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防災インタビューVol.194

ソーシャルグッドアクターとして ~災害関連死ゼロへ~

放送月:2021年11月
公開月:2022年2月

早瀬 マミ 氏

俳優・上智大学非常勤講師・防災士

FMサルースで放送された音源をお聞きいただけます。

災害関連死ゼロサミット

「災害関連死ゼロサミット」は、私たち、助けあいジャパンと「熱圧着で菌も臭いも漏らさないラップポントイレ」を販売している日本セーフティー株式会社の2団体で立ち上げたオンライン・シンポジウムです。災害関連死を文字通りゼロにするためにトイレ問題に限らず、毎回異なるテーマで識者の方に登壇いただきまして、共創会議システムで視聴者もコミュニケーションができる約2時間のZOOMによる無料オンライン・シンポジウムを大体4カ月に1回のペースで開催しています。

私はその運営を担当しているのですが、今まで「災害時トイレ問題」「法律と自宅避難」「気候危機」「口腔ケア、災害食、トイレを中心としたおうち避難」をメインテーマとして取り扱ってきました。このシンポジウムは無料で、自治体や企業の防災担当者の方だけでなく、どなたでも参加できます。本当に皆さんに必要な知識が詰まっていますので、日本に住んでいる全ての方に見ていただきたい内容となっています。このシンポジウムは、今までに4回開催されていますが、その4回目から花王株式会社も協賛企業としてご参加いただき、口腔ケアのお話などもしていただきました。今後ますますの展開と皆さんへの認知を期待して取り組んでいきます。

現在私は、ゼロサミットを協賛していただいている、日本セーフティーのラップポントイレチームが新たに開発している「おうち避難トイレ」の廉価版の販売に向けてのプロジェクトのサポートをしています。また、企業やNPO団体が集結して、それぞれの取り組みの情報を交換したり、共有し合って横のつながりを深めて行くための「ぼうさいこくたい2021釜石大会」が2021年11月6日、7日に開催されましたが、その現地からの配信準備も担当しています。去年の「ぼうさいこくたい」はコロナ禍ということで全面的にオンラインで行われましたが、今年は、出店主企業、出店団体に限っては、ハイブリッド方式で、釜石に集まってブース出店の形でセッションを行ったり、展示をする催しもオンラインと同時に行われました。私は、助けあいジャパンに戻ってきてから、昨年初めてこの「ぼうさいこくたい」に参加しましたが、今年はリアルに皆さんにお会いできるので、楽しみにしていました。アーカイブ配信もありますので、今年の「ぼうさいこくたい」ということで検索していただければと思います。

ソーシャルグッドアクターとしての活動

今後は、助けあいジャパンなどの実務だけでなく、俳優として、特に「ソーシャルグッドアクター」として、防災と関わっていきたいと思っています。防災に関する事柄について、一般の方にも簡単に理解し、身に付けていただけるような啓発劇を行ったり、事前から災害に対するイメージができていないといざというときに体が動かないし、声が出なかったりしますので、実際の被災時にどういうことが起こるのかということをリアルな映像を作ってみんなに見ていただいて備えていただくために、俳優ならではの取り組みを実現させていきたいとひそかに思っています。

数年前に私はイタリアの映画に出演させていただきましたが、その際にイタリアの防災というのは非常に成熟していることを知りました。例えば被災時には、出来立ての美味しい温かい食事が出てきたり、パーソナルスペースに配慮された避難所が被災後すぐ建てられたりというように、システム作りが非常にうまくいっているようです。これからも他の国々に行ったときに、「防災」という切り口で、海外事情を見て学び、それをまた国内で還元していけたらと思っています。

もう一つ、これから本当に具体的にやっていかないといけないと思っているのは、介護の現場における災害に対する備えです。東日本大震災が起こった2011年3月11日の頃は、私は祖母の介護の真最中でして、祖母は床ずれを防ぐために電動ベッドに寝ていました。停電したらどうしようと、非常に恐ろしい思いをしましたが、実際には住んでいた所は大きな被害はなかったので、心配は杞憂に終わりました。しかし、これから母を介護することになったときに、経験値はあったとしても、こういう仕事をしている自分自身でさえ、今も何も対策ができていない状態なので、しっかりと準備をしていかなければと思っています。こういう問題についても、災害関連死ゼロサミットで取り上げてもいいですし、もっと個人的に小さな単位で呼び掛けを行ったり、対策を立てていけるようにこれから活動していきたいと思っています。阪神淡路大震災、東日本大震災といろいろ大きな災害の経験を通して、防災についても少しずつはステップアップしてきていますし、現場の皆さんもとても頑張っています。皆さんも常に防災について考え、備えていただければと願っています。

※今回のインタビュー記事は、「FM salus」が過去に放送した「サロン・ド・防災」の内容を、一部改定して掲載しています。

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