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防災インタビューVol.103

東京ガスの防災活動とBCP(事業継続計画)

放送月:2014年5月
公開月:2014年12月

美濃口 謙二 氏

東京ガス横浜支店副支店長

クリーンで安全な都市ガス

東京ガスでは、都市ガスの原料である天然ガスを海外から輸入しています。この天然ガスは石油、石炭と比較して燃焼時に地球温暖化や大気汚染の原因となる二酸化炭素、窒素化合物の排出が非常に少なく、硫黄酸化物も全く排出しないという環境にやさしいクリーンなエネルギーです。都市ガスがいっていない所では屋外にボンベを置いてプロパンガスを使っていますが、プロパンガスは空気より重い、都市ガスは空気より軽いということの違いはありますが、性能はほとんど変わりません。また天然ガスは世界にたくさん埋蔵されていて、現在も新しいガス田が次々と発見されていますので安定供給が可能で、我が国の基幹エネルギーとして注目されており、より一層の利用拡大が求められているということです。

私ども東京ガスでは、このような天然ガスの優れた特性に早くから着目して、1969年に日本で初めてアラスカから天然ガスを輸入して、天然ガスを主原料とする都市ガスの供給を始めました。日本で利用されている天然ガスの多くは海外のプラントで液化されて、LNG液化天然ガスとして大型タンカーで輸入されています。東京ガスでは大型タンカーで運ばれた液化天然ガスを東京湾内にある根岸、扇島、袖ケ浦の工場の地下のタンクに貯蔵しています。これらの工場では防災を考慮し、東京湾で発生した過去最大の津波の高さに対応しており、工場にある地下タンクは万が一の地震の際に亀裂が生じても、液化天然ガスが地上に漏れることのない設計になっています。

都市ガス ~工場からご家庭へ~

都市ガスは海外から運搬され、工場で気化してガスになります。このガスを、圧力を3段階に落としながら、一般の1軒1軒のお客さまのところにお届けしています。その中で最も高い圧力の所を高圧導管といい、その次が中圧導管です。これらは高い耐震性が施されており、大きな地盤変動にも耐え得るよう溶接接合された銅管ですので、震度7クラスの地震が来た際にも、原則ガスを止めることなく供給を続けられます。実際、東日本大震災の時も東京ガスの中圧管、高圧管には被害は全くなかったということです。そして各家庭には圧力を一番落として低圧の導管で送っていますが、このガス導管が全体の90%を占めています。また、お客さま1軒1軒にガスをお届けしている低圧導管のうち最新のものは、震災による損傷を最小限に抑えるためにポリエチレン管を採用しております。高圧導管、ポリエチレン管については、東日本大震災や阪神淡路大地震の時にも高い耐震性が実証されています。このようにガスは供給されていますが、災害が起こった際には二次災害を防ぐためにガスを止めたり、被害が少ない所はガスをそのまま供給するということを行っています。

東京ガスの地震への備え

横浜の平沼橋の近くに大きなガスホルダーがありますが、これは朝晩に多く使われる都市ガスを一時的に蓄えておくためのもので、1日のお客さまのガスの使用に対応するために造られています。このホルダーについても伸縮管や揺れを吸収するオイルダンパーを採用しており、最新の技術や工法を取り入れて、強固な構造になっています。阪神淡路大震災の激震地区にも同じような構造のガスホルダーがありましたが、被害はなかったということです。

地震の際などには1軒1軒の家に備えられたガスメーターでもガスは止まりますし、大きなビルや地下街には緊急遮断装置が付いていて、管理人室やビル内の防災センターから遠隔で、施設全体のガスの供給を止めることができます。また東京ガスをお届けしているエリアは非常に広いのですが、約1㎢に1カ所、地震計が付いており、横浜市内では380カ所、東京ガスグループ全体では4000カ所の地震計が付いています。これは気象庁が設置している全国の地震計と同じ数で、東京ガスのエリアだけで同じ数の地震計を配置しているということです。この地震計が大きな揺れを感じると自動的に地域全体のガスを遮断して、地域の安全を守ります。東日本大震災の時も5分以内に地震計の情報を全部収集して、二次災害ゼロを達成しました。

災害の際にもガスの供給停止エリアをできるだけ最小限に抑えるために、東京ガスのエリアはガスの導管でくくって、191のブロックに分割されています。被害の大きな地域と少ない地域を切り離して、被害の少ない地域はガスを供給して、供給停止の影響をできるだけ少なくするようにするために、このように分割しています。特に液状化や津波の被害が想定される地域については、そのブロックをさらに細分化して、被害が広範囲に及ぶことがないように努めています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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