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インバウンド広告とは?メリットや活用方法をわかりやすく解説

新型コロナウイルス感染拡大の影響で一時落ち込んだインバウンド需要ですが、ここ最近は再び訪日外国人の数が増え、2024年の訪日外国人の累計数はコロナ前(2019年/3,188万2,049人)を大きく上回る3,687万148人に上っています。ただし、需要が伸びている一方、市場の競争も激化しているため、インバウンド広告を上手に活用して集客することが重要なポイントです。

そこでこの記事では、インバウンド広告の基礎知識と主な種類、活用するメリットと具体的な活用法について解説します。

参考:日本政府観光局『国籍/月別 訪日外客数(2003年~2025年)』

インバウンド広告とは?

インバウンド広告とは、訪日外国人旅行客・観光客をターゲットにした広告のことです。訪日外国人観光客と、日本人観光客では旅行やレジャーに求める要素が異なるため、インバウンド需要を獲得したいのなら国内向けの広告とは別に、インバウンド広告を制作・配信する必要があります。

ここではインバウンド広告の主な目的とターゲットについて説明します。

インバウンド広告の目的

インバウンド広告の主な目的は、訪日外国人観光客に対して地元の観光地や特産品、アクティビティなどをアピールし、集客や販促につなげることです。

観光庁がまとめたインバウンド消費動向調査の結果(2024年)によると、訪日外国人は日本食や、自然・景勝地の観光、ショッピング、日本の歴史・伝統文化体験など、さまざまな体験を期待して訪日しています。SNSや動画サイト、個人のブログ、各団体・施設のWebサイトなど、多種多様な情報源を活用して旅行計画を練る訪日外国人も多いようです。

魅力的かつ効果的なインバウンド広告を打ち出せば、より多くの訪日外国人を集客でき、売上や業績、認知度の向上を期待できるでしょう。

参考:国土交通省 観光庁『訪日外国人の消費動向 インバウンド消費動向調査結果及び分析 2024 年 年次報告書』

インバウンド広告のターゲット

インバウンド広告のターゲットになるのは、訪日を検討している外国人や、初めて日本を訪れる外国人だけではありません。既に日本に滞在している外国人や、これまで何度も日本を訪れている外国人もターゲットに含まれます。

日本に対する知識や経験はターゲットによって異なるものの、「おいしい日本食を食べたい」「日本の歴史や風土を感じられる場所を訪れたい」といった思いは共通しています。従って、日本に興味・関心を寄せている外国人全てがターゲットであると考えて良いでしょう。

インバウンド広告の5つの種類

インバウンド広告は、掲載する媒体やシーンによって大きく5つの種類に分類されます。それぞれ特徴やメリットに違いがあるため、自社に適したインバウンド広告はどれか、じっくり比較検討しましょう。

ここではインバウンド広告の主な種類と特徴をまとめました。

Web広告

Web広告とは、WebサイトやSNSなどインターネット上に掲載される広告の総称です。具体的には、ユーザーが検索したキーワードに合わせて表示されるリスティング広告や、Webサイトの広告枠に掲載されるディスプレイネットワーク広告などが挙げられます。

テレビや新聞などに掲載される不特定対数向けのマス広告と比べると、Web広告は細かなターゲティングを行えるため、ターゲット層にピンポイントでアピールできるメリットがあります。なお、後述するSNS広告もWeb広告の一種です。

SNS広告

SNS広告とは、Instagram・YouTube・TikTok・X(旧Twitter)などを利用した広告のことです。SNS広告は、ユーザーが各々のSNSアカウントを作成する際に登録した年齢や性別、仕事、趣味などの個人情報や、SNS上の行動(いいね・リポスト・画面や動画表示など)を分析し、導き出したターゲット層のタイムライン上に掲載される仕組みになっています。従って、高精度のターゲティングを実現できるのがSNS広告のメリットです。

なお、前述したインバウンド消費動向調査の結果では、「出発前に役に立った旅行情報源」について「SNS」と回答した人は38.9%とトップにランクインしており、SNSを使ったインバウンド効果には一定の効果を期待できるでしょう。

