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防災インタビューVol.138

つながりの場をつくる ~災害ボランティア支援団体ネットワーク~

放送月:2017年3月
公開月:2017年10月

明城 徹也 氏

全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)事務局長

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

熊本地震での対応

熊本地震は、2016年4月14日に前震が発生して、16日に本震という、ちょっと特徴的な地震の災害だったのですが、私は4月15日から熊本に入り、支援活動を行ってきました。やはり多くの団体が15日から、前震の翌日から現地入りしていました。実はこのJVOADをつくるに当たって、この時はまだ法人化はしていなくて準備会という段階だったのですが、JVOADとして動いた最初のケースになりました。

このJVOADをつくる段階で、内閣府やNPOのネットワーク、社会福祉協議会などとの関係がこの2年ぐらいでかなり深まっておりまして、実は災害が起きた時にすぐにそれぞれ連絡を取り合っていました。社会福祉協議会と連絡を取って、現地の社協関係者の情報は社会福祉協議会が集めるということで、われわれはNPOセンターと協力して、熊本のNPOを紹介してもらって、そこと連携できる形を作り、現地に行く前からこの現地のNPOとの協力体制をつくれるような関係性というのが熊本の時にはできていました。それによって何が変わったかというと、現地入りして間もなく、実はいろいろな支援団体を集める会議を行って、そこに国の行政の担当、熊本県の担当、そういった方も一緒に会議をする場が4月19日につくれたということで、非常に大きな変化だったと思っています。ただ集まるだけではなくて、その場で避難所の支援が行政だけではなかなか手が回っていないということで、NPOと一緒に協力してやろうというような話し合いがされて、それ以降、実際に避難所の調査を協力してやったり、運営支援に入るNPOが出たりしました。このスタートの時点でうまく協力関係がつくれ、それ以降の仮設の支援や大きな協力、連携体制の流れができ、それは今も続いています。この連携の関係性もそうですし、制度的なこともそうですが、本当に毎回毎回災害ごとに進化しているような状況です。今回の熊本の場合は担当者がすぐに理解していただいたということで、運に恵まれたということがありますが、災害時にはどういう人が支援に入ってきて、その人たちが何ができるのか、自分たちの地域でどうやって受け入れて、どう活用できるかということを普段から準備して、きちんと計画を立てておくことが非常に大事だと思います。よく言われるのが、せっかく遠くから支援に来てくれたのだから、支援してもらうネタを作らないといけないという考えになってしまう地域の方もいるのですが、そういう力を今後の復興やまちづくりに中長期的に生かしていくためにはどうしたらいいかを普段から考えられるといいと思います。

つながりの場づくりで災害に備える

災害が起きてからいろいろな団体が現地に入ってきますが、実際には、事前にどれだけ準備ができているのかが一番大事になってくると思います。来月、静岡県では地元の社会福祉協議会やNPOや行政が参加して、さらに県外から支援団体が入ってくるという想定で訓練を行う予定です。その訓練の日には、実際にたくさんの支援団体が静岡に行きます。そこでお互いどういうことを災害が起きたらやろうとしているのか、さらには、南海トラフが起きたらどういう被害が起きるのか、自分たちの地域でできることはどういうことか、地域でできなくて外の力を借りないといけないのはどういうことなのか、そういったことが分かるような訓練を2日間にかけて行いますが、このような訓練を静岡県では10年以上取り組んでいます。実はわれわれもその訓練の企画にここ数年関わらせていただいており、今日の朝もその企画の仕事をしてきたところです。

このような取り組みを各都道府県、市町村で広めていくというのも1つ大事な仕事になっていると思います。われわれは、訓練だけではなく、災害に関する関係者が集える場をつくったり、全国フォーラムを年に1回開催して、そこに行政や企業、社会福祉協議会、NPO、NGO、それから医療福祉の専門家、法律や建築など、被災地に支援に行くためのいろいろな専門をもった方がつながれる場というのも意識しながらつくっていきたいと思っています。なるべく垣根を低くして、みんながわが事のように災害について考え、横のつながりをしっかり持てるような場を全国区域でつくっていき、さらには、各地域でもつながりの場をつくっていけるようなサポートをしたいと考えています。

お互いを知っていることで、発災時の最初の動きが変わってくるということを実際熊本で経験しましたし、そういう意味では、災害が起きる前にいかにお互いの関係性をつくって、準備をしていけるかが大切になります。各地域にそういうネットワークができることが本当に大事だと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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