介護用、災害用、仕事用の「ラップポン」
このように非常に有効な「ラップポン」ではありますが、まだその存在があまり知られていないため、被災された役所の皆さんが弊社のトイレを知っているわけではありません。しかしながら、全国から被災地に入ってくる医療チームは、「ラップポン」をかなり知っている方が多いので、現場に入った看護師やドクターがすぐに市の方に「感染症が出る前に、早くラップポンを用意してほしい」と伝える場面が最近非常に多くなってきています。
「ラップポン」は、介護用と災害用がありまして、災害用は「ラップポントレッカー」というアルミのタイプなのですが、これはキャンピングカーや工事現場のタワークレーンなどで使っていただくこともあります。災害用品としての「ラップポン」は、災害対策商品の展示会に出品したり、官公庁へ営業をして知ってもらうことで、広げていきたいと思っています。介護用は、介護ショップなどから介護保険で、1割負担で購入していただけますし、介護施設などに向けても販売しています。
「ラップポントレッカー」も介護用のトイレもリチウムイオンバッテリーが使えますので、事前に用意しておいていただければ、もし瞬間停電になったとしてもトイレだけは衛生的にお使いいただくことができます。万が一、電池がなくてもフィルムを張っているので、排泄後にフィルムを伸ばしてハサミで切ってしばるという使い方もできます。
スカイツリーの工事の時にも、タワークレーンが6、7台ありましたが、あの中には全部弊社の「ラップポントレッカー」が設置されていました。タワークレーンのオペレーターは、朝クレーンに上がって、昼食を食べて、休憩をして、夕方降りて来るまでずっと1日いるため、トイレも設置されているのですが、やはり臭いの問題もあったようです。スカイツリーの工事の際は、入り口の所にトイレを置くスペースを作ってもらって、「ラップポントレッカー」を設置していただき、「臭いがしなくていい」と評価していただいています。今では、キャンピングカーをお持ちの方から問い合わせがあったり、直接見せてほしいと会社に来られたりすることもあります。
2018年の西日本豪雨の際には、まず岡山、その次に愛媛の宇和島に入り、日本財団からの支援で、要介護施設と病院からの要請がある所に設置した「ラップポン」はかなりの数になりました。豪雨の後で断水になったため、特に宇和島の施設では、施設の皆さんを連れてバスで移動して、お風呂に入れるところに行っていたけれど、1週間お風呂に入れないこともあるようで、その後の見通しも立たず困っていました。トイレの水は、職員が市や自衛隊が運んでくる給水車からポリタンクに水を汲んできて、トイレのタンクに移し替えて使っていました。そこで、「ラップポン」なら、トイレの分の水が他に回せることを説明して設置をしたところ、「もっと早くこれが欲しかった」と喜んでもらえました。このように、まだまだ弊社のトイレは認知度が低いことを実感しました。実際、地震の時には、下水が駄目になってしまうので、バケツで水を流すこともできませんが、西日本豪雨の時は水さえ汲んでくればトイレは使えました。しかし、その水を汲んでくるという作業が本当に大変だったので、ぜひ、衛生面でも安心で簡単に使える弊社のトイレをもっと皆さんに知ってもらいたいと願っています。