参考:国土交通省 観光庁『訪日外国人の消費動向 インバウンド消費動向調査結果及び分析 2024 年 年次報告書』

動画広告

動画広告とは、映像を用いた広告のことです。WebサイトやSNSといったインターネット上で流す映像広告の他、デジタルサイネージで流す広告用の映像も該当します。

動画広告はダイナミックな映像や音声を使用するため、テキストや静止画像のみの広告と比べるとインパクトが強く、景観やアクティビティの魅力を伝えやすいところが特徴です。また、テキストや静止画像を用いたアナログ広告(ポスターなど)は面積が小さく、掲載できる情報に限りがありますが、動画広告は映像を切り替えることで多種多様な情報を配信できます。

イベント・展示会

イベント・展示会は、映像やテキストで情報を得るだけでなく、実際に日本の文化や特産品などに触れることができる体験型の広告です。具体的には、土地の特産品の試食会や、日本の工芸品の手作り体験などが該当します。

イベント・展示会は他の広告に比べるとやや大がかりになるため、手間やコストもかさみます。反面、訪日外国人に対するアピール効果は高く、その土地のファンやリピーターづくりに役立つでしょう。

ただし、訪日を予定している外国人向けにアプローチするためには、ターゲットの国に拠点を置く団体や組織と連携してイベント・展示会を開催する必要があります。

オフライン広告

オフライン広告とは、インターネットを使用しない広告の総称です。例としては、ポスターやチラシ、パンフレット、フリーペーパー、新聞、公共交通機関の吊り広告、オフライン型のデジタルサイネージなどが挙げられます。

オフライン広告のターゲットは、基本的に、既に一定の購買意欲や訪問意欲を持つ訪日外国人です。そのため、オフライン広告は訴求効果が高く、直接商品の購入やサービスの利用につながりやすいといわれています。外国人向けの多言語対応を進めることで、オフライン広告の効果をより高められるでしょう。

インバウンド広告を活用するメリット

インバウンド広告を活用すると、商品・サービスの認知度向上や拡散効果などさまざまなメリットを期待できます。

ここではインバウンド効果で得られるメリットを5つご紹介します。

商品やサービスの認知度を高められる

インバウンド広告を行うと、訪日を予定している、あるいは既に訪日している外国人に対し、自社の商品・サービスの認知を広めることができます。

前述の通り、外国人は日本滞在中の食事やアクティビティなどさまざまな体験を求めており、入念に下調べしています。そのため、インバウンド広告で自社の商品・サービスを広くアピールすれば、訪日前あるいは後に商品・サービスを知った外国人が店舗を訪れるきっかけになる可能性が高くなるでしょう。特にSNSなどで情報を発信すると、閲覧した人が情報を拡散してくれる場合があり、よりスムーズな認知度アップを期待できます。

マーケティング戦略の立案につながる

インバウンド広告を実施すると、広告に対する反応(クリック率や他チャネルからの流入率など)をデータとして収集できます。

収集したデータを分析すれば、どの広告が功を奏したのか、どのターゲット層からの反響が高かったのか、などの情報を得ることができ、今後のマーケティング戦略の立案につながります。データの収集・分析・広告の改善を一つのサイクルとして回せば、回数を重ねるごとに、より効果的なアプローチを行えるようになるでしょう。

潜在顧客にアプローチできる

インバウンド広告は、まだ自社の商品やサービスのことを知らない全世界の潜在顧客に対してアプローチできるところが利点です。例えば、ターゲット層に該当するユーザーのSNSのタイムライン上に広告を流したり、自社の商品・サービスに関連するキーワードを検索した際に広告を表示したりすれば、ユーザーは「自分に関連のある商品・サービス」として自然に認知するようになります。

また、企業から一方的に送られてくるはがきやDMなどに比べると、「自発的に得た情報」として認識されやすく、受け入れてもらいやすいメリットもあります。

地域経済活性化を図れる

地元の特産品を使ったメニューを提供していることや、その土地ならではの観光スポットが周辺にあることなどをインバウンド広告でアピールすれば、外国人の訪日意欲を高めたり、訪日外国人を店舗に集客したりするきっかけになります。訪日外国人が地元で何らかの消費活動を行えば、地域経済の活性化につながるでしょう。

日本は少子高齢化により、国内からの観光客が今後減少することが予想されます。そのため、特に地方の観光地にとってはインバウンド広告で地域経済活性を図ることが非常に重要なポイントとなります。

