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防災インタビューVol.60

危機管理のために ~準備・対策を継続することの重要性を学ぶ~

放送月:2011年2月
公開月:2011年6月

鍵屋 一 氏

NPO法人東京いのちのポータルサイト 副理事長

プロフィール

私は、サロン・ド・防災が始まった8年前に一度こちらに出演させてもらいまして、今回が2回目になります。今、東京23区のうちの一つ、板橋区役所で職員をしています。区民文化部というところで、地域の皆さんと一緒にイベントをしたり施設の管理をしたりしていますが、以前にこの番組に出させていただいたころには防災課長をしていました。その後、福祉事務所の所長、契約と財産管理の仕事など、いろいろと畑違いの仕事をしてきましたが、実は全て危機管理という意味では同じです。

基本的に皆、無事でいるときは防災もあまり関係ありませんし、健康なうちは福祉の世界もあまり関係ありません。大きな家を買うとか土地を買うときでなければ、契約や財産管理の話もあまり関係ないわけです。ところが、そういう大きなイベントがあるときには、こういう仕事が非常に重要になってきますが、あるかないか分からない先のことを考えて今から備えておくということは、なかなかできません。「そういうことをちょっと考えておけばよかったのに」という例を、防災でも福祉でも契約の世界でも本当に多く見てきました。

事前から備えておくという、この危機管理の考え方は、簡単に言えば良い人生を送るためにとても大事な道具であり、考え方ですので、今回は危機管理の考え方についてお話をさせていただければと思います。

危機管理とは

「危機管理は非常時に役立つ」と言いますが、危機管理は普通のときにも幾つか役立つことがあります。大概、仕事にはアクシデントが付きものです。お客さんが遅れて来たり、うまく入っているはずなのに電源が入っていなくて放送がとれなかったとか、ラジオにもいろいろなことがあるかと思います。あるいは部下を持っている方であれば、部下が失敗することもあります。仕事の多くというのは、実はそういう失敗をしたときにどうカバーするのか、ミスがあったときにどうそれを消して元の状態に戻すか、という部分もかなりあるのです。

例えば宇宙飛行士は、ものすごく厳しい訓練をします。その訓練の9割以上は、例えば電気系統が故障したらどうなるのか、万一そこの穴が漏れたらどうなるのかというような通常通りにいかなかった場合のダメージをどうコントロールするか、そこに割かれているのです。

私たちの日々の仕事でも、なかなかマニュアル通りにはいかないことの連続です。一人一人の人生も、考えてみれば病気や事故、家族関係、親の介護や友人関係、近所の付き合い、金銭問題などいろいろなことがあります。そういうことに対して、きちんと備えていかれるということが大事なのではないでしょうか。

継続することの大切さ

仕事や人生の問題で、危機管理が常に必要だという話をしましたが、これは別に特殊な話ではなくて、私たちが日常やっていることでもありますので、危機管理の専門知識というのは特になくても何とかやっている、というのが実情です。

ここでもう一つ大事なことは、何とか危機管理をしているけれども、それをきちんと継続してやり続けられるかどうか、ということなのです。思い出していただけると分かりやすいですが、昨年、新型インフルエンザが大問題になりました。あの時に手洗い消毒、マスクの準備、くしゃみをしたり咳をしたりするときに他の人にかからないようにするということを徹底的に何度も言われましたが、現在も同じように新型インフルエンザははやっているにも関わらず、今年はマスクをしている人は少ないです。まあ、こんなものかと甘く見ているということですが、これは新型インフルエンザだけではなく、これまでの災害などでも同じことです。いつ何が起こっても対応できるように継続して準備をしておくことが、実際には非常に大切です。

例えば、古来ヨーロッパでは民族間同士で常に戦争をやっていました。それで王様は寝るときに真横になってベッドには寝ないで、すぐ起き上がれるような小さなベッドに寝ていました。いつ襲われても危機に対応できるように王様は暮らしており、決してのんびりしているわけではなかったのです。しかし日本では、そういうことが非常に少なかったので、大災害が起こるたびに「これは天の災いだ」「運命には逆らえない」というふうに諦めることが結構多く、科学的に災害を封じ込めるためにはどうしたらいいか、こういう目に遭わないためには何の準備をすればいいかということは、あまりやってこなかったのです。それで、そのままにしておくと、また災害がやってくるわけで「災害は忘れたころにやってくる」という寺田寅彦さんの名言が今も非常に当てはまっているのが実情のようです。

平和な政治は継続から

今、日本では非常に困ったことに、政治がちょっと不安定になっています。かつて、ローマ帝国という非常に栄えた帝国がありました。大体400年から、数え方によっては800年ぐらいヨーロッパを平和の状態に置いたと言われています。このローマ帝国が一番平和だったのは2世紀の時代ですが、その時は王様が5人しかいませんでした。1人平均20年治めており、政治が非常に安定して、ローマ時代はとても平和でした。これを五賢帝の時代と言います。ところがその後、王様がどんどん代わって、平均2年から4年しかいないようになりました。そうなると至る所に内乱が起き、他所から民族が侵略してきて、国を上手に治めることが難しくなりました。「次は俺の番だ」と思う人が、前の人、今の人を攻めるということが続き、国はだんだん弱くなっていきました。今の日本を見ていると、その意味でもちょっと心配なところがあるような気もします。この6年間で5人首相が代わっていますが、こういう状態は実は危機管理上からはあまり好ましい状態ではありません。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。