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防災インタビューVol.78

耐震防災、減災の町づくり

放送月:2012年8月
公開月:2012年10月

大野 承 氏

元美しが丘自治会長

プロフィール

私は大野承です。昭和22年生まれで65歳、めでたく今年から高齢者になりました。今住んでいる所は美しが丘で、ここに来たのは1970年ですので、もう四十二、三年前になります。ちょうど僕が就職した年に、おやじとともにここに越してきましたが、転勤族だったもので2、3年だけいまして、その後ずっと全国いろいろな観光地を巡り歩いて、こちらに戻って来たのが1990年です。それ以来、一応住んではいるのですが、2005年に退職するまでの15年間は、この地元など全然知らずに会社と会社の近辺の飲み屋と自宅の往復でした。2005年に退職して、2006年にたまたま自治会長がくじで当たってしまったので、それ以来、地域活動というのを丸7年ぐらいやっています。

防災とのつながり

たまプラーザの地元の自治会長をしていましたが、うちの自治会は1年で交代しますので、その縁でいろいろな団体のお手伝いをさせていただいています。現在は、私の所属している中部自治会と、もう少し広域の連合自治会という二つの組織で、「防災のつどい」などの防災訓練のお手伝いをさせていただいています。

中部自治会というところは非常に防災意識が薄いというか、のんびりとしたところで、地震が来たとしても6弱ぐらいだし、液状化もないし、崖崩れの危険箇所もないと言っていましたが、3.11前後から防災意識を高めるために、啓蒙活動を行ってきました。

ここはエリア的に津波の心配もありませんし、建物も耐震の基準をクリアしているものが多いですし、割と安全な場所ではあります。自治会内には家が千軒あるのですが、多分つぶれるのは十数軒だと僕は予測しています。たまたま運が悪い所はつぶれるかもしれませんが、その代わり転倒などでけが人は出るだろうと思っています。また私の予想では、甘いかもしれませんが火事の発生はゼロ件だろうと思っています。しかしながら直接の被害はあまりないかもしれませんが、この前の3.11で分かったように、とにかく店から物がなくなるし、もし直下型の地震などが起これば、今度は電気、水道、ガスが1週間から10日は止まるだろうと予測しまして、それに耐えうる防災体制を、特にうちの自治会では注意してやっています。

自治会での防災の取り組み

3.11の地震の後に、この地域でやるべき事は二つあると思いました。一つは自助、完全な自助です。電車はその晩には回復しましたが、スーパー、量販店、デパートから物が消えて、物によっては1週間、10日、ない状態が続きましたので、まずは品物を備蓄するということです。もう一つは隣同士の声の掛け合いです。もし震度6強の地震が来たら、今回とは全然状況が違うので、隣近所との助け合いをやらなければいけないと思います。

備蓄自体は個人の家の問題ですが、隣同士の声の掛け合いとは、みんなの協力が必要です。この地区では大体20軒で一つの班をつくっていますが、その班の中でも隣しか分からないとか、お隣さんも分からないということが結構あります。それをまず何とかしなければいけないということで、「いっとき避難場所」といって、横浜市で推奨している仕組みを進めていこうということになりました。これは、何かあったら、ご近所のいっとき避難する所に班の方が集まって相談しようというもので、以前から案内だけはあったのですが、実際にはやっていませんでした。それを1回やってみようということで4年ぐらい前から計画して、1年間かけて班同士で話し合いながら、各班全部に自分の家の近くの公園などを「いっとき避難場所」に選んでもらいました。2年目と3年目は「実際にそこに集まってみよう」ということで、自治会から案内を回して、一定の日を決めて避難訓練をやりました。私はここの地区を「せんだみつお」と言っているのですが、これは千枚チラシを出して、来る人は1人か2人、3人来れば大成功、ということです。しかし、その時はびっくりしたことに、参加率約半分近くの家庭の人が集まりました。普段誰も居ない住宅地の公園に何百人かが集まってしまったもので、集まった住人たちも「この地域に、こんなにいっぱい人間がいるとは知らなかった」「この町ができて40年たつけど初めてだ」と、びっくりしました。その時に各班の方たちがお互いに紹介しあって、「うちは誰々です。家族は夫婦と子ども2人です」と、自己紹介を順にしていきました。それを2年間やって、ようやく皆さん、自分の班の状況が分かり、隣に声を掛けやすくなったという状態ができました。これは非常にうれしいことだと思います。

この避難訓練を通して、今まで隣に住んでいても知らなかった人たちが、知り合いになれました。横浜市では「支え合いカード」というのを進めていますが、班同士が知り合えば、カードなどがなくても、隣にこういう人がいると分かります。そうすれば、声を掛け合うことができます。これが共助としてのまず第一だと思います。それができれば、この地区の防災対策はほぼ9割終わりかな、というふうに思っています。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。