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防災インタビューVol.47

地域防災から考える大規模災害への備え

放送月:2009年12月
公開月:2010年5月

宮崎 泰雄 氏

横浜市青葉区嶮山自治会長・すすき野連合自治会副会長・社協会長

大規模災害時の学校の利用について

大規模災害が発生したときには、学校という施設は、ただ単に避難する場所というふうに皆さん思われています。しかし学校の施設は、拠点防災用の施設と、もう1つは仮設住宅とまでは言えませんが、家が壊れたりしたときには泊まる施設となります。そうなったときに、例えば食事の炊き出しなど、地域の方たちが活動ができるようにはなっています。しかし「実際はどうなのかな」と、訓練をすればするほど感じるところがあります。

まず阪神のときもそうでしたし、ほかのところでも、災害があった後、トイレなどに大きな問題がありましたので、ここでもそういう問題があるだろうと考えています。今現在、横浜市の非常用トイレは汲み取り式、もしくは汚水槽に溜めている状態ですが、そういう状態であると非常に不衛生です。例えばこの地域では、1つの学校拠点で約3000人から4000人分のトイレの始末や、食事の問題、いろいろなことに対応しなければならなくなります。これは、よほどきちんと考えていかないと、うまくいかなくなると思います。

学校には水洗トイレがありますし、プールもあります。プールの水をうまく水洗用で使うことができれば、水洗トイレはもしかすると被災時にも使えるのではないかと思います。また学校の給食室にプロパンガスを置いておいて、非常時にプロパンガスに切り替えることができれば、給食施設は使えることになり、そうなるともっと大勢の方たちが楽にいろいろな形で使うことができます。また学校には毛布が置いてありますが、たいした数ではありません。大規模災害は、いつ発生するか分かりませんが、それに備えて、学校の施設をうまく使う方法を今から考えることができるといいと考えています。

特に食事については、横浜市では、地域でそれぞれが自分のお米を供出してご飯を炊いて、皆さんに配る、こういう姿を想定しています。乾パンやパックに入った食料は3000食程度しか置いてありませんので、地域の全体分とすると1食分もないことになります。そうなるということは、設備があってもそれだけでは駄目で、食料庫にお米や乾物の備蓄をすることも地域で考えていくことができれば、もう少し安全側に動けるのかな、といつも活動を進めながら感じているところです。

地域の安否情報

この地域では、住民や子どもたちが多摩川を越えて東京の方に行ったり、鶴見川を越えて横浜の方に行っている状況ですし、共働きでご夫婦とも多摩川、鶴見川を渡っているケースも結構あります。大規模災害が発生すると、子どもや年寄りがこの地域に残っていますが、活動できる方たちというのは一握りの人しか残っていません。これが青葉区の大きな特徴ではないかと、いつも感じています。実際に大災害が起こったときには、東京、横浜などの出先で被災する方がたくさん出るという状況です。離れ離れになってしまった家族に、ここの状況はなかなか伝わらないと思います。

この状況に対処するために私たちは「学校から地域情報を発信していただけないか」といろいろ相談してきましたが、まずは地域が主体になって活動しないと進まないという状況であることが分かりました。この地域情報をどういうふうに発信しようかということを考えたときに、NTT、NTTドコモなどの携帯会社、イッツコムなどが、安否情報の連携体系をとっていただいてはいますが、実際に地域に対して情報がうまくタイムリーに伝わるか、ということについては、発災してどういう活用ができたかという、最終の検証でしか分かりません。私たち地域としては、そういう準備を今からしておかなければいけないと考えています。

ですから、まず最初に、学校から安否情報を出せるような状態をつくっていきたいと思います。そうすれば、子どもを学校に置いている親も子どもの安否を確認することもできますし、伴せて、子どもを留め置いている学校側も親が引き取りに来られるかどうかが確認できれば、状況を把握することができます。こういうシステムをうまくつくり上げたいと思っています。イッツコムにもお手伝いいただきながら、防災フェアの初回、2回目とやってきましたが、実を言うと企業的な安否情報をそのまま流用していたために、なかなか地域とマッチングせず、非常に厳しい状態になっています。今回の3回目では、実は、ある企業が開発を申し出てくれましたので、そちらの方々ともう一度開発について対応していこうと、地域では考えています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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