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無線LANルーターの劣化を見極める!代表的なサインと買い替えタイミング

無線LANルーターは、快適なインターネット環境を支える重要なデバイスですが、寿命や劣化による性能低下を見逃していないでしょうか。通信速度の低下や接続トラブル、セキュリティリスクの増加など、使い続けることで発生する問題も少なくありません。

そこで本記事では、無線LANルーターの劣化サインや買い替えのタイミング、さらに長持ちさせるためのメンテナンス方法について解説します。ネットワーク環境を安全かつ快適に保つためのポイントを押さえましょう。

無線LANルーターの平均的な寿命は4〜5年?

無線LANルーターは、時間の経過とともに性能や安全性が低下することがあります。古いルーターを使い続けると、通信の安定性が損なわれたり、セキュリティリスクが高まる可能性があります。

ここでは、ルーターの寿命に影響を与える主な要因について解説します。快適で安全なネットワーク環境を維持するための参考にしてください。

ハードウェアの寿命がくる

無線LANルーターの内部には、プロセッサやメモリ、電解コンデンサなど、さまざまな電子部品が搭載されています。これらの部品は、時間の経過とともに経年劣化する性質を持っています。特に、電解コンデンサは温度や使用頻度に影響を受けやすく、故障の原因となりやすい部品の1つです。

経年劣化により、内部部品の性能が低下すると、通信速度が安定しなくなったり、突然接続が切れるなどの不具合が発生することがあります。また、電力供給が不安定になることで、ルーター全体の動作に影響を及ぼすケースもあります。

一般的に、無線LANルーターは使用開始から約4〜5年でこうした劣化が顕著になり、交換が必要とされる場合が多いです。ただし、使用環境や使用時間、温度管理などによって寿命が延びることもあります。例えば、高温多湿の場所や直射日光の当たる場所で使用している場合、寿命が短くなることがあるため、設置場所には注意が必要です。

また、最新機器と比較すると旧型のルーターは処理能力が劣ることが多く、現代の高速通信や複数デバイスの同時接続に対応しきれなくなる場合もあります。

通信規格についていけない

無線通信の技術は急速に進化を続けており、新しい通信規格が定期的に導入されています。この技術革新は、通信速度や接続の安定性を向上させるだけでなく、多くのデバイスを同時に効率よく接続するための仕組みを提供します。しかし、古い通信規格に対応した無線LANルーターは、最新のデバイスやサービスとの互換性が徐々に失われる可能性があります。

例えば、現在普及しているWi-Fi 6(802.11ax)は、高速通信と低遅延を実現し、多数のデバイスが同時に接続しても性能を維持できるよう設計されています。しかし、Wi-Fi 4(802.11n)やWi-Fi 5(802.11ac)などの古い規格のルーターでは、こうした機能を活用することができません。その結果、最新のスマートフォンやパソコン、IoT機器などを使用する際に通信速度が制限される、あるいは一部の機能が利用できないといった問題が生じることがあります。

さらに、通信規格の進化は約2〜6年ごとに起こるとされ、これに伴い古い規格のサポートが段階的に終了する場合もあります。特に、メーカーがファームウェアの更新を停止すると、規格面での問題だけでなく、セキュリティ面でも脆弱性が残る可能性が高まります。そのため、新しい通信規格に対応したルーターへの切り替えを検討することが重要です。

セキュリティの維持が困難

無線LANルーターのセキュリティは、時代とともに進化するサイバー脅威への対応が求められるため、継続的な更新が必要です。特に、古いルーターでは使用されている暗号化方式が時代遅れになり、新たな攻撃手法に対して脆弱性を露呈するリスクがあります。

例えば、以前主流だったWEP(Wired Equivalent Privacy)は、現在では非常に簡単に解読されてしまうため推奨されていません。現在の主流であるWPA3(Wi-Fi Protected Access 3)は、より強力な暗号化技術を採用しており、高度なセキュリティを提供しますが、古いルーターではこの規格に対応していないことが多いです。このような場合、悪意のある第三者による不正アクセスやデータ漏洩のリスクが高まります。

また、メーカーが古いルーターのファームウェア更新を停止することで、既知の脆弱性に対処できなくなるケースも少なくありません。これにより、ネットワーク全体がサイバー攻撃の標的となり得ます。特に、家庭内だけでなくリモートワークやIoTデバイスが普及した現代では、セキュリティの低下が重大な影響を及ぼす可能性があります。

