1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報
  4. 防災インタビュー
  5. 防災は命がけより心がけ
  1. ホーム
  2. 東急沿線の地域情報
  3. 安心・安全情報

防災インタビューVol.166

防災は命がけより心がけ

放送月:2019年7月
公開月:2020年11月

浅野 史郎 氏

神奈川大学 特別招聘教授

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

災害に役立つラジオを日頃から

私はラジオが大好きで、聴くのも出るのも大好きです。私が知事をやっている時に、コミュニティFMでラジオ番組を持っていました。毎週水曜日の夜7時半から30分の番組で、仙台の青葉区と泉区がエリアの「しろうと夢トーク」という番組をやっていました。私は浅野史郎ですから、「史郎と夢トークしましょう」というのと、私はプロではなく素人ですので、「素人夢トーク」。この番組はエルビス・プレスリーの曲しかかけない、エルビス・プレスリーの曲の話しかしないという世界でも珍しい番組で、7年間やっていました。知事の時でしたので、毎週生放送というわけにはいきませんでしたが、生放送の時に、もう1本とっておくという形でやっていました。コミュニティFMで人が少ないため、私自身がプロデューサーであり、ディレクターであり、DJをやっていました。家からCDを持ち込んで、自分自身で構成をしながら番組を作り、自分で機材を操作して、間にコマーシャルが入ると、コマーシャルのテープも入れてということもやっていました。実は高校生の時にも私は1人DJごっこをしていたのですが、この時は、多分30人くらいは聴いてくれていたのではないかと思います。それがうれしくて仕方がなかったです。コニュニティFMの番組中に生放送で「これから行くよ」と言って、毎回番組が終わると秘書を連れて焼鳥屋で打上げをしていました。また、私は生島ヒロシさんをよく知っていたので、宮城県から東京に出張に行く時には、「生島ヒロシのおはよう一直線」というラジオ番組のスタジオに突然お邪魔して出演したりしました。この番組はリスナーが多くて、地方に行くと「聴いていますよ」と言われました。テレビは皆に向かって話しているけれど、ラジオは自分ひとりに語りかけてくれているような感じがするので、ラジオに出ている人に対しては、お友達のように感じるようです。それがラジオの良いところです。

災害の時にもラジオは絶対です。コミュニティ放送というのはエリアが狭いので、その場所での災害の情報を的確に知ることができて、とても大事な情報源になります。神奈川県全体の情報よりも、青葉区なら青葉区の中での情報というのが、災害時にはとても大事で、リアルタイムですぐに放送できますし、テレビよりもエリア性があるという意味では災害には強いです。実際に災害が起きると停電したりしますので、そうなるとテレビは見られないですが、ラジオだと電池があれば聴けますので、ラジオは災害時のツールとしては絶対です。ぜひ皆さんもラジオの良さを伝えて、ぜひ聴くようにお友達にも伝えていただければと思います。

障害者、高齢者などの災害弱者への配慮を

災害弱者となる障害者や高齢者、なかなか素早く動くことができない人たちへの災害時の対策についてお話ししたいと思います。私は現在、2年前にできた「福祉防災コミュニティ協会」の会長をやっています。私は厚生省にいた時に障害福祉課長をやっていたので、障害者の問題は私のライフワークとして受け止めています。東日本大震災の際にもそうでしたが、災害と障害者の問題というのを考えていくと、やはり足りないところがたくさんあります。実際に、東日本大震災でも、災害による障害者の死亡率は、健常者の2倍です。なかなか逃げられないということもあって、大きな津波で命を落とす方も多かったと思います。

大きな災害の際には、避難所が開設され、障害者も避難所に行きますが、とても困難を感じていると思います。生存競争みたいなもので障害者が隅に置かれてしまったり、知的障害でも身体障害でも障害を持っているが故に特別な扱いをしなければならないのですが、専門に対応できる人がいないという問題もあります。

そこで、私たち福祉防災コミュニティ協会では、今、特に避難所に行った後の障害者に対して適切に対応できる「防災士」を養成しています。このことは専門の人だけではなく、一般の人にも分かってもらいたいし、助けてもらいたいと思っています。自分たちのことだけでいっぱいいっぱいかと思いますが、そういう中に障害を持っている人がいたら、ちょっと心配りをしてもらえればと思います。それと同時に、災害が起きる前から、そういう対応に関する知識を持った専門家を養成しておくとことが非常に大事だと思います。

また、被災地の避難所に置いておくべき機材として、福祉防災コミュニティ協会の総会シンポジウムの時に紹介された、水を使わない便器や、その他の障害を持っている人に役立つキットが1つのバッグに入ったセットを、ぜひ用意しておいていただければと思います。特に障害を持った方や高齢者が避難する拠点となる福祉避難所にも専門に対応できる人を配置してほしいと思っています。その両方をやろうとしているのが福祉防災コミュニティ協会です。災害が起こった際には、自分たちも大変ですが、障害を持った方、高齢の方がもっと大変な思いをしていることをぜひ理解していただければと思います。

※今回のインタビュー記事は、東急電鉄の協力のもと、「FM salus」が過去に放送した『東急建設 presents 「サロン・ド・防災」』の内容を、一部改定して掲載しています。