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防災インタビューVol.171

災害現場でも役に立つ 自動ラップ式トイレ『ラップポン』

放送月:2019年12月
公開月:2020年4月

餅月 忍 氏

日本セイフティー株式会社
ラップポン事業部 営業部 部長

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

自然災害にも強い味方

2019年は非常に自然災害が多く、秋には台風15号、19号と大変な被害がありました。台風15号の時には、停電で困っているかと思い情報を待っていましたが、千葉県からも情報が何もなく、最終的には君津と木更津に災害救助法に基づいて20台ほど「ラップポン」を設置しました。台風19号の時は、福島県いわき市、南相馬市、宮城県の丸森町などに支援に回りましたが、特にいわき市では、すでに現地に入られていたアルピニストの野口健さんから連絡を頂いて、日本財団から支援を受けている分のトイレを設置させていただきました。野口健さんには、実は熊本の益城のテント村に5台設置した時から「ラップポン」を使っていただいていて、このトイレは女性にも人気があり、災害時には非常に役に立つ優れたトイレであることをいろいろな所で、講演の際に伝えていただいていました。この時も野口さんからご連絡を頂いて、福島県の施設や病院に164台設置させていただきました。この地域では、断水が長期間続いており、施設の方は衛生面で不安な思いをされていたので、このトイレが役に立ち、長期にわたり使っていただきました。宮城県丸森町や長野県豊野では、まだ避難所があり、すでに水も出て、下水も機能していますが、避難所の中で長期戦になると感染症が出るかもしれないという怖さが保健婦さんや役所の方たちにあるので、とりあえず片付けないで置いておいてほしいということで、まだ使っていただいている状況です。

このように「ラップポン」は、災害時には非常に役に立つ商品で、最近では突然に大雨が降ったり、災害が増えてきているので、まずはこのような商品があることを知っていただいて、備えていただければと思っています。

介護から災害現場へ

2005年に介護準備室というものを立ち上げてから、かれこれ14年になるのですが、「とにかく、世の中にない商品を作ろう」と当時の社長、現会長から言われ、「ラップポン」の開発を進めてきました。弊社はメーカーではないので、「こういう商品を作ってほしい」という現場の声を聴きながら、開発に力を入れて今に至ります。どうしたら皆さんにこの商品を知ってもらえるか、頭を悩ませながら取り組んできましたが、最初は介護用として出したこの「ラップポン」が、災害用としても認識されてきたのは、各市町村の防災訓練で紹介してもらったり、災害現場でお医者さんや看護師さんと出会い、実際に使ってもらって、災害現場で助かった、感染症が出なかった、感染症が出たけれどこういう方向でやったというようなことを学会でどんどんお話をしていただいたことで広めることができたのではないかと感じています。

いろいろな方に支えていただきながら、皆さんの要望をじかに聞き、ここが良くないという声を聴いて、開発に持ち帰って改良を重ねてきました。価格の面でも、介護の場合は10万円以内の商品であれば1割負担ですので、約1万円ぐらいで買うことができますが、消耗品であるフィルムは、毎日使うものですし、1枚が100円、120円するようでは高すぎる、50円以下でないと駄目だという意見なども介護協会の方に教えられ、なんとかそれぞれの問題に取り組みながら、改良を重ね、今があるという感じです。

開発してから、かなり時間がたち、だんだんと皆さんにも知ってもらえるようになった「ラップポン」ですが、展示会などにいらした70代、80代の元気な高齢者の方たちが、「これがあればもう息子や嫁にお世話になる必要がないわね」と言ってくださり、さらにどんどん広がっていっている気がします。個人のお宅でもきちんと密閉されるので、実際に使う方にとっても遠慮なく使えるかと思います。「ラップポン」と検索していただくと、ラップポン・ブリオやラップポン・エール2という木製の商品も出てきますし、災害現場で使用しているアルミタイプのトレッカーやトランクの形をしたラップポントレッカーの動画がYouTubeで出るようになっているので、ぜひ見ていただければと思います。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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