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防災インタビューVol.75

マンション生活における防災対策について

放送月:2012年4月
公開月:2012年7月

飯田 太郎 氏

TALO都市企画代表取締役

住民同士の助け合い

災害に備えて日ごろの準備として、いろいろな物資を備蓄しておくことや、壊れやすい所を補修していくということもありますが、それよりも一番大事なのは、住民の方たちがパニックにならずに、落ち着いて行動できるように備えておくということだと思います。ですから防災訓練をする場合にも、どうしたらパニックにならずに行動できるかを考える必要があります。例えば地震が起きたときに、まず自分の身の安全を確保し、揺れが収まったら「ご近所は一体どうなっているだろうか」ということを見て回るのも大切です。例えば一人暮らしのお年寄りがいるようでしたら訪ねて「大丈夫ですか」と声を掛けてあげる。返事がなければ、もしかしたら中で大変なことが起きているかもしれないのでバルコニーに回り、災害時ならば隔て板を壊しても構わないので、お部屋の中をのぞいてみるということも必要かもしれません。そういうことを管理組合の役員が知っているだけではなく、皆が知っている必要があります。

震災時に地域でマンションの近くにいて一番頼りになるのは、実は中学生だと私は思っています。高校生になると通学で遠くに行っている可能性が高いですし、小学生だとまだちょっと小さすぎるかもしれないので、中学生たちと、非常時にどう行動したらいいかを、あらかじめマンションの中で相談しておいて、何かのときには彼らに頑張ってもらうことができればいいと思っています。

地震が起きてエレベーターが止まったり、水道が止まってしまった場合、水を持って上の階まで行かなければならないと思いますが、このときに中学生ならば頑張ってもらえると思います。そのような形で、日ごろから心構えというか、どう行動したらいいのかを皆で話し合って覚えておいてもらったり、訓練すると随分違うのではないかと感じます。

あるいはお父さん、お母さんが帰って来られないで、本当に小さいお子さんだけだと、非常に心細い思いをします。そういうときには、やはり中学生ぐらいのお兄ちゃん、お姉ちゃんが少し面倒を見てあげたり、マンションに残っていたお母さんたちが、よそのお子さんだとか、おじいちゃん、おばあちゃんの面倒を見てあげるということも必要だと思います。それは、いきなりやれといってもなかなかできません。そうなると普段からのお付き合いが非常に大事であると思います。

「避難訓練」から「助け合い訓練」へ

普通、防災訓練というと大体形が決まっています。非常ベルが鳴って、皆で階段を駆け下りて下に集まって、消火器の使い方を覚えて、というような訓練が多いのですが、これはもちろん大事だからやっていただかなければいけないのですが、それだけではなくて大事なことは、住んでいる人同士がお互いの安否を確認する、無事かどうかを確認するということです。もしかしたら中でけがをしていたり、動けなくなっている方がいるかもしれません。特にお年寄りや子どもだと、揺れが大変大きいと、けがをしていなくても怖くて動けなくなってしまうということもあります。そういう人たちがどうなっているか、それぞれのお部屋をのぞいてみるとか、声を掛けてみるという形の訓練も、かなり大事だと思います。

例えばエレベーターが止まったときに、上の方の階で、仮にけがをしている方がいたら、その方たちを非常階段を使って下ろすわけですが、どうやって安全に連れていくか、また手当ての仕方などを訓練することも大事だと思います。マンションによっては最近は、心臓が止まったときに電気ショックで、もう一度心臓を動かすためのAEDを置いているところもかなりありますが、これは誰でも使えるように、実際に使って練習してみる必要があります。

ですから、これから必要な防災訓練は避難訓練よりも、むしろ「助け合い訓練」ではないかと思います。そういうことが、これからの災害対策では非常に大きな役割をするのではないかと思います。

ただ、特に新しいマンションだと表札もなく、名簿も作っていないというところも多く、誰が住んでいるのか全然分からないということがよくあります。これは大変怖いことでして、やはり名簿というか、誰が住んでいるかということは、お互いにある程度分かっていなければいけないと思います。これはもちろんプライバシーの問題がありますから、なかなか難しい面があるのですが、少なくとも隣近所の方同士が、お互いにどんな方が住んでいて、どんなふうなお子さんがいて、あるいはおじいちゃん、おばあちゃんがいるかどうかということをお互いに、ある程度分かっているということが大事だと思います。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。