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防災インタビューVol.14

楽しく儲かる震災対策

放送月:2004年4月
公開月:2007年9月

安井 潤一郎 氏

NPO東京いのちのポータルサイト理事長、早稲田商店会長

環境の街 早稲田

早稲田は、環境の街ということでよく取り上げていただきますが、名前でおわかりのように、街のど真ん中に早稲田大学という大きな学校があります。ここを西早稲田キャンパス、本部キャンパスといいますが、ここに学生が3万人おります。そのキャンパスを取り囲むように、7つの商店会があり、ここに住んでいる人は2万2千人。ですから、うちの街は、夏の2カ月間、人口が半分になってしまいます。よく、早稲田の街の夏はさびしい、夏枯れだといわれますが、早稲田商店会の中の零細小売業に、お客さんがいなくなってしまうわけです。そこで、「人集めで何かやろうよ」というところからスタートしたのが、早稲田の活動です。ただ、私どもの街の商店会は、経済的に大変脆弱ですから、よそさまのようなサンバカーニバルだとか、よさこいだとか、お金のかかることはできないのです。何かにぎやかなことがやりたいけれど、お金はかけられない。それならば、真ん中に早稲田大学というアカデミックなものがあるので、周りの7つの商店会が手を組んで、真ん中のキャンパスを借りて、人にほめてもらえて、利口そうに見える、そんなイベントにしようということで活動をはじめました。

一番旬な言葉で、この言葉さえつければ利口そうに見えてほめてもらえるということでつけたのが、「環境」というテーマです。一度は途中で挫折したこともありましたが、周りに、声をかけると、行政、企業、団体、学校、PTA、学生が、みんなが入ってきて、実行委員会を組織することができました。環境テーマのイベントをやりながら、ごみを出したらみっともないということで、「イベントをやって街中のごみをゼロにしよう」ということを考えました。日本中の環境関連機器メーカーのごみ処理機、空き缶回収機、ペットボトル回収機などを集め、街中の皆さんにごみを持ってきていただいて、量ってみて、どのくらい再資源化できるかを実験してみました。すると、なんと9割が再資源化できるということがわかり、商店会では、「捨てればごみ、生かせば資源」を実感することができました。資源化するためには、排出時の徹底分別が必要だということが定着し、継続可能な、施策可能な循環型社会作りが出来上がりましたので、みんなからほめられました。それで現在に至っているのが「環境の街、早稲田」です。

環境から防災へ

子供絵画コンクール

このように「環境」をテーマにした街づくりを目指してきましたが、次に商店会が目指すものとして、「自分たちの街は自分たちで守ろう」ということになり、震災対策にも目を向けるようになってきました。また、防災のもうひとつのきっかけとしては、環境を切り口に、商店会の活性化、街づくりのために、エコステーションを設置して、恒常的な施設にしたら、修学旅行の学生さんたちが、それを見学しにくるようになり、修学旅行の学生を集めている早稲田商店会に興味を持った日本中のほかの商店会からも、視察が来るようになりました。視察に来た商店会の中に、阪神淡路の大震災で大変な被害を受けた、神戸の長田の商店会の方がおられ、いろいろな話をさせていただきました。

阪神淡路の大震災の時の話を聞いて、街のお年寄りたちが避難所で、周りの人に気を使って、寒い風の入るトイレが近い入り口の近くで過ごしていたり、トイレに行かなくてもいいようにと水を飲まないで亡くなったり、家族も知り合いもいない被災者住宅で、ひとりになって、「地震の時に死んでしまったほうがよかった」と自殺するお年寄りがたくさんいた事を知りました。この話を聞いて、「この街を作ってくれた、われわれの先輩の年寄りたちが、なんで、たかだか地震で死ななきゃならないんだ」ということを感じました。そこで、「この街を作ってくれた先輩たちが死なないための街づくり」をするために、商店会で震災対策をやろうということになりました。それが、早稲田の街の震災対策、防災の入り口です。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。