1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報
  4. 防災インタビュー
  5. 災害情報とボランティア
  6. 自分たちの町は自分たちで守る ~被災者とボランティアのつながり~
  1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報

防災インタビューVol.97

自分たちの町は自分たちで守る ~被災者とボランティアのつながり~

放送月:2014年1月
公開月:2014年6月

加納 佑一 氏

京都社会福祉協議会総務部企画担当

大島での支援活動

大島では2013年10月16日の未明に土砂災害が起きて、本当に多くの方が亡くなられました。その際に大量の土砂が家の中に入ってしまい、ボランティア活動が必要になってくるだろうということで、翌日の17日から現地の入り、災害ボランティアセンター立ち上げの準備を最初にしました。しかしながら大島での支援活動は今までの災害とは違って、ボランティアを東京から送り出すにしても、物資を運ぶにしても、島という特殊な環境なので支援活動が難しいということがありました。また、その後すぐに台風27号、28号が近づいていたため、最初のうちは、なかなかボランティアに来てもらうための呼び掛けができず、非常に悩みました。

実際に大島に行ってみると、島全体が被害を受けているというよりは、山が崩れて、その下にある、通常は水が流れていない沢に土砂が流れ込んで、付近の家はほとんど大破しているという状態でした。沢から離れるにしたがって被害は少なくなっていましたが、結構たくさんの家の中に泥が入りこんでしまっていました。大島では以前にも土砂災害があったそうですが、なかなかこれが伝わっておらず、災害が大きくなってしまった部分もあり、今後は減災につなげるためにも、このような話を後世に伝えていかなければならないと思っています。

今回の大島の土砂災害で島に入って一番驚いたのは、島民の方々が既にボランティア活動をやっていたことです。島の高校生、中学生たち、あるいは大学に行くために本土に出てきていた元島民の方々がLINEなどでつながって、「皆で大島に行くぞ」という形で島に行ってボランティア活動をしていたというのが、すごく印象的でした。これを見たときに「島を思う気持ちみたいなのが大島の方々はすごく強いな」と思いました。それ以外でも、東京で働いていて、島にはすぐに行けないけれど、こちらでできることをやりたいと、東京ボランティア市民活動センターに相談に来られて、グループをつくって募金活動をやっている団体などもあり、皆で島を支えているというのを強く実感しました。

支え合いのボランティア活動

大島にボランティアが行って、その時に感じたのは、島の人たちの温かい気持ちでした。島外のボランティアが活動していると、島の方々がおにぎりやお茶、ヨーグルトなど食べきれないくらい、いろいろな差し入れを持ってきてくださいます。「泥出しはできないけれど、何か自分にできることを」と言って、持ってきてくれるおばあちゃんたちの様子を見ていると、本当にこれがボランティア活動の原点だと思いました。そういうふうに気持ちを寄せてくれているのは他の被災地では、あまり多くは見ないので、これも大島の特徴なのかと感じました。

災害ボランティアにとっては被災者とのコミュニケーションが大事だということで、行政情報などを載せた「かわら版」を作って、被災者の所を一軒一軒回って配っています。このような形で働き掛けをすると、今までは「うちよりも、もっと大変な家があるだろうから、うちはいいよ」と言っていた方たちも、本当はとても大変な状態で「少し手伝ってくれないか」と頼まれることも出てきます。単純に「必要だったら電話してください」と伝えるだけではなく、こちらから被災者の所に出向いていって直接声を聴くことが、とても大事だと思いました。「うちは一段落したから大丈夫だよ」と言っている方も、実際に訪ねて行って家の中を見ると、全然一段落していなかったりするものです。「うちじゃなくて他のお宅に」というような、一種の助け合いの心なのかもしれないです。

現在、大島は、だいぶ泥は片付いてきたので、島外のボランティアはお断りしており、現在の状況はFacebookで情報発信していますが、「いいね」が多いときは700、800付くことがあります。本当に多くの人が、今も大島に関心を持ち続けてくださっているというのは、非常にうれしいことです。「大島社協災害ボランティアセンター」と入れるとFacebookが見られますので、ぜひ見ていただければと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

会社概要 | 個人情報保護方針