安全なネットワーク環境を維持するためには、最新のセキュリティ技術に対応したルーターへの更新が欠かせません。一般的には、2〜5年ごとに新しいモデルへ買い替えることが推奨されますが、その際には暗号化方式やファームウェアの更新状況を確認することが重要です。

【関連記事:【Wi-Fiセキュリティの基本】暗号化・認証方式と対策のポイント

無線LANルーターの劣化症状と買い替え時の判断基準

無線LANルーターは長年使っていると劣化が進み、パフォーマンスが低下します。ここでは、無線LANの劣化サインとして現れる具体的な症状を見ていきましょう。また、ルーターの寿命をチェックする方法と、買い替え時期の判断基準についても解説します。

無線LANルーターの劣化による具体的な症状

無線LANルーターの劣化は、いくつかの具体的な症状として現れます。まず、通信速度の低下が挙げられます。ただし、この問題はルーターの劣化以外にも、通信プロバイダーの回線速度や接続されているデバイスの数が影響する場合があります。新しいルーターに比べ、速度低下が顕著であると感じた場合は、ルーターの状態を確認することをおすすめします。

また、接続が不安定になり、通信が突然途切れることや、再接続を求められることもよくある症状です。この問題は、経年劣化の他、周辺環境の影響(電子機器の干渉や建物内の構造)による場合もあるため、複合的な要因を確認する必要があります。

さらに、ルーターの電源が入らない、または設定画面にアクセスできないといった症状は、ハードウェアの故障やファームウェアの問題が原因であることが多いです。このような兆候が見られた場合、劣化が進行している可能性が高いため、適切な対応が求められます。

無線LANルーターの劣化をチェックする方法

無線LANルーターの劣化や故障を診断するには、いくつかのポイントを確認することが有効です。

まず、ルーターの管理画面にアクセスし、設定情報や動作状況を確認しましょう。一部のルーターでは、通信速度やエラー率といった数値的な指標を確認できる場合があります。

次に、他の機器との接続を切り替えて、問題の切り分けを行います。例えば、問題がルーター単体に起因しているのか、特定のデバイスやケーブルとの組み合わせで発生しているのかを調べることで、原因を特定しやすくなります。この際、接続するデバイスを可能な限り減らしてテストを行うと、トラブルシューティングがスムーズに進みます。

さらに、ルーター本体のLEDランプの点滅パターンも確認しましょう。多くのルーターでは、異常が発生した場合に特定のパターンで点滅することでエラー内容を通知します。ただし、この点滅パターンの意味はメーカーやモデルごとに異なるため、取扱説明書やメーカーの公式サポートを参照する必要があります。

無線LANルーターの買い替え時期の判断基準

  • 通信が途切れる
  • 電源が入らない
  • 設定画面にアクセスできない

これらの症状が出た場合は、ルーターの寿命が近い兆候といえます。症状が頻発する場合、修理よりも買い替えを検討するほうがコストパフォーマンスが高いかもしれません。

ルーターの寿命や性能は、家庭やオフィスのネットワーク環境に直結します。快適かつ安全な環境を保つために、これらの基準をもとに適切なタイミングでの買い替えを検討してください。

無線LANルーターを長持ちさせるためのメンテナンス方法

無線LANの劣化を防ぎ、安定した通信環境を維持するには、適切なメンテナンスが欠かせません。ここでは、無線LANルーターを長持ちさせるための具体的な方法として、定期的な再起動とソフトウェアの更新、最適な設置場所と周辺環境の選択、そしてメンテナンスの手順と注意点について解説します。

無線LANルーターの再起動とソフトウェアの更新

無線LANルーターの安定した動作を保つためには、定期的な再起動とファームウェアの更新が重要です。再起動は、一時的に蓄積されたキャッシュや処理データをリセットし、メモリを解放する効果があります。これにより、一時的な通信の不安定さや速度低下を防ぎます。ただし、再起動はハードウェアの劣化や恒常的な問題を解決するものではないため、異常が続く場合は別の対応が必要です。

ファームウェアの更新は、セキュリティを強化し、不正アクセスやデータ漏洩を防ぐために不可欠です。さらに、最新の更新には不具合の修正や新機能の追加が含まれる場合もあります。更新を行う際は、手順に従い、途中で電源を切らないように注意しましょう。特に、古いルーターではメーカーのサポートが終了している場合があるため、更新が提供されていない場合は新しいモデルへの買い替えを検討するとよいでしょう。

無線LANルーターの最適な設置場所と周辺環境

ルーターの設置場所を工夫することで、通信環境を最適化できます。理想的には、部屋の中央や遮蔽物が少ない高い場所に設置すると電波が効率的に届きます。ただし、複数階の建物では、全てのフロアに電波が届くよう、設置場所を調整する必要があります。

