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防災インタビューVol.171

災害現場でも役に立つ 自動ラップ式トイレ『ラップポン』

放送月:2019年12月
公開月:2020年4月

餅月 忍 氏

日本セイフティー株式会社
ラップポン事業部 営業部 部長

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

私は、日本セイフティー株式会社のラップポン事業部で営業をしています。日本セイフティーという会社は建設と仮設のレンタルをしており、私たちの事業部は介護や災害現場で役に立つ自動ラップ式トイレ「ラップポン」の開発と製造、販売をしています。

介護事業部準備室の立ち上げが2005年から始まり、その時にこの商品の改良からスタートをしていたのですが、2007年の能登半島の地震の時に石川県の介護会社から連絡があり、「避難所でトイレに困っているので、日本セイフティーの自動でラップするトイレ、『ラップポン』を持って来てもらえないか」という要請がありまして、そこから災害現場に携わるようになりました。

自動ラップ式トイレ「ラップポン」

通常の介護トイレというのは、中のバケツに水を溜めて消臭をして、汚物をトイレに流して、それからまた使うということで、かなり部屋に臭いがします。「ラップポン」は、1回1回自動でラッピングをすることで、部屋に臭いがつかず、排泄物を介護される方が清潔な状態で取り除け、常に気持ちよく排泄をしていただけるトイレを目指そうということで開発されました。それが、実際には災害時に被災者に使っていただけるようになってきたということです。

この「ラップポン」は、もともとは木製で肘かけがある在宅用の介護トイレでした。それを避難所に運ぶには重くて大きすぎるので、何とかコンパクトにすることで、アルミ製の「ラップポントレッカー」という災害用のものを急きょ開発することになりました。現在では、被災地の避難所などで、感染症を未然に防ぎたいという気持ちでこのトイレ「ラップポン」をお届けしています。

「ラップポン」を被災地へ

2007年の能登半島の地震の時に、私たちは初めて被災地の現場に入り、約50台を支援させていただいたのですが、その際に、4月の冷たい雨の中で、お年寄りが外にあるトイレに行くのに、長靴を履いて傘を差しながら毎回毎回歩いて行かれている現場を見て、なんとか私たちが持って行った介護用のトイレを設置して、少しでも負担を軽減してあげたいと思いました。そこで、県や市や、いろいろな所と調整を行い、避難所でも「私たちは決して怪しい者ではありません」ということを話しながら設置をさせていただきました。その後起こった中越沖地震の時も、それまでの活動が認められ、東日本大震災の時からは政府の方から緊急調達を頂きました。今では日本財団からの支援を受け、どこで災害があってもすぐ現場に入って、現地と調整をしながら困っている避難所にトイレを届けられるところまで道筋ができました。

最初2007年に能登半島の地震時に現場に入った当時、私たちは災害救助法の事も知りませんでしたし、トイレが欲しいと言っている現場にどう一民間企業がこのトイレを届けていけばいいのかも全く分かりませんでした。災害後に混乱している中で、避難所の中に入って、そこのリーダーに一つ一つ説明をして、「こういうトイレがお役に立てますよ」ということを話しながら設置をさせていただくことでつないでいったという感じでした。

中越沖地震の際に、柏崎刈羽原子力発電所の方に行った時には、「ラップポン」を自衛隊に運んでもらって、現地の介護ショップと一緒になって設置をしていきました。私たちのように民間企業で支援をしたいという思いを持ったところもたくさんあるかと思いますが、なかなか支援をしに行っても、すぐに避難所に入れるかというと、なかなか難しいのが現状です。私たちも、まずは県や市やその現場のボランティアの方も含め、いろいろな調整をした上で、現場に入って行き設置をしましたが、東日本大震災の時は、中越沖地震の際と能登半島での活動が認められ、政府からの緊急調達を頂きましたので、すぐに現場に入り支援をすることができました。その時に渡波小学校という所で石巻赤十字病院の災害医療のドクターたちと出会い、「石巻を助けてほしい」という依頼がありました。最初の予定では、ラップポンを被災地に持って行き、ある程度設置を見届けてから帰ろうと思っていたのですが、結局3月末から5月の連休明けぐらいまで現場にいることになりました。

日本セイフティー株式会社の「ラップポン」を被災地に届けるルートとしては、まず1つは「政府調達」というもので、被災現場の各市町村から「自動ラップ式トイレが欲しい」「簡易トイレが欲しい」という要望が経済産業省に上がってきたものに対して、政府からの緊急調達ということで発注が来るパターンです。もう1つは、東日本大震災の時からなのですが、日本財団がわが社の自動ラップ式トイレは、お年寄りに使い勝手がいいし、室内で使える衛生的なトイレだということを認めてくださり、「支援をするならラップポンだ」ということで、日本財団から予算を組んでいただきました。全国の災害医療のドクターの集まりであるACT研究所のドクターたちが被災地での衛生状態をアセスメントして、各病院、避難所、介護老人施設などに届ける台数を決定し、私たちがそれを設置して使用方法を説明するという形で支援させていただいています。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。