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防災インタビューVol.92

企業の災害対策 ~被災前後の対応とBCPの取り組み~

放送月:2013年7月
公開月:2013年12月

掘 格 氏

NEC

プロフィール

私は1987年にNECに入社して、人事総務グループで人事や教育に携わってきました。防災に関しては2002年から関わっており、リスク担当、防災担当として警備、入退場、セキュリテー、消防などを受け持ってきました。2004年の中越地震の発生以降、NECグループの防災、減災対策を推進してきたという状況です。途中、2003年にNECの防災について、本社ビルの防災対策が非常に良かったということで、消防総監賞を頂きました。その後、総務省やいろいろな官庁の防災関係の委員もやっています。現在は総務部防災BCPグループで防災対策や事業継続に関する仕事を、NECだけではなくグループ各社も含めて、いろいろとやらせていただいている状況です。

防災管理者、防災士、防災コーディネーターの資格を持っていますので、NECのみならず、いろいろな会社や外部団体から講演の依頼が来るので、年間50回から60回ぐらい外でも講演をしています。また、自治体から高校生たちと防災をやってほしいという依頼があり、NPO法人「手をとりあってつなぐ命」というのをつくって、そちらでも活動しています。

このように防災と関わって、いろいろな方と知り合い、その方々から、また新しいミッションを頂いているという状況です。

東日本大震災とNECの対応について

東日本大震災の際は、NECも含めて30社、77拠点が被災し、そこで働いている5800人、出張で行っている約1000人、合計6800人が被災しました。生産拠点は全部で8拠点、営業拠点、保守拠点は全部やられるという状況になりました。本来であれば関東やその他の被災していない地域からすぐ助けに行くのですが、関東は交通がまひしてしまい、発災後すぐの3時10分ぐらいには、もう第1便が出ていたのですが、6時すぎの時点でまだ北千住で、全然動いていないという事態で、なかなかその日中には届かなかったというところが、ちょっと残念でした。

事前に、何が起きたら何をするかを個人個人が決めていたので、揺れた瞬間に、すぐ電話をかける人間、すぐ地下の対策本部に行く人間、いろいろな人間がそれぞれ動いてくれたおかげで、特に我々が、これしなさい、あれしなさいと指示することはありませんでした。

保守に関しては当日からそれぞれの人たちがもう動き始めて、保守再開という形になりました。生産工場はさすがに電気が来ない、ガスが来ない、工業用水が来ないという状態でしたので、早かった所はもちろん早かったのですが、主な工場は11日後から生産再開することができ、他の会社よりもかなり早く復旧できたということで、いろいろなマスコミにも取り上げられました。

地震発生直後は、我々もよく状況が分からなかったので、「大きいらしいぞ、じゃあまず行ってみるか」「行ってから何か考えればいい。取りあえず、こういうものを持って行けば足りるだろう」ということで、当初は進めていました。だんだん夕方、夜になるにつれて状況が分かってきたので、追加でいろいろな物を持って行きました。翌日、被災地に入った人間は「かなりひどい状況だった」と言っていたのですが、彼らもプロですので、地震が起こって被災したところをどうやって立て直すかは常に考えて動いてきたので、黙々と自分の仕事をこなしていました。

NECでは、災害が起こった際には、まず非被災地、被災していない所から被災地に応援に行って、被災地の人の代わりに仕事をすることになっていますが、被災しているといっても家も家族も自分も大丈夫な方は「じゃあ仕事をするか」という形で仕事をしていただきました。そのために備蓄品を大量に送って、電気はつかないものの「普段と同じように生活できるんだ」「温かい物を食べられるよ」という形に持っていけたことは大きかったのかもしれません。

また、食料を工場に持って行って、それを近くの方にも分けました。近くの方から「チョコが欲しい」「薬膳生姜が欲しい」というリクエストなどが来ると、実際には会社のためではないのですが、それをお渡しするということをやっていました。特に東北の方々は、よく「お互いさま」という言葉を使います。そこでNECでは、持って行った食料を「お互いさまだから一緒に食べようよ」という形でお分けし、食べた方々が「その代わりに工場を少し片付けましょうか」ということで、お互いに助け合ったことが、その地域の治安を守るということにも一役買ったというふうに聞いています。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。