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防災インタビューVol.11

環境と防災を考える建築

放送月:2005年9月
公開月:2007年6月

柴田 いづみ 氏

滋賀県立大学環境学部教授

目白のまちづくり ~目白駅周辺地区整備推進協議会~

私の自宅のある目白は、大変に市民の力が強いところです。平成元年に駅や、駅前の通りを作るために、目白駅周辺地区整備推進協議会というものが作られました。もともとは、行政がつくった、お役所の協議会なのですが、これを承認してくださいという立場の協議会ではなくて、むしろ、市民がこれをして欲しいという協議会に変わって行きました。ですから駅が出来上がって、広場ができる頃には、いろいろな提案が市民から湧き出してきて、市民が主導して、行政がもちろん経済的にもサポートして計画の中に取り込んでいってくれるという、そういう活動がどんどん動いてきました。

まず、駅前広場について考えました。普通だと行政やJRがその広場をぱっと作ってしまっておしまいになるわけですが、「ここに木を植えてください」「こういうトイレにしてください」というような細かい配置計画にいたるまで、市民が作りました。駅が出来上がったときに、鉄道会社も豊島区も東京都も、オープニングイベントをしてくれなかったので、資金繰りまで全部自分たちでしまして、事業者の方たちはお客さまとしてお呼びして、オープニングイベントをしました。目白は学校が大変多いところですので、それぞれの学校に声をかけて、1つの学校が、15分くらいの出し物をしてくださると、もうあっという間に2時間くらいのイベントができてしまいました。学校だけではなくて、地元でもかっぽれや、太鼓、お神輿などの時期はずれのお祭りをしてくださって、そのフェスティバルが、その後、毎年毎年続いていっています。ついこの間は、目白には有名なボクシングジムがあり、そのボクシングジムの人たちが、駅前でパフォーマンスをしてくださいました。前代未聞だったそうですが、これは受けましたね。

私たちは目白まちづくり倶楽部という一団体で、協議会に提案するワークショップ、ワーキンググループとして動いています。ですから、駅前広場も、我々専門家ですから、その模型をつくったりとか、それからフェスティバルになると、今度はタイムキーパーをしてあげたりとか、舞台はどうしたらいいかとか、そういうことまでもやっているんです。それは、私は専門家としてのボランティアというのが、非常にこれから大事になってくると思っています。私は建築家ですから、建築関係の事を、経済の専門家は街で経済理論をやってくださればいいわけですし、そういう1つ1つの専門家としての人たちが、ボランティアとして街に関わりあってくることが大事なのではないかと思っています。

私たちのまちづくりクラブと、また別の団体が立ち上がって、どんどん協議会と一緒になって事を動かしていますが、1つは今年5月から6月にかけて、「目白バ・ロック音楽祭」というのがありました。バロックではなく、バ・ロック音楽祭です。いろいろなジャンルの人たちが、4つの協会を中心にしてコンサートをしましたが、目白駅を中心とした商店街の人たちも、「天使の羽」ということをテーマにして、それぞれケーキを作ったり、カクテルをつくったり、いろいろなジャンルのお店それぞれが、天使の羽をキーワードにした商品を1つ作るということで結束しました。その他に、目白通りアートプロジェクトというのができまして、やはり古い家屋だとか、それから使われていなかった場所をもう1回活性化するとか、いくつかのイベントを立ち上げていきました。1つ協議会みたいなベースがあることによって、そこにいろいろなグループが様々な企画を持ち込んで、その持ち込まれたことを協議会はみんなでやろうよという形で支えあっているという、そういう形になっています。

「目白まちづくり協議会」と防災

まず駅ができて広場ができて、今は、歩道の拡幅、それも並木道を復活させようという、そういうところで動いていますが、そういういわばハード的なものが一段落して、自分たちの街で何を次に考えたらいいだろうかというときに、キーワードとして「防災」が上がってきました。

実際に、何か災害が起きたときに、小学校に避難所ができます。その避難所に行くまでの間が、果たして安全で、そこまで行き着けるかどうかということをテーマに、その周りを各町内ごとに調査してみました。この目白まちづくり協議会というのは、範囲としては、結構大きい協議会ですが、その範囲の中で調査いたしました。そうしましたら、調査のうわさが届いて、平成15年の内閣府の防災モデル事業に採択されました。そこで、自主調査の次の年に、「じゃあもう1回防災について、協議会でも考えてください」というお話になりました。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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