拡散効果を期待できる

SNSや口コミサイトなどに掲載された情報は、インターネットを通じて広く拡散される傾向にあります。拡散された情報が好意的なものであれば、訪日を予定している外国人や訪日に興味を寄せている外国人が関心を持ち、集客効果を高めることができます。特にSNSは情報の拡散力が高く、他の広告ではリーチできなかったターゲット層にも自社の商品・サービスの魅力を伝えられるところが利点です。

ただし、「共有したい」「みんなに知ってもらいたい」とユーザーが思わなければ、情報の拡散につながりません。そのため、インバウンド広告を活用する際は、魅力的な情報・コンテンツの配信を心掛ける必要があります。

インバウンド広告の活用方法

インバウンド広告の活用方法は、大きく分けると観光地への集客と、商品・イベント情報の提供の2つに分かれます。シーンや目的に応じて使い分ければ、より効率的にインバウンド需要を高めることが可能です。

ここではインバウンド広告の活用方法について詳しく説明します。

観光地への集客

インバウンド広告で観光スポットやグルメスポットなどの情報を配信すれば、訪日外国人の興味・関心を引きつけることができます。

日本には観光スポットが複数ありますが、知名度はそれぞれ異なります。積極的に情報を発信しないと、世界的に知られる有名スポットに訪日外国人が集中しがちです。インバウンド広告を上手に活用すれば、訪日外国人に対して新たな観光スポットやグルメスポットの情報を提供できるため、地方への観光も誘致しやすくなります。

商品・イベント情報の提供

インバウンド広告はテキスト、映像、音声などさまざまなスタイルで情報を発信することで、外国人に対して商品やイベントの情報をより詳細に伝えられます。地元の特産品やおみやげに関する情報、期間中に開催されるイベント、催事などの情報などを発信すれば、外国人観光客の購買意欲や観光意欲が高まり、インバウンド需要増を見込めます。

また、商品やイベントを実際に試してもらえば、訪日体験の満足度がアップし、リピート率の向上も狙えるでしょう。

外国人観光客への対応でお悩みならイッツコムへ!

外国人観光客に対して効果的に広告を出すためには、多言語対応のサービス環境を整えることが大切です。

イッツコムでは、外国人観光客への対応にお悩みの方向けに、AI翻訳機「ポケトーク」と「デジタルサイネージ」を提供しています。ここでは、それぞれのサービスの詳細をご紹介します。

通訳がいるかのように対話できる「ポケトーク」

ポケトークは、85の言語に対応するポケットサイズのAI翻訳機です。ポケトークに向かって話しかければ、あらかじめ選択した言語に翻訳した音声データが再生されるため、「相手が何を言っているのかわからない」「相手に伝えたいことをうまく外国語で伝えられない」などの場面で便利です。

よく使うフレーズは事前に登録しておけば、いつでも表示できます。また、翻訳した会話をログに残せるため、接客時はもちろん、従業員の教育などにも役立つでしょう。

効果的な広告を発信できる「デジタルサイネージ」

デジタルサイネージとは、専用のディスプレイにテキストや画像、映像などを流せるデジタル媒体のことです。ポスターやチラシなどに比べると、ダイナミックな映像で人目を引ける、より多くの情報を動画として流せるなどのメリットがあるため、さまざまなシーンで広告媒体として活用されています。例えば、小型のデジタルサイネージを陳列棚に設置して商品の詳細な説明を掲示する、空港に大型サイネージを設置して訪日外国人向けに観光スポット案内を提供するなどです。

イッツコムのデジタルサイネージは多言語に対応しています。商品・サービスの情報やよくある質問の回答などをディスプレイに表示させれば、訪日外国人に対して効果的にアピールできるのはもちろん、接客の手間の省略にもつながるでしょう。

まとめ

インバウンド広告は、訪日を予定している外国人や、既に訪日している外国人を集客したり、商品・サービスの認知度を高めたりするのに有効な手段です。インバウンド広告にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なるため、ターゲット層や目的に応じて適切な方法を選択しましょう。

なお、インバウンド広告が成功すれば多くの訪日外国人が訪れるため、スムーズな接客・対応ができるような環境を整えておくことが大切です。

イッツコムでは、85の言語に対応しているAI翻訳機「ポケトーク」や、多言語対応の「デジタルサイネージ」など、訪日外国人の接客に役立つサービスを複数展開しています。インバウンド需要アップを目指している方や、訪日外国人の接客にお悩みの方は、ぜひニーズに合ったサービスのご利用をご検討ください。