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防災インタビューVol.161

セコムの防犯ノウハウを生かした災害対策

放送月:2019年2月
公開月:2019年8月

小松原 康弘 氏

セコム株式会社
企画部

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

支援の中から生まれる新商品、新サービス

このように、実際に被災地の中でいろいろな支援をしてきたのですが、そこで見えてきたことを踏まえて、われわれとして実際に次なる災害に対して何ができるのかということで、新たな商品、新たなサービスを考えています。

特に力を入れて開発した商品の1つが「ポータブル蓄電池」という商品になります。これは災害対策用の本格的な蓄電池で、テレビ1台、ノートパソコン2台、携帯電話4台が8時間ほど使えるというもので、北海道の胆振東部地震の際に発生したブラックアウトをきっかけに非常に引き合いがある商品になっています。停電している被災地域では、電気の供給が必要なのですが、発電機ですとガソリンを入れなければいけませんし、室内で使うこともできません。そのような要望に応えてできたのが、この「ポータブル蓄電池」で、1台90万円ほどする、非常に高価なものではあるのですが、月に100台から150台ほど販売されていまして、被災地域で見たお困り事を踏まえたサービスとして非常に手応えを感じている商品になります。実際、携帯の充電ができたり、懐中電灯の代わりになる手回しラジオのようなものもありますが、本格的な蓄電池を必要としている方もいます。今回の北海道の胆振東部地震では、電気が完全に使えなくなってしまいました。現在は、いろいろなシステムが電気に依存しているので、このような蓄電池は必要になってくると感じています。実際この蓄電池にはキャスターも付いているので場所を移して使うこともできますし、通常は電源につなぎっぱなしにしておいて、災害が起こったら使うことができます。

あともう1つ、「安心防災シェルター」という商品を昨年の9月に販売を開始しています。

こちらは地震・津波・洪水・土砂崩れなどの突然の災害から身を守る最後のとりでです。特に、南海トラフの巨大地震などが想定されている災害リスクの高い地域には、避難したくてもどうしても避難できない方々がいます。例えば、金融機関などでお客さまの財産をお預かりしていて、最後の最後まで避難ができない方や、プラントや工場で二次災害を防ぐために最後まで残らざるを得ない方々がいらっしゃるところがありまして、そういった方々向けに、建物の倒壊に強く、水に浮くタイプで、定員2人乗りの「安心防災シェルター」を開発しました。これは、1台150万円と非常に高価なものではあるのですが、これも被災地支援の中で見えてきた、お困り事に基づいた商品で、セコムとして何ができるかをしっかり検証をして、お客さまに自信を持ってご提供できるものになっています。

経験を生かした、新たな防災対策のご提案

セコムではこれまで、被災地支援のための新たなサービスを開発し、防災のための商品を創出してきました。その中で、実用性の高い被災者支援として、私たちは何ができるかを考え、行政、社会福祉協議会、災害ボランティアと一緒になって被災地支援を考えてきました。それぞれの団体で支援できる範囲がおのずからあり、そこから抜け落ちてしまっている部分もあるので、その方々に向けても何ができるかを考えながら、事前の備えをしっかりしていくことができれば、もっと災害に対しても強い対応ができるのではないかと思っています。そのためにも、今後、事前の備えについてしっかり考え、お客さまに提案していくということを進めていきたいと思っています。

実際に被災地支援をされている支援者の方からお話を伺うと、「これをもし備えていればよかったのに」ということや、行政の方も行政という立場を超えて、「こういうのがもしサービスとしてあれば自分自身も使ってみたい」という声もありますし、災害に対する支援者や、災害対応従事者が持っているノウハウや知恵についても、「これならばわれわれでもできそうだ」という事もたくさんあるので、もっと頑張っていかないといけないと感じています。

その中で、現在まさに取り組んでいるのが、平成30年の7月豪雨、いわゆる西日本地方を中心とした豪雨災害への被災地支援です。最初は、岡山県、広島県、愛媛県の方々に対して、義援金の提供から始め、次にDMATを通じて被災地域の自治体の避難所に対して、AEDの提供をしてきました。また、みなし仮設に入っている高齢者に対しては、ウェアラブルのリストバンド型の「セコムマイドクターウォッチ」のサービスを提供させていただきました。このような新しいサービス、新しい商品も生まれてきているので、今後も被災地支援の取り組みに対して、さらに会社として力をいれていきたいと思っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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