電子レンジやBluetooth機器など、同じ周波数帯を使用する機器との距離を取ることで電波干渉を防ぎます。特に2.4GHz帯を使用する場合は注意が必要ですが、5GHz帯では干渉が少ない反面、障害物に弱いため設置場所に配慮が必要です。水槽や花瓶といった水分を含むもの、土壁の近くも電波を吸収しやすいため避けましょう。

無線LANルーターのメンテナンス手順と注意点

無線LANルーターを長く快適に使用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。振り返りを含めて、以下の基本的な手順を整理・紹介します。

・再起動
定期的に電源を切り、数分後に再起動することでメモリをリフレッシュし、一時的な不具合を軽減できます。

・ファームウェアの更新
メーカーが提供する最新のファームウェアを適用することで、セキュリティの強化や不具合修正が可能です。更新中は手順に従い、途中で電源を切らないように注意しましょう。

・設置場所の確認
電波干渉を防ぎ、通信効率を高めるために適切な設置場所を選びます。特に、周辺環境に応じてルーターを移動することで効果的な改善が期待できます。

光回線とWi-Fi環境の一括整備はイッツコム!

無線LANルーターが劣化すると、接続不良やセキュリティリスクなどの問題が発生しやすくなります。快適で安全なWi-Fi環境を維持するためには、ルーターの状態を定期的にチェックし、必要に応じて買い替えや設定変更を行うことが重要です。

また、Wi-Fi環境の土台となる回線を見直すことで、ネットワーク全体の安定性や効率性を向上させることができます。ネットワークを一元管理できる仕組みを整えれば、トラブル時にも迅速に対応でき、業務の円滑化につながります。

Wi-Fiの土台となる高速光回線なら「イッツコム光接続サービス」

「イッツコム光接続サービス」は、光回線とプロバイダを一体化した法人向けの光回線サービスです。一般的な光回線の通信速度が下り最大1Gbpsであるのに対し、イッツコム光接続サービスでは下り最大2Gbps、上り最大1Gbpsの高速通信が可能です。

さらに、最新のインターネット接続方式「IPv6 IPoE」に対応しており、夜間や休日でも安定した接続が期待できます。料金が光回線とプロバイダで一本化されているため、ランニングコストを抑えられるのも大きなメリットです。

サポート窓口を一本化しているため、トラブルが発生した際の対応もスムーズです。また、導入時にWi-Fiルーター機能付きのONUを貸与するため、Wi-Fi環境の構築が簡単に行えます。

快適なWi-Fi環境を整備するなら「かんたんWi-Fi」

イッツコム光接続サービスではWi-Fiルーター機能搭載のONUが利用できますが、大規模なオフィスや店舗では通信エリアや同時接続台数が限られることがあります。その場合におすすめなのが、Wi-Fiアクセスポイント(AP)を簡単に増設できる「かんたんWi-Fi」です。

かんたんWi-Fiは、届いたアクセスポイントに電源ケーブルとLANケーブルを接続するだけで簡単に利用開始できます。また、ゲストWi-Fi機能を活用することで、来客用のフリーWi-Fiと業務用Wi-Fiを分離でき、セキュリティの向上も図れます。

さらに、「ハイエンド6」プランでは最新規格の「Wi-Fi6」に対応しており、高速で安定した接続が可能です。1アクセスポイントあたり最大100台まで同時接続できるため、大規模な環境にも対応可能です。365日対応の遠隔サポートも付いているため、トラブル時も安心して利用できます。

イッツコムなら、光回線からWi-Fi環境整備まで一括でサポートします。快適で効率的なネットワーク環境を実現しましょう。

まとめ

無線LANルーターは、一般的に使用開始から4~5年ほどで性能が低下しやすくなり、ハードウェアの劣化や通信規格の進化、セキュリティの課題が買い替えの大きな要因となります。通信速度が遅くなったり接続が不安定になったりといった症状が頻発する場合には、新しいルーターへの移行を検討することが重要です。

安定したネットワーク環境を実現するには、ルーターだけでなく回線そのものを見直すことも効果的です。適切な回線と一元管理が可能な仕組みを導入することで、ネットワークの信頼性が向上し、トラブル発生時にも迅速な対応が可能になるでしょう。

イッツコムはIPv6 IPoE対応の高コスパな法人向け独自回線の他、専用回線なども提供しています。無線LAN環境の劣化やトラブルでお悩みなら、ネットワーク環境を一括で整備・サポートできるイッツコムにご相談ください。