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防災インタビューVol.97

自分たちの町は自分たちで守る ~被災者とボランティアのつながり~

放送月:2014年1月
公開月:2014年6月

加納 佑一 氏

京都社会福祉協議会総務部企画担当

災害時要援護者」への対応について

東日本大震災では、災害時要援護者の方々がとてもたくさん亡くなられました。特に障害のある方の死亡率は一般の方の2倍あったという調査も出ています。また、震災が直接の原因ではなく避難所生活での困難であったり、避難する際に体に負担がかかったことなどが原因で亡くなる「震災関連死」をされた高齢者や障害者の方が、平成25年3月末で約2700人から2800人いました。せっかく震災で助かった命が、その後の対応で亡くなることがないように、もっと考えていかないといけないと思っています。現在、災害時要援護者に対する避難に関しては避難支援制度もできていて、平時につながりをつくっておいて、災害時には誰をどのように避難誘導するかという分担に関しても、地域でいろいろな取り組みも進んできてはいます。しかし、その後の避難所生活の支援、あるいは避難所に行けず在宅で避難をされている方々の支援をどうするのかは、ほとんど決まっていません。この部分をまず何とかしなくてはいけないというのが、今一番大きい課題だと思っています。

現在は、いろいろな福祉施設が福祉避難所として指定されてきていますが、実際には「行政の役割分担がどのようになるのか」という踏み込んだ議論はされていません。特に要援護者の方々からすると「今までもずっとお世話になっている」「申し訳ない」という意識が強いので、支援を求めるということ自体が非常に難しくなっています。災害時に困難を感じたときも、誰にそれを伝えたらいいのかも分からないし、どういうふうに伝えたらいいのかも分からないということもあるので、きちんと要援護者の方々に寄り添って、困ったことを聞いて支援するということにつなげられる人が必要だと思います。

自分たちの町は自分たちで守る

災害が起きたときは、いろいろな所から支援が来るわけですが、大島の話のように地元の人が災害に対して「自分たちの町は自分たちで守る」という思いで平時から取り組んでいくことが非常に大事だと思います。災害ボランティアのことも、要援護者のこともそうだと思います。災害によって自分たちの大好きな町が壊されてしまったり、自分の大切な人が亡くなってしまったりすることがないように、常に取り組みをしていくことが一番大事です。

災害が起こった際には、外から来たボランティアやNPO、NGOの人たちはすごく力があって、いろいろな支援をしてくれるのですが、少し時間がたつと支援慣れしてしまって、「なんでもボランティアがやってくれる」という思いが出てきてしまうのは、非常に残念なことです。災害が起きた直後には外からの支援も入ってきますが、その5年後、10年後を考えると、やはり地元の人たちが「自分たちの町は自分たちで守る」という思いを常に持って取り組んでいってほしいと思います。災害前からそういう意識を持ってやっていれば、災害が起きたときも活動できると思いますが、災害が起きる前に「自分はそんなの関係ない」「多分ボランティアさんが来てやってくれる」などと考えていると、全てボランティア任せになってしまうのではないかと思うので、平時からそういう取り組みをぜひやっていただきたいと思います。

特に「防災」と考えてしまうとなかなか難しいのですが、何でもいいと思います。地域にいろいろな人たちがいて、いろいろな困り事を抱えている人たちがいることを考えながら、祭りでもチャリティーウオークラリーでも何でもいいので、いろいろな人たちが出会える機会を意識的につくっていくことが大事だと思います。都内でもそういう形で「ボランティアさんと地元の自治会の方々と障害のある人が一緒に街歩きをしましょう」ということで、意図的にそういうグループをつくってやっているところもあります。そのように、いろいろな人たちが災害が起きる前につながれると「ああそうか、こういうふうな困る人たちがいるんだ」ということが、いろいろな人に分かるのではないかと思っています。障害のある人たちだけではなく、子どもとか女性の方々とか、いろいろな人たちがいるので、そういう地域のつながりが災害が起きる前につくれるといいと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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