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防災インタビューVol.175

危機管理からの学び ~自然災害と感染症~

放送月:2020年4月
公開月:2020年8月

櫻井 誠一 氏

日本パラリンピック委員会 副委員長
東京2020パラリンピック日本選手団副団長

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

プロフィール

私は現在、東京2020パラリンピック日本選手団の副団長をさせていただいていますが、1995年の阪神淡路大震災の時には、神戸市の広報課長として災害対策本部の情報を指揮させていただきました。また翌年の1996年には生活再建本部次長として被災者の生活再建支援を指揮し、2009年に国内で初めて新型インフルエンザの脅威が起こった時には、神戸市の保健福祉局長をしておりまして、感染症の対策本部を指揮したという経験があります。そして2011年3月に東日本大震災が起こりました。その時に代表監査委員という仕事をしておりましたので、過去の阪神淡路大震災の経験を買われて名取市への支援部隊隊長として支援に入り、名取市の災害の第三者検証委員会の委員も務めさせていただいたということで、何か災害、自然災害も含めて、そういう大きな事象に関わってしまう宿命の持ち主のような感じがしています。現在は、神戸市の職員を退職して、東京2020パラリンピック日本選手団の副団長として東京に単身赴任中で、8月25日からのパラリンピックに向けて、選手の強化を担当していましたが、こちらも延期になり、まさしくこの新型コロナ感染症事象に遭遇してしまったということになります。

また、現在は関西学院大学で非常勤講師として防災の危機管理などの講師をしており、いろいろな自治体で危機管理のための講演や研修等も行っており、2019年12月には世田谷区の防災担当管理職の研修の講師もさせていただいています。

日本初の新型インフルエンザのパンデミック

2009年5月に神戸に新型インフルエンザが入ってきました。これは現在の新型コロナとはウイルスの種類は違いますが、起こっている事象や経緯、そしてやらなければならない対策は非常に似通っている感じがします。現在も大変混乱していますが、10年前もやはり同じで、その当時は鳥型のウイルスによる新型インフルエンザを想定していましたが、2009年の4月ごろから発生した新型インフルエンザというのは実は豚由来の新型インフルエンザだったということで、当初メキシコで多くの方が亡くなったという情報があり、これはSARSと同じではないかというふうに伝えられて大騒ぎになりました。その結果、日本でも成田空港をはじめ、いろいろな空港や港などで検疫を行い、水際対策を行いましたが、すでにメキシコやアメリカで患者さんがたくさん出ているという状況の中で、日本の中にも既に入っているのではないかと言われて、どこに入っているのかを調査している最中に、神戸の高校生の間に感染していたということが分かりまして大騒ぎになりました。

当初、このインフルエンザの場合は鳥由来のインフルエンザということを想定しており、致命率、すなわち亡くなられる方の率が高いだろうということで、厳しい対応を考えていました。ただ実際は、症状的には致命率はそれほど高くはなかったのですが、感染はどんどん広がっていきました。感染するということは人間が動き回るから感染するわけで、人間がどうして動き回るかというと、症状があまりなかったり、症状があっても元気で、風邪のような感じで終わってしまうから動き回るので感染をしていくということが分かりました。それで法律で指定している感染症に対する対策から、普通のインフルエンザに対する対策に早く切り替えようということで対応したという経緯がありました。

神戸では、一番最初に高校生が感染しているのが発見された時に、即座に高校を閉鎖し、小学校、中学校も含めて、保育所まで閉鎖しました。それによっていったん収束をしていったという経緯があり、感染が発生した学校を閉鎖するということが非常に効果があったということで、その後もこのような感染症の際には学校を閉鎖することが有効ではないか、ということを、対策する側は実感したのではないかと思いました。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。