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防災インタビューVol.138

つながりの場をつくる ~災害ボランティア支援団体ネットワーク~

放送月:2017年3月
公開月:2017年10月

明城 徹也 氏

全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)事務局長

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

私は、特定非営利活動法人 全国災害ボランティア支援団体ネットワークの事務局長をしております。もともとは建設会社でサラリーマンをやっていましたが、90年代にアフリカで虐殺が起きて、人道的な支援が必要とされた時期があり、その頃にちょうど日本でも、海外で支援をしているNGOの団体があるということを知りました。それでアフリカの支援に関わるようになったのが、現在の全国災害ボランティア支援団体ネットワークの活動に関わるひとつのきっかけになりました。

アフリカにはいろいろな国があり、民族によっても性格や習慣は違っています。そこでの生活環境はやはり厳しいところもありましたが、いろいろな人に出会えて、とても楽しい面もありました。難民の支援をしたり、アフリカの人々が自分たちの力で自分たちの地域を良くしていくようなEmpowermentを手助けしていくために、先輩からも深く教えてもらいながら、地域主体での活動について学びました。その後、スマトラ沖の津波やパキスタンの地震など、自然災害を含めて支援活動をやってきましたが、東日本大震災をきっかけに国内の支援をするようになりました。

全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)の活動

全国災害ボランティア支援団体ネットワークは、JAPAN VOLUNTARY ORGANIZATIONS ACTIVE IN DISASTERという英語の略でJVOADと呼ばれます。その由来は、アメリカにあるNational VOADという組織です。アメリカは市民活動が盛んな国で、行政と連携するネットワーク組織としてNational VOADが活躍しています。その事例を学びに行って、日本に合わせた形で、日本にもそのネットワーク組織をつくろうということで、そのNational VOADから名前のヒントを得て、JVOADと名付けました。

JVOADをつくったきっかけは、東日本大震災の時に、たくさんのボランティアが現地に入ったことにあります。個人のボランティアの人もたくさん現地に入られたのですが、NPOやNGOなど、いわゆる組織として現地に入って、さまざまな支援活動をする団体もたくさんいました。しかしながら、そういった団体同士の連携、さらにはそういった団体とボランティアセンター、行政や企業の支援など、そういったところのつながりがなかなかなくて、非常に現場で苦労したという課題がありました。2013年頃から、東日本大震災の時に活動した団体のうち、同じような課題認識を持った団体がいくつか集まって、JVOADのようなものをつくろうという話し合いが始まっていましたが、それを経て、そういうつながりをつくっていこうということで、全国災害ボランティア支援団体ネットワークを2016年11月に立ち上げました。

現在は、災害が起きたときに対応する全国規模のネットワーク組織が主な構成メンバーとして入っています。例えば、ボランティアセンターを運営する社会福祉協議会の全国組織である全国社会福祉協議会、NPOの中心的な役割を担っている日本NPOセンター、普段は国際協力、海外での支援をやっているNGOと呼ばれるネットワーク団体、さらには青年会議所や生協も一緒になって取り組みをしようということで活動しています。

いろいろな団体が一緒になって横のつながりをしっかり持って、誰がどこでどういう支援を行っているのかをしっかり把握していくためにも、そういった広いつながりは大事になってきていますが、それぞれ支援に対する考え方やアプローチの方法、住民との接し方など、やはりそれぞれ異なった考え方を持っている所もありますので、そういったところを認め合いながらつくっていくのは、なかなか時間がかかるところもあります。しかし逆に言えばそういった所がつながることで新たな支援のあり方みたいなものがつくられていくと思っています。具体的な活動としては、昨年の熊本地震においても、NPOやNGOなど、支援団体の状況をしっかり把握するということと、そこの支援団体それぞれが、自分たちの専門性をうまく発揮できるように、行政とうまくつないだり、またはその団体同士をうまくつなげる場をつくったりといった中間的な支援を行いました。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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