Box Shield」による多層的な脅威検知なども可能です。

Boxの使用状況を7年前までさかのぼってレポート出力できる

「Business」以上のプランなら、70種類以上のアクセスログを自動保存し、管理コンソールからレポートを作成できるのもメリットです。以下のような項目について、最大7年前までさかのぼってBox上のアクティビティを可視化できます。

・ユーザーの詳細
・ユーザーアクティビティ
・ユーザーの統計情報
・セキュリティログ
・フォルダとファイル
・コラボレーション
・共有リンク
・外部のコラボレーション
・ファイルとフォルダによる帯域幅の使用状況
・ユーザーによる帯域幅の使用状況

ログは一括してエクスポートしたり、ユーザーや日付などで絞り込んだり並べ替えたりして確認できます。これらの情報管理はセキュリティ対策や生産管理に役立ち、利用規模が拡大しても勤務実態を詳細に把握可能です。

Box上の全ファイルは50世代以上のバージョンを自動保存

Boxはバージョン管理機能も優れています。「Business」以上のプランなら、Box上に保存した全てのファイルは50世代以上のバージョンが自動的に保存される仕組みです。いつでも以前のバージョンのファイルを参照したり、以前のバージョンのファイルに戻したりできます。

これにより差分ファイルの乱立やヒューマンエラーによる情報紛失の防止が可能です。フォルダ構造を常にクリーンな状態に保つことで、保存するデータ量がどれだけ増えても効率的に業務遂行できます。

1,500以上の外部アプリと連携したワークフロー自動化もできる

Boxの法人向けプランはMicrosoft 365・Google Workspace・Slackの統合機能を標準搭載しており、また1,500以上のサードパーティ製アプリと連携できます。統合可能なアプリ数は「Business」プランなら1つのみ、「Business Plus」プランなら10まで、「Enterprise」プランなら無制限です。

また「Box Relay」によりBoxおよび連携アプリのワークフローを自動化でき、契約文書レビューの効率化や営業担当者の生産性向上などを叶えます。なお「Box API」により、独自アプリでBoxおよび連携アプリの操作を自動化することも可能です。

Active DirectoryやMicrosoft Entra IDと連携したSSOも可能

社内システムのID・パスワード管理にActive Directory(AD)を採用している企業は多いでしょう。ID・パスワード管理は従業員数や利用サービス数が増えるほど困難になり、従業員の異動・退職時の適切な権限の切り替えなども悩ましい点です。

「Business」以上のプランは、ADおよびSSO(シングルサインオン)の統合に対応しています。Microsoft 365の無償版にも組み込まれているクラウド版のAD「Microsoft Entra ID(旧称 Azure Active Directory)」との連携も可能です。

AD・Microsoft Entra ID・Boxが連携することで、社内システムのログインIDを使ってBoxへのSSO、さらにBoxが連携する各種クラウドサービスへのSSOができます。自社のポリシーを確実に保持しつつアクセス制御のセキュリティを向上でき、ID・パスワード管理の大幅な効率化が可能です。

電子帳簿保存法の「スキャナ保存」と「電子取引」にも対応できる

Boxは電子帳簿保存法における「スキャナ保存」と「電子取引」の区分に対応できることもメリットです。「Business Plus」以上のプランなら、メタデータによる範囲検索やAND検索ができ、「Box Governance」による無制限のバージョン管理やファイル保持期間の完全なコントロールもできます。

これらの機能により、国税関係書類を紙で受領後に電子データ化したりメールやECサイトなどで授受したりした場合、容量無制限のクラウドストレージへ適法に保存することが可能です。

クラウドストレージ「Box」の注意点

Boxを活用するとセキュアな文書管理や業務効率化などさまざまなメリットを享受できます。目立ったデメリットはありませんが、システム本体やコンテンツへのアクセスにはインターネット接続が必要です。また契約窓口によってサポート内容などに違いがあります。

Boxへのアクセスにはインターネット接続が必要

Boxはクラウドサービスのため、システムの本体および保存したコンテンツはクラウドサーバ上にあります。Boxにアクセスするにはインターネット接続が必要で、オフラインでは直接操作できません。

PCの場合は「Box Drive」をインストールすることで、Box上のコンテンツとオフラインコンテンツを同期させることもできます。Windows PCはエクスプローラから、MacはFinderから、Box上の全コンテンツをダイレクトに操作可能です。

オフラインで利用するフォルダを指定すると、指定したコンテンツはPCにダウンロードされ、オフラインで編集した内容は次回オンライン時に自動的にアップロードされます。

公式サイトからの契約は米国法人が窓口

Boxの法人プランを契約する方法は2種類あります。1つはBoxの公式サイトから契約する方法です。この場合はBox米国法人によるサポート対応となるため、窓口の対応言語は英語で、問い合わせはメールのみとなります。また支払い方法はクレジットカードのみです。

一方、日本の販売代理店経由で契約すると日本語サポートが受けられ、問い合わせや契約・支払いの窓口も日本法人となります。代理店によってサポート内容に違いがあるため、必要なサポートが受けられる代理店で契約しましょう。

【関連記事:Boxの料金は?機能・プランの選び方まで一挙解説

「Box」法人プランの代理店契約はサポートも安心なイッツコムにお任せ

Boxなら容量無制限のクラウドストレージでファイルを一元管理できます。安価な月額料金でセキュリティを強化し、社内外ユーザーとのスムーズな協業が可能です。また、電子帳簿保存法に対応している点もメリットです。

「Business」プランでは、共有フォルダを操作できる社外ユーザーは有料ライセンス取得者に限られます。より効率的なコンテンツ管理を求めるなら、社外ユーザーが無料で協業でき、メタデータ機能や「Box Governance」なども利用できる「Business Plus」プラン以上がおすすめです。

Boxの国内代理店であるイッツコムは、無償のユーザーサポート(電話・メール)やカスタマーサクセス、有償の運用設計やファイル移行にも対応しています。代理店選びに迷った際は、サポート体制が強みのイッツコムに相談してください。

まとめ

Boxは日本政府のクラウドサービス調達リストに登録されており、2024年6月には国立研究開発法人 産業技術総合研究所(産総研)がセキュアな文書管理システムとしてBoxを導入するなど、揺るぎない信頼性を誇ります。Box AIのGPT-4o連携など機能拡充にも余念がなく、データ活用やAI導入の拡大にも貢献するインテリジェントなコンテンツクラウドです。

イッツコムは導入設計からカスタマーサクセスまで、Boxのビジネス活用をトータルにサポートできます。Boxの導入をお考えなら、利活用の拡大に合わせてきめ細やかな並走サポートができるイッツコムにご相談ください。