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防災インタビューVol.28

防災・福祉を核として地域コミュニティの再構築を

放送月:2008年3月
公開月:2008年10月

金澤 淳 氏

防災まちづくりの会・東久留米代表

「防災まちづくりの会・東久留米」の「出前講座」

東久留米市民生委員大会・出前講座

「防災まちづくりの会・東久留米」の活動内容の1番目が「出前講座」です。これは市内の自治会やマンションの管理組合に出掛けていって、「地震はなぜ起きるか」「耐震補強がなぜ大事であるか」「自主防災組織をつくることが大切」といった話をします。その自治会で自主防災組織をつくっていただきたいということが一番大きな目的ですので、全くこういうことに関心のないところには時には押し掛けていって「出前講座をやらせてください」と頼みます。

出前講座のさまざまなメニュー

出前講座のメニューというのはいろいろありますけれども、メニューの第1は防災講話です。ここでは、「NPO東京いのちのポータルサイト」が作成したパワーポイントの画面を随分利用させてもらっています。「地震はなぜ起こるか」「大地震の発生の確率」「耐震補強はなぜ大事か」「家具の固定が大切」とか、そんなお話をパワーポイントを使いながらやります。その講話の後半部分は、地元で、もし震度6強、あるいは6弱がきたらどのくらい被害が出るか、そのときの備蓄はどうなっているか、避難所はどうなっているか、それから医療施設はどうなっているか、そういったことをお話しします。そうすると、自分の地域で実際どうなんだということが住民の皆さんによく分かっていただけるので、ここの部分は皆さん熱心に聴いていただけます。実際に逃げるときに自分の避難所の体育館は耐震補強がされているのかどうかが気になってきます。しかし実は東久留米市の場合、耐震補強された体育館は2つしかないのです。それでは皆さんどうなさいますか、というところで、住民は自分の身は自分で守らなければいけないということに気付くわけです。これが主な趣旨です。

ほかのメニューとしては、「実演」というのがございます。その一番大きいものは、「あかりづくり」です。これは市民防災研究所理事の池上さんから習いまして、今はわれわれが先生になってあちこちで教えています。このあかりは、ジャムの空き瓶などに約1センチの天ぷら油の残り油をためて、それにティッシュペーパーをこよりにしたものをアルミホイルでつるして、ちょうど仏様の灯明の感じであかりをつくるもので、これで約10時間もちます。3日間ぐらい停電しますから、これを各部屋に置いておくと、安心感がものすごく違うわけです。これは工作と一緒ですから、皆さん非常に熱心にやっていただけます。

二小防災訓練・出前講座

それから、その次のメニューは「ガラス飛散防止フィルム貼り」です。このフィルムはDo It Yourselfの店で最近はいろいろ売っていますけれども、意外に貼り方が難しくて、どうしても空気が入りやすく、貼り方にはノウハウがあります。これを私どもが出前講座に出掛けていってやっています。ガラス飛散防止フィルムを貼ったガラスの上に大きな石をドンと投げ落とす実験もします。ものすごく大きな音がしますが、見事に破片が散らないわけです。皆さんそれに感心して、一生懸命実験に参加していただいています。そして家に帰って、自分の家のフィルム貼りをやっていただくわけです。

その次のメニューが「耐震補強と家具固定」です。耐震補強は主にパワーポイントでお教えするわけですが、家具固定のほうは実物を持って行きます。われわれの中に大工仕事にたけたメンバーがいまして、この人がいろいろなモデルを作ります。それを持ち込み、実際に皆さんに手で触っていただきながら感じて、家に帰ったらこれまた一生懸命やっていただく。そういう方法をとっております。

その次は「防災マップ作り」です。防災マップ作りというのは、自分の家から避難所にどうやって逃げていくか、その途中にどんな危険があるかということを、市民の皆さんと一緒に避難所まで実際に行って確認します。「ここはブロック塀があるから大変だ」「ここの曲がり角は電信柱が立っていて、消防自動車が入ってこれないよ」とか、「ここの踏切を渡らなければいけないのに、両側の家が崩れそうだね。これ崩れたらどうやって避難所まで行くんだろう」とか、そんなことを皆、勉強しながら避難所へ行く、そういうメニューです。そしてその結果をマップに全部落としてもらいます。これは富士常葉大学の小村先生から教えていただきました。

あとは「避難所の見学」です。学校の講堂には普段なかなか入るチャンスがありません。
そして、最後のメニューは「自主防災組織のつくり方」です。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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