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防災インタビューVol.144

ADRAの活動を通した被災者支援

放送月:2017年9月
公開月:2018年4月

渡辺 日出夫 氏

特定非営利活動法人 ADRA Japan
国内事業(防災・緊急支援)担当マネージャー

プロフィール

私は、NPO法人 アドラジャパン(ADRA Japan)という団体に所属しています。アドラジャパンは、1985年に設立されたNPO法人で、アメリカに本部があり、世界各地で国際協力をやっている団体ですが、1995年の阪神淡路大震災の時から、国内での災害の被災者支援も行ってきており、2008年からは平時の防災啓発も行うようになりました。私は国内事業担当ということで、平時は防災啓発、日本で災害が起きれば被災地に行って支援をするという役割を担っています。私は、実はNPO法人になる前の団体の時に少し働いていましたが、2008年に防災啓発を行うようになった際に呼び戻されまして、今の仕事について約10年になります。
もともと海外に行ってみたいという希望がありましたが、ちょうど私が高校生の時にアドラがやっていた海外ボランティアプロジェクトとして、ミクロネシアのヤップ島という所の小学校の水道施設を造るプロジェクトがあり、それに興味を持ったのが、この防災やボランティア活動に関わるようになったきっかけです。「旅行じゃないんだ、ボランティアなんだ」と親を説得して関わったのが、この活動の最初でした。

ADRA Japanとは・・・

ADRAは、海外ではアジア、中東、アフリカなどで、災害時の緊急支援や教育、保健医療の改善を通して、人々の自立を支援する活動をしている国際協力団体です。今はアフリカのジンバブエやミャンマーなどに日本人のスタッフを派遣して、現地のアドラの仲間と共に活動をしています。国によって活動内容は違います。例えば、ネパールでは長年、毎年医療チームを派遣する保健医療や難民の支援などを行っていますし、ミャンマーでは教育に関する活動として、学校を建てたりもしています。
日本では平常時は国内の防災啓発をしておりまして、災害が起きればいち早く被災地に行って支援をするというような活動になります。災害といっても地震もあれば水害、土砂災害もあるので、毎回毎回違う災害に対して、その状況に合わせた活動をしています。
私はよく「アドラってどんな団体ですか?」と聞かれるのですが、「支援活動の総合商社です」「百貨店です」とお伝えしています。

「支援者を支援する」ADRAの活動

国内の活動については、特に東日本大震災以降、支援団体の動きがアドラに限らず全国的にも大きく変わったのではないかと思っています。ただ、私どもは他の団体とはちょっと違うところがありまして、普通だと避難所や仮設住宅などに支援に行って被災者と直接交わったり、炊き出しなどの活動をされる所が多いと思うのですが、私たちは「支援者を支援する」という活動方針を持っています。
被災地というものは、避難所に行かれる方も被災者ですが、そこの役場の方々社会福祉協議会の方々、消防の団員の方とかお医者さん、学校の先生なども含めて全員が被災者になっているわけです。ところが災害が起きると、そういう方々は自分たちも被災しているのにかかわらず、住民への支援や学校に来られている方々の支援をしなければいけない立場になります。被災直後に自分の家族の安否も確認できないままに、被災された住民の方々への支援をするということになり、避難所に集まって来られる方々は皆さん安否確認をしたり、いろいろな自分のことができるのですが、職員の方々というのは、自分のことは後回しになってしまいます。それなので、私たちはそういう被災者ながらも支援者にまわっている方々をサポートすることによって、彼らの苦しい状況を少しでも軽減をしていこうと思って活動をしています。
特に東日本大震災の時は、役場の庁舎すら流されてしまって役場の方々が働く場所を失ってしまうとか、多くの命を失ってしまう、仲間が行方不明になってしまうということで、場所もなければ人もいないというような状況でしたので、私たちが雑用的な活動を担っていました。特に最初は役場の被災された方々で、自宅に帰れない方々のために朝、昼、晩の食事の準備をして、その方々の活動をサポートしました。彼らは、食事をしているだけで「お前らメシ食ってるのか」というように住民に怒られてしまう状況でしたし、支援物資をもらうと「役場の職員が何をもらっているんだ」というふうに罵声を浴びせられることもありました。私たちは、実を言うと表向きはあまり見せないようにして、後ろの方でこっそりと職員の方々に食事を提供して、少しでもそこの食堂に来てリラックスしてもらうということを心掛けました。役所が無事であれば、あまり大きな影響はないのですが、東日本大震災の時のように役場が流されたり、常総の水害もそうでしたけれど、役場の1階が機能しなくなると、役場自体が全く機能しなくなるので、今後はそういう所のサポートも考えていかないといけないと思っています。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。